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SOAを超える:OMGがビジネス・エコロジー・イニシアチブ(BEI)を発表

原文(投稿日:2009/5/21)へのリンク

今月、オブジェクト・マネジメント・グループ(OMG)はIBMを創立スポンサーとした"ビジネス・エコロジー・イニシアチブ"(BEI)を発表した。BEIは、情報技術(IT)が企業にとってユビキタスで、欠くことのできない重要な資源となり、意思決定、構造転換、企業規模の品質イニシアチブを導き、効率と収入の原動力となり、投資に対する測定可能で明瞭な利益が提供できるように、ビジネスとITとの境界を消し去ることに焦点を置いている。OMGは永続的なビジネスプロセスの作成方法の詳細を提供するActionable Architecture™をBEIの基礎にするつもりである。

この発表において、OMGはBEIについてこのように述べた。

"BEIはプロセス最適化のメカニズム以上のものです。BEIはビジネスとITに対する時代遅れの概念を排除し、ユビキタスITの恩恵に焦点を当てる、ビジネスプロセスについての考え方なのです。我々はIBMや、事業を効率化し、無駄を削減し、困難な経済状況下を生き延び、回復を後押しする方法としてのビジネス・エコロジーの宣伝活動に興味を持ったその他の団体と一緒に働くことを楽しみにしています。"このようにRichard Mark Soley氏は述べました。

創立スポンサーであるIBMはさらにこのように述べた。"ビジネス・エコロジーは長期間に渡る顧客の成功の重要な要素であるビジネスとITの連携の改善を支持する、次のマイルストーンをよりよいものにするでしょう。"

 

BEIは発達段階であり、"ビジネス・エコロジーとActionable Architecture周りのプログラムの奉仕と擁護"を計画している。OMGはIBMと一緒に、技術とビジネスの両方のバックグラウンドを持つ優れたCEO、CIO、COO、アナリスト、ビジョナリーから成る"ビジネス・エコロジー諮問機関"を作ろうとしている。

BEIの中心となっているのは、Actionable Architecture™の考え方である。

"ビジネスとITが従来よりも密接になったので、我々はより高い視点から透過的にアプローチする必要があります。ビジネスは一般的なインフラやアプリケーションプラットフォームだけでなく、透過的なビジネスメソドロジを通じて技術リソースにアクセスするでしょう。... これはITに対してもはやユーティリティとして見られるのではなく、企業にとっての欠くことのできない重要な資源であることを要求します。ITは品質イニシアチブを導き、効率と収入の原動力となり、そして投資に対する測定可能で明瞭な利益を提供しなければなりません。... この役割をサポートするために、目的を達成するための手段として単に技術を使用するだけでは不十分であり、ビジネスの原動力として使う必要があります。ビジネスはなくてはならない基本的なアーキテクチャ全てへのアクセス手段を持っていなければなりません。"

Actionable Architectureは企業に、品質、効率、コンプライアンス、敏捷性、基準、再利用、影響力、重要性、有効性、最適化、持続可能性などの多くの利益をもたらすことが期待される。

 

前述の利益の一覧は、ほとんどがSOA、BPM、さらにはオブジェクト指向によってもたらされるはずであった利益と同じものである。OMGはBEIをSOAのような従来の技術の融合体と見ている。そして、従来のコミュニティを結集し、標準化活動を超えた以下のような業界のコラボレーションフォーラムの提供を通じて、新しい構想を刺激しようとしている。

  • SOAコンソーシアムサービス指向な企業への効果的な移行のための経験を共有するための、ビジネスアナリストとITエンドユーザのコミュニティ。
  • BPMコンソーシアムビジネスプロセスの性能を最大にするための経験を共有するための、ビジネスアナリストとITエンドユーザのコミュニティ。
  • GCIO持続可能なビジネス手法を宣伝するための、ビジネスアナリストとITエンドユーザのためのコミュニティ。

加えて、OMGは標準規格と成熟したモデルの支援に取り組もうとしている。

  • BPMM:企業のプロセス効率化のためのBPMを適用したことによる、組織の成功を測定するための標準化された手順。
  • グリーン・コンピューティング成熟モデル(GCMM):効率を最大化し環境に対する持続的な影響を最小化するための組織のビジネス手法と比較するための標準ビジネス手法。
  • アーキテクチャ駆動の近代化:レガシーシステムにすぐに接続でき、より近代的システム手法や技術、そして最適化されたソフトウェアアシュアランスやソフトウェア品質のための関連した標準に移行できるように、レガシーシステムをモデリングするための標準。
  • ソフトウェア無線:様々な種類のコミュニケーション技術が、あらかじめ定義された相互運用性ではなく必要に応じて相互運用できるようにする標準。
  • モデリング言語 SysML™:大きくて複雑なシステムが効果的にデザインされ、最適化され、組み合わされるよう、それらのシステムを定義するための共通の標準言語。

上に箇条書きした各項目は、それ自身が壮大な事業である。これらを一つの構想にまとめること、多くの挑戦とチャンスを生み出すことを期待させる。

全体として、BEIはSOAとBPMのような既存の技術の結合を少なくする。BEIは何もかも抱え込んだもの以上の何かを得るための技術的、方法論的ソリューション超越の手段と見られるべきである。BEIはSOAや同様の活動、構想を超えるべきだ。

今後、様々なBEIコミュニティによって多くのニュースが発信されることだろう。

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