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アジャイルの採用に関する感覚的な障害

| 作者: Mark Levison フォローする 0 人のフォロワー , 翻訳者 木下 史彦 - (株)永和システムマネジメント フォローする 0 人のフォロワー 投稿日 2008年8月20日. 推定読書時間: 4 分 |

Amr Elssamadisy氏 (『Agile Adoption Patterns: A Roadmap to Organizational Success』の著者) はAgile2008でアジャイルの採用における非技術的な障壁をテーマにセッションを行った。彼は「年を重ねるにつれて、もっともややこしい問題は技術ではなく人の問題であることに気づいたんだ」と言った。

Amr氏はアジャイルの採用に関する一連の流れの中でどうなることが採用の失敗を意味するのかはっきりさせたい、とセッションの参加者に問いかけた。そこで、以下にあげるような意見が出た。:

  • ビジネス価値を提供しない (ほとんど全員が同意した)
  • 顧客が幸せにならない (多くの人が同意した)
  • 全体的に (品質、生産性などが) 以前とほとんど変わらない (一部の人が同意した)
  • アジャイルを使うのを止めた (ほとんどの人が支持しなかった)

セッションの参加者はこれまでに提供してきたよりも多くのビジネス価値を提供することこそが成功であると位置づた。暗黙のうちに、そこには人びとが働きたいと思える環境をつくることが含まれていた。おそらく最も重要なことは、アジャイルへの移行にあわせて企業が期待し、必要とすることに関して目標を定めることだ。アジャイルの実践というのは、目標を達成するために使う単なる手段に過ぎないという意見に大賛成だ。

セッションの参加者はみんなでアジャイルの採用の失敗に関するいくつかの事例を聞いた。:

  • ある組織では、その組織の目標もろくに調べずに顧客にTDDを採用するように勧めるようなコンサルタントを雇った。TDDを採用してしばらくのあいだは品質が向上するものの、生産性は低下するということがありがちだ。しかし、この場合、品質はこの顧客が最初に手をつけたいところではなかった。そいうわけで、TDDの採用が目標に合致せずに失敗に終わった。
  • 別の組織では型にはまった作業指示書で開発チームに契約を持ち込んだ。アジャイルなやり方で働いているチームは右肩上がりで需要を伸ばしている顧客に見合った製品を開発した。そのプロジェクトが完了したとき、プロダクトオーナーとユーザーは満足した。しかし、上の方のお偉方はそうではなかった。作業指示書に書かれている条件を満たしていなかったのだ。(作業指示書に目標の正式な記述があった)

Amr氏はこれらの事例のいくつかで起こっていることを分かりやすくするために3つのモデルを紹介した。Christopher Avery氏の「責任プロセスモデル (Responsibility Process Model)」、Roger Martin氏の「無責任ウィルス (Responsibility Virus)」、Chris Argyris氏の「推論のはしご (Ladder of Inference)」だ。  

責任プロセスモデル

Amr氏は (Christopher Averyの『Teamwork Is an Individual Skill』より) 次のような一連の話を使うことで責任プロセスを説明した。:

  • 非難: 朝目覚めたあなたは鍵を見つけることができない。 あなたは奥さん(もしくは旦那さん)に詰め寄ってこう言う。「なぜ鍵を隠したんだい?」 
  • 正当化: あなたは全世界が間違っているというような長ったらしい退屈な話をする。
  • 慚愧: 私がばかだった。次はもっとうまくやれるはずだ。 (めったに役に立たないどころか、時には有害だ)
  • 義務: 今さっき上司から呼び出しがあって、来週は出張になったよ。もし、こんな呼び出しにしょっちゅう応じなければならないなら、疲れ切ってしまう。
  • 責任: 取捨選択することができる。ノーと言うことができ、ノーと言う権利がある。

線より下の反応は内向的で内在的だ。責任を受け入れる場合に限って、あなたは自分自身の未来を思い描くことができ、他の人にとってのお手本になることができる。私たちはソフトウェアのプロジェクトにおいて責任を受け入れることができる。「TDDはできません」みたいな発言を許すな。その代わりに、やる/やらないという選択肢があることを認めなさい。人びとが責任ある立場で行動するなら、結果として仕事はうまくいく。人びとが義務から行動する場合、あまり最後までやり通しそうにはないが、採用すると約束した仕事を頑張って続けようとする。

Rachael Davies氏はVirgina Satir氏の功績に匹敵する思っている。さらに、Christian Gruber氏はTerence Real氏の業績を推している。

セッション参加者は無責任ウィルス (Roger Martin氏による) のモデルについて話し合った。これについては以前、InfoQで紹介されている: The Responsibility Virus Helps Fear Undermine Collaboration(参考記事・英語)。参加者はさらに次の資料も引用した: Kent Beck in Be Yourself Create More Value(参考記事・英語)。これは素晴らしい資料だ。

最後のモデルはPeter Senge氏の『最強組織の法則?新時代のチームワークとは何か (Fifth Disclipine)』で言及されている「推論のはしご」(リンク)だった。

原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2008/08/agile_impediments

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