GWTx (サイト・英語) (ダウンロード)
GWTx はGoogleがJRE Emulation(source)と呼んでいるものの拡張に焦点を合わせている。GWTはJavaのコア・ライブラリの実装をいくつかJavascriptで提供しており、Javaで書かれたコードはGWTによってJavascriptへと適切に「コンパイル」すなわち変換される。
GWT-DND (サイト・英語) (ダウンロード)
GWT -DNDはGWTにドラッグ・アンド・ドロップのサポートを追加するための拡張ライブラリである。GWT-DNDはコミュニティで広く使われており、(後ほど説明するGWT Diagramsのような)他のプロジェクトで使われたり、他のプロジェクトがこの拡張ライブラリとの統合を提供したりしている。非常に成熟したライブラリであり、昨年の初めにGWTコアのダウンロード用のパッチとして導入された時から、少なくともいくつかのマニフェストに載っていた。
Hibernate4gwt (サイト・英語) (ダウンロード)
Hibernate4gwt は、GWTのJavaのバックエンドを、Javaの成熟したO/RマッピングツールであるHibernate(サイト・英語)と統合するためのフレームワークを提供することに、特に焦点を絞っている。GWTは、GWTアプリケーションでHibernateのようなライブラリを使うための、またとない機会を与えてくれるが、同様に独自の複雑さも生じる。Hibernateの機能だけではなくGWTのリモートサービスAPIを利用することにより、Hibernate4gwtは異なる統合オプションをいくつか提供しているが、それぞれに利点や欠点がある。
Hibernate4gwtはSpringフレームワークと連携するための文書化されたサポートも提供している(後述のGWT-SLを使用している開発者にとっても役立つものである)。
- ステートレス(デフォルト):サーバはステートレスなままで、いかなる追加の情報も保存しない。ドメインクラスの遅延属性(lazy attribute)を保存するためには、LazyGwtPojoクラスを継承する必要がある。
- ダイナミックプロキシ:遅延プロパティの情報を処理するため、サーバ/クライアントの双方でプロキシが生成される。Serializableインタフェースを実装し、GWTのクライアント側の遅延バインディングを強制的に行うだけでよい。(詳細は関連するガイドを参照)
- Java5のサポート:GWT はJava5をサポートしていないが、Hibernate4gwtによって、動的にドメインクラスのクローンを作成してGWT互換のDTOを作ることが可能となる。これらのクローンクラスはドメインクラスと同じ名前でなければならず(パッケージは異なる)、LazyGwtPojoを継承する。その一方で、 Hibernate4gwtが遅延プロパティの管理を行うため、マッピングファイルのクローンを作成する必要はない。.
- ステートフル:遅延プロパティの情報はPOJOではなくHTTPセッションに保存される。そのため、ドメインクラスはLazyGwtPojoクラスを継承する必要はないが、Webサーバはステートフルになる。
MyGWT (サイト・英語) (ダウンロード)
MyGWT は現在利用可能なGWTフレームワークで最もよく知られているものの一つである。LGPLライセンスで公開されているJavascriptのライブラリであるExt(サイト・英語)を使っており、同じチームによって開発されている。MyGWTは既存の成熟したライブラリであるExtを活用することによって、GWTにかなりの数のJavascriptの機能を取り込んでいる。
MyGWTライブラリには、ボタンやダイアログ、テーブル、ツリー、リスト、そして特にタブなどの、いくつかのコンポーネントの実装が含まれている。MyGWTはユーザ・インタフェースのコンポーネントをまとめるためのいくつかのレイアウトも提供している。
また、様々なコンポーネント用の動的なデータローディング・スキーマもサポートされており、XMLデータストアやJSON、GWT RPCのコミュニケーション・レイヤ(source)が含まれている。
GWT-Ext (サイト・英語) (ダウンロード)
GWT -Extはいろいろな意味でMyGWTによく似ている。MyGWTと同様に、GWT-ExtもExt(サイト・英語)ライブラリを使って構築されている。そのため、GWT -Extでサポートされているコントロールやウィジェットの多くは、見た目も動きもMyGWTと非常によく似ている。しかしGWT-Extは、 DatePickersや明示的なフォーム、バリデーション機能、ツリーでのドラッグ・アンド・ドロップといった、MyGWTでは利用できないコンポーネントや機能をいくつかサポートしている。
MyGWTのように、GWT-Extもコンポーネントで使用可能な様々なバックエンドのデータソースをサポートしている。
Gwittir (サイト・英語) (ダウンロード)
GwittirプロジェクトはGWT用のコンポーネントのライブラリで、モデルの相互作用スキームに矛盾しないUIを使うことに重点を置いている。Gwitterの作者達は次のように説明している。
このプロジェクトの目的は、Google Web Toolkitベースのアプリケーションとともに使用するために、コードのジェネレータやスカフォルディング、ユーティリティ、そして基本的なMVCフレームワークのセットを提供することです。いろいろな意味で、GwittirはMyGWTやGWT-Extによく似ている。GWTのUIライブラリであり、コンポーネントやフロー・コントロール、バリデーション、さらにはアニメーションといった機能を提供している。しかしながら、MyGWTとGWT-Extがどちらも、かなり良く知られているMVC スタイルのパターン(一例をあげるとSwingコンポーネントのレイアウトによく似ている)を使っているのに対し、GwittirはビジネスモデルとUI を統合するためのアプローチとして全く異なるものを使っている。GwittirのWebサイト上で、作者達は従来のMVCモデルに対する不満をはっきりと述べている。
うちあけておきたいことがあります。私は、ほとんど環境において、これまでに使ったことのあるUIツールキットのほとんど全てが嫌いでした。今ではModel - View - Controllerのパターンは非常に長い間使用されており、Javaの世界のSwingやSWTのような他のUIツールキットは、UIコンポーネントを開発する際に大いに採用されています。問題は、このモデルとあなたが作ろうとしているモデルは決して同じではないということです。UIツールキットを使って開発をする場合、あなたはあなたのビジネスモデルと連携するUIを作ろうとしているのであって、ツールキットの設計者が使う抽象モデルを作ろうとしているのではないのです。
GWT-SLとGWT-WL (source) (ダウンロード)
GWT Server Library(GWT-SL)は、GWTアプリケーションとSpringフレームワークを簡単に統合することを目的としたプロジェクトである。
SLはGWT Widget Libraryのサブプロジェクトで、POJOの公開をRPCのサービスとして可能にすることにより、GWT RPCのサービスをSpringに統合する助けとなっています。一方、GWT Widget Library(GWT-WL)は別のプロジェクトで、GWTの基本インストールで利用可能なウィジェットよりも、もっと機能豊富なものを提供することを目的としている。GWT-WLでサポートされているウィジェットには、カレンダーや計算機、画像ボタン、プログレスバー、画面のレイアウト等が含まれている。
GWT Diagrams (source) (ダウンロード)
これまでに説明したコンポーネント・ライブラリの大半とは異なり、GWT DiagramsはGWTを通して可変の図表をレンダリングする機能を提供することに焦点を合わせている。GWT Diagramsの機能の中には、複数のスタイルのコネクタや、どんなGWTのUIObjectでも接続点として使える機能、そしてコンポーネントの様々な端に線をつなぐようにコントロールできる機能等がある。
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ここまでに紹介したプロジェクトの他にも、GWTで利用可能なオープンソースのライブラリがあるが、活動の度合いやコミュニティでの採用のされ方は様々である。紹介しなかったライブラリを2~3挙げると、Rocket GWT(サイト・英語)(ウィジェットからJREのエミュレーションライブラリまで、あらゆる種類の機能を機能を提供)、gwt-maven(サイト・英語)(GWTをMavenに統合)、gwt-math(サイト・英語)(JavaのコアライブラリのMathを実装した拡張ライブラリを提供)等がある。
InfoQでは、今後もGWTのオープンソース開発コミュニティの進展をレポートし続けていく予定である。