Tasktop Technologies社(リンク)は、Eclipse Mylyn(参考記事)を作成しその開発を牽引している会社であるが、先日Tasktopバージョン1.3(リンク)をリリースした。InfoQではTasktop社のCEO兼Eclipse MylynプロジェクトのリーダーであるMik Kersten氏(リンク)にインタビューして今回のリリース及びそれによってエンド・ユーザにどんな変化がもたらされるのかについて訊いた。
InfoQ: Tasktop v1.3における主な新機能について説明して下さい。
Mik Kersten氏: 1.3はTasktop Autumn 2008(Tasktop 2008 秋)と名付けられ、様々な統合に的をしぼりました。Linux上のスタンドアローン・アプリケーションとしてのTasktopとFirefoxでタスク指向のブラウジングをするための統合機能が得票数上位二つとなりました。今回のリリースでこのどちらもが提供されました。スタンドアローンのLinuxアプリケーションについてはプロジェクト・マネージャとEclipseを使用していない開発者の両方から多くの関心が寄せられました。Firefoxとの統合についてはTasktopのブラウザ統合機能をFirebugなどのプラグインと同じようにFirefox内部から使いたいという非プログラマとWeb開発者の両方から要望が寄せられました。
今回のリリースにはこれ以外の機能強化もあります。例えば、タスクの詳細について同僚にeメールを送信する機能や新しいタスクの登録を効率的にするためのUIの改善などです。さらなる詳細については、New & Noteworth(リンク)(新機能&注目機能)のページに記載されている機能の一覧と今回のリリースに含まれた機能強化の一覧を見て下さい。
InfoQ: LinuxベースのTasktopによってどんなことが出来るようになりますか?
Mik Kersten氏: Linuxを使っている開発者とプロジェクト・マネージャはスタンドアローン・アプリケーションとしてTasktopをダウンロードすることが可能になり、Tasktopのバグ・問題追跡システム統合機能によってもたらされるあらゆるチーム内における気付きの効果を享受することが出来ます。ひとたびTasktopを使ってタスクの処理を始めるとすぐに、Tasktopのドキュメント管理機能だけではなく、Firefox内の各タブに対するタスクごとのセッション復元機能といったタスク指向インタフェースの効果を感じることができるでしょう。新しく追加されたLinuxのサポートによってTasktopや他のアプリケーションを使って仕事をしている際に自動で時間管理をすることが可能になりました。
InfoQ: Macで使えるスタンドアローンのTasktopを作成する計画はありますか?
TasktopはOSとブラウザの拡張機能に大きく依存していますし、ユーザ投票をベースにしていて、私達はMacの前にLinux向けに開発することにしました。MacではTasktop for Eclipse (Eclipse向けTasktop)を利用することができますが、Mac版のTasktopに対する要望が日に日に増していますので、今まさにその開発に取り組んでいるところです。もしこれを手にしたい人がいればユーザ調査(リンク)でMacのサポートに興味があるという意志を示し、早期アクセス版で使ってみたいということを私達に知らせて下さい。
InfoQ: Firefox統合に関する詳細を聞かせて下さい。それと、Firefox統合と同じ仕組みによって他のブラウザに対するサポートをコミュニティが追加することは可能でしょうか?
Mik Kersten氏: Windowsユーザは、Internet Explorerの拡張機能としてTasktopを利用することにより現在アクティブなタスクと関係の深いWebページが自動的に追跡されて表示されます。これによってそのようなページをブックマークする手間が削減されます。タスクを再度アクティブにすると自動的にそのタスクに関係するページがそれぞれのタブに復元されます。セッションは複数のウィンドウ間にまたがって復元されるので、マルチ・モニタで仕事をしている場合にはとても便利です。
TasktopのFirefoxアドオン(リンク)をインストールして"less is more"ボタン(Tasktopアドオンのボタン)を押すと、Tasktopの画面ではなくFirefoxの画面内でWebセッションの復元が行われます。Firefox内でページを移動するとTasktopのdegree-of-interest(関心度)モデルに登録されます。つまり手動でWebページを追跡するのはもう過去の話になるということです。クリックするだけで、ブラウザのタブが全て復元されるのです。これは取り掛かっていた機能に戻った場合に即座にテストしていたページが復元されるということを意味するのでWeb開発者にとってとても素晴らしいことです。開発者以外にとっては、ウェブ・ブラウジングを劇的に効率化させ、ブックマークの負荷を削減することになります。
相互作用の監視とセッションの管理についてはブラウザをまたがって標準化出来ていませんので、この実装はInternet ExplorerとFirefoxに特有のものになります。でもこの機能を他のブラウザ向けに拡張したいという人がいればぜひ私達に連絡して下さい。喜んで一般化します。
InfoQ: Tasktop 1.0の頃からユーザ・コミュニティはどのような作用を与えていますか?また、それらのフィードバックはTasktopの開発にどんな形で貢献したのでしょうか?
Mik Kersten氏: Mik Kersten: Eclipse MylynではEclipseの実力主義によって権限が与えられたコミュニティを形成しました。ユーザやインテグレータがMylynの機能を拡張したければ私達の透過性と私達が効率的な貢献のために提供する様々なツールを使って簡単に拡張することができました。ただ、Mylynの主な役割はフレームワークでした。従って私達にとっては新機能の追加よりもAPIの向上の優先度を上げることが重要でした。
Tasktopでは、有料顧客がいるので、私達は遂に機能要求に対して素早く回答を提供することが出来るようになったのです。例えば印刷機能ですが、これは多くのTasktopユーザが真っ先に要望したもので即座にほとんどの場合に対応可能な印刷機能の概要を提供することが出来たのです。私達の迅速な回答時間はTasktopのコミュニティに多くの権限が与えられており、多く貢献しているということを意味します。これによって私達はTasktopの統合に関して申し分のないフィードバックを得られることが出来るのです。そして私達は継続的にTasktopの生産性を高くする機能を提供することや、時間管理のような大きなものから、私が最早これなしでは生きて行けなくなった、ワンクリックでワーキングセットを切り替えるといったクリック回数を削減する新しい機能のような小さなものにまでに及ぶ素晴らしいフィードバックを得られることを嬉しく思います。
InfoQ: Tasktopの将来像、とりわけ2.0に関してはどうでしょう?
Mik Kersten氏: もちろん私達は既にTasktop 2.0に対して多くの強化を図っていて、これはクライアント、Webサービス、そしてパートナーとの開発においてもっと基礎的な変更を与えるものです。まだどんな機能が提供されるのかもらすことは出来ませんが、開発者が利用する多くのアプリケーションとの統合をもたらすアプリケーション・ライフサイクル・マネージメント(ALM)ツールとの統合を期待してもらって構いません。クライアント側では多くの効率化機能が提供され、プロジェクト管理と共同作業に関して共同作業の主な手段としてのeメールに終わりを告げるクールな計画もあります。これから追加される機能に関するヒントについてはTasktop blog(リンク)に注目していて下さい。