Simon Jonesは、Scrumが嫌いではないものの、疑問点もいくつか頭に浮かぶという(source)。
- XPにないものでScrumが提供してくれるものは(上手なマーケティング以外に)、どうしても思いつきません。グループの中でもScrumを支持しているメンバーは、XPのアイデアはScrumから来ていると論じた。XPよりScrumのほうが古いというのが論拠である。
- XPの中からプロジェクトマネージメントに関連する部分を抜き出したのがScrumであるように感じます。
- Scrumでは推奨するプラクティスについて詳しく述べているのに、エンジニアリングのプラクティスを/意図的に/外しているのは、なぜなんでしょうか。
- 生兵法は怪我のもとです。Scrumはアジャイルになるために必要十分のように見えます…しかし、Scrumだけでは大火傷をしそうにも見えます。
Seyit Caglar Abbasoglu(source)の火に油を注ぐような発言もあった。
XPのこういったエンジニアリングに関するプラクティスのせいで、年寄りのマネージャがおびえてしまうんです。Scrumを実践する連中は、そうしたプラクティスを機会があるまで隠しておき、タイミングを見て、プラクティスが必要かつ有用である理由を説明しつつ取り出して見せています。Scrumが業界標準になった後で、そうしたプラクティスがScrumに追加されても、私は驚きませんね。そのような発言はScrumを支持する人々を呆れさせるものだと、Alistair Cockburnが言った。Alistairはまた、XPの「有用な」プラクティスが、プロジェクトに「必須の」ものであるとは限らないと指摘した。Alistairに対する反論で、XP抜きのScrumを採用したプロジェクトで、やがてXPのプラクティスが必要になり、それを取り入れてプロジェクトが成功したという事例の紹介があった。これに対しAlistairは、XPは使わずにScrumだけを使って、プロジェクトは成功、顧客も満足となった例を引き合いに出した。またCrystalを使っているプロジェクトの例も挙げ、XPを使っていないがよい成果が出ていると述べた。
Alistairは、XPのプラクティスが有用ではあっても必須ではないという意見を繰り返した(source)。
結局、質問はこうです。TDD、ペアプログラミング、さらに継続的結合やオンサイト顧客は、「あるといい」「有用」「必須」という中のどのへんにあるのでしょうか?これに対しJ.B.Rainsbeger(source)は、XPのプラクティス抜きで成功したチームは、チームメンバーが有能で、思慮深く、知識も豊富だったのに過ぎないと論じた。彼によれば、XPプラクティスを嫌っているScrum実践者は、平均的な開発チーム、すなわち平均的才能しかなく、エンジニアリングプラクティスのトレーニングが必要なメンバーとは、働くつもりがないのである。グループ全体としてまとまった結論は出ていない。
私の意見は、あくまで「有用」であって、必須ではないということです。
ScrumがXP抜きでも大丈夫なのか、エンジニアリングプラクティスをXPから持ってきて、不足を埋めなくてはならないのか、意見はまとまっていない。いっぽう、両方を組み合わせて使って、プロジェクトがうまくいったという意見もいくつか提示された。
原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2008/04/scrum-alienating-xp