以前Scott Ambler氏(リンク)は、加速度を利用してアジャイルチームの生産性(リンク)を測る方法に関する記事を投稿した。最近、彼は引き続き別の記事を投稿したが、そこではアジャイルの生産性と加速度に関係のある、いくつかのよくある質問(FAQ)に答えている(リンク)。特にひとつの質問は、チームを加速することによって節約される金額を測る方法について答えている。
Ambler氏は次のように主張している。
もし簡単に生産性を測ることが出来れば、与えられた状況の中で何が役に立っているのか、あるいは何が役に立っていないのかを、みなさんは簡単に特定し、それを受けて調整することが出来ます。
大部分のアジャイルチームはチームがどのくらいうまくいっているかを測るのに速度を使っている、と彼は最初に述べ、それから続けて質問(と回答)をした。
生産性の基準として速度を用いることは可能でしょうか?
…
2つのチームの速度を比較することはできません。なぜなら、彼らは異なる単位で測っているからです。AチームはAチームの、BチームはBチームの見方で報告しているので、直接比較することは出来ないのです。
その代わりに、彼は別の解決策を提案している。
速度を比較する代わりに、各チームの加速度を計算します。
…
A チームの速度は時間とともに上がっていますが、一方でBチームの速度は下降する傾向にあります。すべてのものが等しければ、Aチームの生産性は上昇しているがBチームは下降している、と仮定することができます。もちろん、単に数字で管理するのは賢明ではありませんので、起こっていることを仮定する代わりに、私はむしろ2つのチームの人と話をしに行くでしょう。そうすることによって、継続インテグレーションや静的コード解析のような質志向のプラクティスを、Aチームは採用し、Bチームは採用していないことに気付くかもしれません。私はBチームがこれらのプラクティスを採用するのを手助けし、できれば生産性を上げたいと思うかもしれないことを示しています。
チームの加速度を計算するため、Ambler氏は以下の式を使うことを提案している。
(イテレーションx1の速度 – イテレーションx2の速度) / イテレーションx2の速度 = チームの加速度
イテレーションx1はイテレーションx2より前に行われたイテレーションである。例として、彼は2つのチームを使っている。ひとつのチームの加速度はプラスの方向で、もう一方のチームの加速度はマイナスの方向である。
…イテレーション1から6までのAチームの加速度は(20-17)/17 = 0.176ですが、一方Bチームは(45-51)/51 = -.118です。
Ambler氏はこの方法を使用する際のメリットとデメリットを指摘している。
メリット:
- 計算が容易である
- 費用がそれほどかからない
- 悪用されそうにない
- 自動化が容易である
- もっと効果的な運営をする機会が提供される
- チームのサイズの変更を簡単に調整できる
- この測定基準を簡単にお金にすることが出来る
デメリット:
- 生産性の間接的な基準である
- みなさんが関心のあることを測る必要が実際にある
- 管理は柔軟でなければならない
- 既存の計測プログラムは疑問視されるかもしれない
- 専門用語は科学的に思われる
FAQの投稿の中で彼は、どのように加速度をお金にすることができるかにふれている。
…みなさんの加速度が0.007 (0.7%)で、チームに5人の人がいて、1年間に負担するコストが1人あたり150,000ドル、そして2週間のイテレーションを行うと仮定して下さい。
…
そうすると、イテレーションあたりの平均の負担コストは1人につき150,000万ドル/26 = 5,770ドルになるはずです。このチームのイテレーションあたりの生産性の改善は5,770ドル * 5 * .007 = 202ドルになるはずです。もし加速度が0.7%で一定であれば、1年間の生産性の改善は全部で(1.007)^26(チームは1年間の全52週間働くと仮定)で、1.198あるいは19.8%になるでしょう。これは148,500ドルの節約になるでしょう。
26という数字は、1年あたりのイテレーションの数である(52週 / 2週間のイテレーション)。
みなさんはチームの加速度を計算するために、この方法を使い始めたいと思われるだろうか?
原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2009/01/Measure-Agile-Productivity