昨年のRubyFringeは大成功し、評判もよかった。そこでは多くの興味深い講演やインタビューが行われた。
今年、RubyFringeを企画した会社であるUnspaceは、2009年7月9?12日にかけてトロントで開かれるFutureRubyカンファレンスでそれをまったく作り替えることを決めた。
チケットはまだ入手可能である - ただし、通常価格での購入は6月15日が期限である。
RubyFringeおよび今年のFutureRubyのオーガナイザである、UnspaceのPete Forde氏にこのカンファレンスにどんなことを期待すべきかについて話を聞いた。
InfoQ: このカンファレンスはある特定の話題を対象にはしていないようにみえます - FutureRubyのテーマは何でしょうか?
FutureRubyとは何なのだろう、という皆さんの期待をはぐらかすことをずっと楽しんでいます。わたしは、私たちを信用して登録してくれた出席者のみなさんにはとても感謝しています。そのうちの多くは公式にスピーカーを招待し始めるよりもずっと前に登録してくれているのですから。多くの意味で、このカンファレンスは昨年RubyFringeで始まったことの進化形ではあるのですが、FutureRubyは独自のアイデンティティ、聴衆、スピリッツを持つことが重要です…これは単なるアンコールではないのです!
もしRubyFringeが、無味乾燥で、忘れてもかまわないような、型にはまった、お金を儲けるためだけのイベントと考えられていたとしたら - そして、FutureRubyがRubyFringeとは違ったものと定義されるとしたら - 、私たちはパラドックスを抱えることになったでしょう。 それはまさに新世界秩序、あるいはソビエトロシアとともに私たちに残されたものです。"クライシス・オブ・アメリカ"か"ロシアより愛をこめて"のどちらかという選択が与えられたとしたら、結論は明らかでしょう。愛すべき、飾り立てた共産主義者です。
事実に基づくまじめな回答をすると、多くのカンファレンスは"学習する"機会を与えているような気になっていますが、現状に追いつくことができるだけです。そしてそれこそがアルファギークたちがカンファレンスに対して死ぬほど退屈だと思う理由なのです。私たちのイベントはそのデザインによって、頭の切れる創造的なハッカーを臨界に達するくらいかき集め、彼らに新しいアイデア、それも本当の意味で非常に実験的といえるアイデアを次々に浴びせるようになっています。こんなことは起こったことがないのですが、今まさに起きようとしているのです - すべてを含んだ社会的雰囲気という状況下において。これは現実世界における友情がうまれる状況を早回しで実現するものであり、さらに、人々が家に帰り「自分たちこそが未来がどのようになっていくのかを決めることが出来るのだ」と実感するのを、あなたはすぐに目の当たりにするでしょう。
InfoQ: あなたが招待した講演者について少し話してもらえますか?彼らは皆Ruby開発者ですか?
私は責任者としての役割に非常に真剣に取り組んでいて、Ruby開発者 - 何人かはよく知られていて、他の何人かは初めて講演する人です - と、かなり多くの"Ruby開発者以外の人"とのバランスを興味を持ってもらえるようなものにするために苦心してきました。Ilya Grigorik氏のような専門家を見つけられるでしょうが、他の言語やフレームワーク、他の専門分野のプログラマと混じっています。Molly Holzschlag氏は私の個人的なヒーローです。彼女はThe CSS Zen Gardenの共同執筆者であり、まだ実装すらされていないような標準にも影響を与えています。確かにまったくプログラマでないような人さえも講演者リストには数人載っています。
RubyFringeの出席者は講演者が話題を自由に選ぶことが出来たこと、そして今からでも変更したいならすることができることを覚えておきましょう。私の好きな講演の一つはNick Sieger氏の講演です。私は彼をJRubyプロジェクトの人として紹介したところ、彼はジャズ音楽の口述歴史について話し始め、それがプログラミングにどれくらいふさわしいかを話して、聴衆全員を陶酔させてしまいました。聴衆は夢中になっていて、私はそのとき私たちが期待の限界を打ち破ったのだと実感しました。もし、よいカンファレンスとは、人付き合いが下手なオタクが定番やモックについて50?90分間一本調子に話をするようなトラックが4つ同時並行に行われるようなもののことだ、と思うのであれば、それは間違っています。
私は、共有すべき興味深い話をたくさん持っているような人を招待してきましたし、実際のところ、他の皆さんにとってもその話が私が感じているように感じられると思っています。あなたも興奮するはずです。そうでないなら、それはFutureRubyがあなたのための場ではない、ということかもしれませんね…それでも別にいいでしょう!
InfoQ: FutureRubyはRubyFringeとどんな風に違うのでしょう?
内容、テーマ、ペースに関して言えば、その2つのイベントは大幅に異なっています。RubyFringeで話してFutureRubyでも話す講演者はGiles Bowkett氏だけですが、彼も昨年の発表と同じような発表はしません。交流イベントについては全く異なっており、一定間隔をおいて何度も開催されます。私たちはパブリックなFAILCampイベント(http://failcampto.eventbrite.com/)を同じ日の夜に開催しようとしています。そうです、私たちは本当に皆さんをフェリーに乗せて、ある島にあるプライベートなヨットクラブに連れて行こうとしています。その前夜にもブロックパーティが開催される予定です。そして、RubyFringeにはロシアのダンサーなんていませんでした。
物品の手配に関してはすべて同等(かそれ以上)ですし、細かな部分に対する注意の払い方も同様です。食べ物やパーティはすばらしいものになりそうですし、バッグも異例なもので企業のロゴは入っていません。全員に公共交通機関の無料パスが発行され、歩くか公共交通機関を利用することを後押しします。RubyFringeと同様に同時には1つのトラックしかなく、1つの講演は30分で、質疑応答時間はありません。出席者は150人までに制限されています。食事制限がある人にも利用できるようにしようとして、意見を聞いています。
最も誇りに思うのは、同伴者プログラムを再度実現できていることです。それは、昨年大きなヒットだったのです。FutureRubyの出席者とともにトロントに旅行する男友達、女友達、配偶者や恋人は自分たちの行動計画をもちながら、夜のイベントに参加することが出来るのです。そうなんです、FutureRubyは結婚も手助けするかもしれません。
InfoQ: こんなお金の工面が難しい時期においても、あなたがFutureRubyに参加しておくべきと考える根拠は何でしょうか?
FutureRubyはわざと中間の価格設定をしていて、800カナダドルです。(急いで!6月15日以降は900カナダドルのラッシュチケットのみ購入可能になります。)ざっと700USドルになります。早期割引チケットは5時間で売り切れましたが、実際、RailsConfのチケットよりも安かったのです。5回の食事、4つのオープンバーを合わせた食事付きパーティも含めてしまっています。それにもかかわらず、FutureRubyに来るべき理由はお金ではないんです。
私たちのある意味で革命的ともいえる目的は、私たちのコミュニティの中に、なまの、混沌としたイノベーションの種をまく、ということです。それはフレームワークやテストカバレッジのことではなく、インスピレーションや他の人の間違いから学ぶことなのです。私たちは、私たちの時代の叡智を持った人を集めることで、私たちの役割を果たしています。そして出席した皆さんはそこで見たことに対して、通常の環境ではできないような方法で、反応することが出来るでしょう。
もし、あなたがアナリストかスタートアップ企業の創設者で、世の中が来年くらいにどんなことに興奮するようになるかを知りたいと思うのであれば、FutureRubyはビッグバン(その端緒となる大きなもの)になるでしょう。