Wikipedia(英語版)によると(リンク)クラウドコンピューティングは、「IT関連の機能がサービスとして(リンク)提供されるコンピューティング形式」となっている。
現在、クラウドコンピューティングのインフラの大部分が信頼性の高いサービスで構成されていますが、このサービスは、演算・ストレージ仮想化技術の上に構築された次世代のデータセンタを介してもたらされています。サービスは世界中どこでもアクセス可能で、クラウドが消費者のあらゆるコンピューティングニーズの単一アクセスポイントとなっているようです。
ハーバード大学情報科学のHarry Lewis教授は先日、
クラウド参加の際は注意せよ
と勧告する論文を書いた(リンク)。
教授は、「クラウド内」の管理された機能へ移行する主な動機(リンク)は、運用コンピュータを維持管理する難しさである、と指摘している。
安価ですし、使う分だけ支払えばいいのです。…需要予測や、届いてすぐに時代遅れになる恐れのあるシステムの取得については、他の人に頭を悩ませてもらえばいいのです。あなたは自社の売れ筋製品のビジネスに焦点を合わせていればいいのです。こうした取り決めで何が気に入らないのでしょうか。
留意すべき現状について、教授は次のように述べている。
全主要企業が参加していますし(リンク)、多数の(参考記事・英語)中規模企業も参加しています(リンク)。GoogleによるGoogle Docsの追加で、企業のオフィスがあちこちに分散していても、メモやデータベースを電子メールで送らずに共有できるようになりました…。MicrosoftはOffice Live[ならびにLive Mesh](リンク)を携えて、競争に参入しました(リンク)。IBMのBlue Cloud(参考記事・英語)や、Amazonの「Simple Storage Service」と「Elastic Compute Cloud」(参考記事・英語)は、顧客の規模を問わず同じように高水準のコンピューティング能力を提供します。
恩恵は明白なようだが、教授は以下の問いかけを検討するよう勧めている。
- 他の誰かがそのデータを見る可能性があるのでしょうか?
- 請求額を支払うと〔支払えないと〕どうなるのでしょうか?
- そのクラウドはデータのバックアップをしてくれるのでしょうか?
- 自分のサービス提供者が自分と同じ事業に参入したらどうなるのでしょうか?
- 海外で事業を展開したらどうなるのでしょうか?
- クラウドに要求されていることは何でしょうか?
- アクセス制御はどうなっているのでしょうか?
- 〔ビジネス上の機能獲得に〕加えて、従業員が広告も目にするようにしたいのでしょうか?
産業アナリスト兼コンサルタントのJudith Hurwitzは次のように示唆している(リンク)。
最高情報責任者(CIO)のみなさんは、クラウドコンピューティングについて真剣に考えていません。
Hurwitzのこの言葉には、次の問いかけが含まれている。
これは、この新興市場の先行指標なのでしょうか、それともバックミラーを覗いているのでしょうか?
Hurwitzはバックミラーを覗いている方だと言う。
CIOやIT管理者の多数が、この意味するところを理解していません。…未知に対する恐怖です…クラウドの真実を明らかにする論文や発表が、主要ベンダーからまだ出ていないのです。
Hurwitzによると、望みはある。
企業は現在、特定のテスト環境でクラウドを利用するか、信頼できる供給元の手によって、アプリケーションを実質的にホストするという傾向にあります。
やがてCIOは意見を変え、実はクラウドコンピューティングは費用効果の高い、信頼できる貴重なアプローチと認めるだろうと思います。
Hurwitzはクラウドコンピューティング利用を論証するガイドラインを考案している。
- 既存のクラウド環境はスケールできず、先進の管理機能が備わっていないため、多数の問題がすでに表面化しています。
- 組織は一体何のためにクラウドを使用したいのでしょうか?
- 組織はクラウドを、単一用途のためのスタンドアロン環境と見なしているのでしょうか?
- クラウドに障害が出た場合、どうなるのでしょうか?
- クラウドのプロプリエタリ状態はどうなっているのでしょうか。それは統合にどう影響するでしょうか?
クラウドコンピューティングは、とにかくその投資対効果検討書が理由で、避けて通れないように思える。現在、事業でクラウドコンピューティングのサービスをお使いなのだろうか? 直面している課題にはどんなものがあるのだろうか(統合とサイロ、レポーティング、管理と監視、バンド幅、パフォーマンス…)? クラウドには何が欠けているのか? クラウドの大部分が「デスクトップ仮想化」(リンク)機能に成り下がっている可能性はないか? クラウドの所有者は誰か?
原文はこちらです: