Eclipse 3.3に統合されたEclipse(サイト・英語)プラグイン、Mylyn(サイト・英語)のバージョン2.1が先ごろリリースされた(source)。InfoQはMylynのプロジェクトリードであるMik Kersten氏(ブログ・英語)に、Mylyn 2.1のリリースによってEclipseベースの開発にどのような変化がもたらされるか聞いた。
大きな変化の1つは、バージョン1.0でMylar(サイト・英語)と呼ばれていた名前を、Mylyn 2.0に変更したことだ。Kersten氏は名前の変更について説明してくれた。
私たちは古い名前から脱却しました。Mylynは私の博士論文の実装として始まりましたが、すぐに大きなコミュニティの多くのユーザに採用され、コミッタが増えて、毎月たくさんのパッチを受け取るようになりました。Eclipseファウンデーションはすべてのプロジェクトの知的財産を精査し、商用のエコシステムですぐに採用できることを保障しましたが、「mylar」という名前の商標権を主張することはできませんでした。私たちはすでにCodeGearのJBuilderに再配布しており、Eclipseプロジェクトはそのようなベンダーのユーザに対しても、Mylynを提供できることを保障する必要がありました。Eclipseファウンデーションのサポートで、私たちはよりユニークな名前に変わりました。新しい名前はニューロンの電導効率を上げて思考を加速する「ミエリン(myelin)」という物質にちなんだものです。私たちはMylynツールは思考の速度でコーディングしているような気になるところが良いというユーザの意見を聞きました。生産性を妨げるUIの干渉を減らすことがMylynプロジェクトのすべてです。
Mylynが提供する主な機能
- タスクにフォーカスしたユーザインタフェース - インターフェイスは現在のタスクに関連しないアイテムを自動的に隠し、特定のタスクに関連するアイテムを追跡する
- タスクリポジトリの統合 - Bugzilla、JIRA、Tracなど(source)のタスクリストを表示する
- リッチな編集と透過的なオフライン作業 - タスクの変更を自動的にキャッシュし、オンラインになると自動的に同期する
- 完全なEclipse 3.3の統合 - 広範なハイパーリンキング、エディタベースのコンテンツアシストやフォームサポートなどのEclipse 3.3の機能を利用する
本質的に、Mylynはできるだけ多くの情報を提示しながら、同時に情報過多を防ぐことで生産性を向上させる、Eclipseのユーザインタフェースのリファクタリングだ。InfoQはMylynの機能と機能性を議論する記事(source)および、ケルステンによるMylynの立ち上げと実行、そして平均的な開発者がMylynのインタフェースに慣れるまでの要約(source)についてレビューした。
Mylynは広範なツールの統合をサポートします。Mylynは私たちの仕事の方法を根本的に変えますが、私たちはすべての機能を任意に追加したり、徐々に採用することもできます。ここで問題の追跡にJIRAを利用している場合の具体的な導入方法を紹介します。うまくいけば15分以上かからずに、あなたのタスクはEclipseにあり、オフラインサポートやパーソナルプランニングを含むMylynのタスクリポジトリの統合のすべての機能を利用できます。(バグがあったら報告してください)このタスクにフォーカスしたUIについて知るには、Mylynに付属しているチートシート、あるいは他のドキュメンテーションによって以下を行ってください。
- Googleで「mylyn downloads」と検索し、あなたのEclipseのバージョンおよび(JIRAなどの)イシュートラッカーと(SVNなどの)バージョンコントロールのためのアップデートサイトから、Eclipseのアップデートマネージャを利用してインストールする。
- 現在、Eclipseにトラックリストがあることに注意する。JIRAの認証情報を入力し、検証の設定を行う。SOAP/RPCに関するメッセージが表示されたら、システム管理者に問い合わせる。
- JIRAサービスに保存したフィルタの1つを利用してタスクリストのクエリーを作成し、Mylynのリッチなタスクエディタで作業を始める。
- ポップアップメニューでてタスクを選択する。Mylynはタスクに関連する要素とエディタだけを表示するようにEclipseのUIを管理するだろう。タスクの選択はMylynがワークフローに追加する新しいステップで、その利点はすぐに明らかになるだろう。
- オープンタイプなどの通常の機能やフォーカスしているビューの要素をフィルタできるAlt+クリックのショートカットを利用して興味のあるものを表示する。あなたがアクセスする要素だけがビューに強調して表示され、使われないものはビューから消えることに注意する。ツリービューのスクロールバーや過剰な一般情報が消える。
- 新しい問題が発生したら、タスクを選択して、その作業を開始することに注意する。あなたのワークスペースは新しい問題に関連するものだけを表示する。Mylynを利用している誰かに問題をアサインされると、自動的に関連するコンテキストの共有を促され、作業を引き継ぐことができる本来の問題に戻るには、戻るをクリックするだけでよい。Mylynのワンクリックマルチタスキングの利点は、以前のタスクに戻るとすぐに明らかになる。
InfoQはMylynの導入に関するベストプラクティスについてもたずね、Kersten氏は彼の会社であるTasktop Technologies(サイト・英語)で自身やクライアントの作業で利用するために蓄積したベストプラクティスのリストについて答えてくれた。しかしながら、彼は一般に適用可能なベストプラクティスは直接、Mylynに組み込まれる傾向にあり、より特殊な機能(メールやカレンダーの統合など)はTasktop Extensionsによって実装されたベータ版であるとも述べた。Kersten氏はEclipseとMylynをベースにSpring Tool Suiteを開発するためのTaskTopとInterface21のパートナーシップ(source)、CollabNetのSubversion統合(source)、そして特殊なベストプラクティスの例としてRallyのアジャイル指向のMylynコネクタ(サイト・英語)についても言及した。
Mylynの将来の計画には合理化やユーザインタフェースのチューニング、タスク駆動のユーザインタフェースのための「関心度」モデルの改善、および情報密度と使いやすさの向上が含まれる。ケルステンはユーザ、特に去年の12月にMylyn 1.0をリリースしてから桁違いに成長したユーザコミュニティからのフィードバックを、新しいリリースに組み込んでいくとも述べた。