MicrosoftはF#コンパイラーの新バージョンである1.9.4をリリースした。今回のバージョンはより洗練されていながらも、シンプルである。
Microsoft Researchの研究者であるDon Syme氏(source)は、自身のWebサイト(source)でそのリリースに関する詳細を発表した。今回のリリースの目的は、F#をさらに簡潔にし、同時に整合性を高めることであ る。Don氏は、リリースの変更点を以下のように示している。
今回のリリースで実施された言語の合理化に関して、主な特徴は以下のとおりである。
- 整合性が高まり、 シンメトリックオペレーターオーバーロード
- COMメソッドと併せて、名前付きおよびオプション引数を使用する( Excel、Word APIなどのより簡略な使用法を提供)
- 追加的なヌルのチェック
- オブジェクトモデルのコンプリート(sealed、abstractクラスの属性およびその他多くの詳細情報が解決されている)
- F#コアライブラリでのパフォーマンスの最適化
- Visual StudioのF# Interactive Windowの改善
- 100を越えるバグ修正、その多くはユーザからのフィードバックに基づく
これらは特徴であるが、Don氏によってもその詳細一覧が提供されている(source)。言語やライブラリに対するすべてのバグ修正や機能強化の概要がまとめられている。F#の目標はCLRで主流言語となることであり、それを目指しチームは前進し続けている。
このような項目に対処することは、言語を安定した製品化へと移すのに大いに役立つ。これまでどおり、全体的な目標は符号付き機能プログラミングの簡潔性、 能率性、表現性を、.NETプログラミングの一部として人びとが使用するツールの基本セットに統合しつつ、言語が簡単に使用でき、ツールのサポートを保証 することである。
コミュニティは、F# および機能プログラミングで起きていることを調べる素晴らしいリソースである。F#言語を実証する取り組みを専ら取り扱ったり、それにフォーカスする多く のWebサイトが存在する。F#のダウンロードやインストールは出発点であるが、誰がそれを使用し、どのように使用しているのかが分かると、それを試して みようという気になるかもしれない。
- Matthew Podwysocki氏による、 Adventures in F# - F# 101(source)と呼ばれるF#の使用に関する複数の部から成るシリーズ。
- Dustin Campbell氏による、Project Euler(サイト・英語)問題を解決するためのF#の使用に関するシリーズ(ブログ・英語)。
- hubFS(source) - F#のあらゆることについて討論するコミュニティポータル
またDon氏は、F#チームメンバー推奨のリンクを挙げている。
- Chris氏(source)による「F# in 20 Minutes - Part I」(source)
- Brian氏(ブログ・英語)による「New F# users: some tips to help you become productive more quickly」(ブログ・英語)
- Brian氏による「Discriminated Unions in F#」(ブログ・英語)
- Brian氏による「Pipelining in F#」(ブログ・英語)
Microsoft F#言語に関する詳細は、Microsoft ResearchのWebサイトで参照することができ、F# Compilerもそこでダウンロードすることができる(source)。Don Syme氏のブログ(source)も同様に、F#言語の展開について知るには良い情報源となっている。
原文はこちらです: