VMware が発表したクラウド用オペレーティングシステムとの異名をとる仮想化ソリューション vSphere(リンク) は、企業のデータセンタから社内クラウドへの転換を促し、仮想化市場において VMware を前進させる。
VMware vSphere はデータセンタをクラウドへと変えることを目的としている。 VMware は企業のデータセンタの社内クラウドへの転換によって現在の IT 基盤における投資を有効に活用する手助けを行いたいと考えている。何十あるいは何百もの個別のシステム、そしてそれぞれのハードウェア、オペレーティングシステムおよびアプリケーションを管理する代わりに、 vSphere はネットワーク、ストレージ、コンピュータの詳細を隠蔽し、セキュリティ、リソースおよびアプリケーションの管理を単一のパッケージで提供するただ1つの エコシステムを企業に提供する。
VMware の CEO、Paul Maritz 氏はこの新しいソリューションを「統合化された止まらない IT (Always-on IT in a Box)」と名付けたが、その理由を彼は以下のように説明した。
比較的小規模なサーバの構成で、ほんの数台のサーバを用意して、そしてそれらを定期的に保守するようにして、 そこにすべてをインストールすることができます。そしてもし何かが故障しても我々のソフトウェアは自己回復して動作を続けるので、すぐに誰かを呼び出すこ ともなく週次あるいは月次の巡回を待っていれば、彼らがやってきてそれを交換してくれるでしょう。
企業が自身のクラウドを作成することの手助けに加え、VMware は既に Terremark などの顧客らと連携して彼らのビジネスモデルをサーバ毎の演算能力の販売から CPU サイクルおよびメモリサイズの販売へと転換しており、実際彼らはクラウドビジネスモデルへ移行しつつある。
vSphere 上に構築されるもう1つのソリューションはソフトウェアがそれが動作するハードウェアについてインストールされるものではなくその人のためにインストールされるものであるというアイデアに基づいている。 つまり、その人はシン・クライアントまたはシック・クライアントが利用可能で、その間ハードウェアが変更可能で、そこで動作するオペレーティングシステムの変更あるいは更新が可能だが、そのユーザはそれらの影響を受けない。 これは VMware vSphere および VMware View を用いて仮想化を通じた抽象化レイヤを導入することによって実現する。
現在の VMware Infrastructure 3 の顧客には下記のような運用コストの低減、より高い効率性、そしてより優れた管理を保証する vSphere へのアップグレードが提供される。
- 約30パーセントの統合率の向上と、アプリケーションあたりのインフラコストの更なる削減。
- 仮想マシンが必要な分だけのストレージを消費できるようにすることでストレージの過剰割り当てを最小化する VMware vStorage Thin Provisioning による最大50パーセントのストレージ容量の節約。すべての VMware vSphere の顧客が利用したとすれば、これらのストレージ節約によって現在 Facebook 上に存在する画像データの50倍にも相当するストレージを解放できるだろう。
- VMware VMotion を利用してサービスレベルを落とさずに自動的にすべての仮想マシンを可能な限り少数のサーバ上に配置して不必要な物理サーバの電源を切ることができる VMware Ditributed Power Management による最大20パーセントの追加電力および冷却エネルギーの節約。すべての VMware vSphere 4 の顧客が VMware Distributed Power Management を利用した場合の1年間の電力節約量はデンマークほどの規模の国における10日間の電力をまかなうことができる量に相当する。
vSphere は以下の構成を1つのプールされたリソースとして管理することができる。
- 最大2,048個のプロセッサ・コアを有する32台の物理サーバ
- 1,280台の仮想マシン
- 32テラバイトの RAM
- 16ペタバイトのストレージ
- 8,000個のネットワークポート
価格は1プロセッサあたり$166、あるいは3つの物理システムで$995より。