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進化論から見たソフトウエア開発

| 作者: Amr Elssamadisy フォローする 0 人のフォロワー , 翻訳者 徳武 聡 フォローする 0 人のフォロワー 投稿日 2009年7月5日. 推定読書時間: 4 分 |

原文(投稿日:2009/6/29)へのリンク

ミームとは, もとはRichard Dawkins氏の著書"利己的な遺伝子"で提示された概念で、遺伝子を使って文化を考えるためのものだ。ミームは人々の間に広がり、思考や行動に影響を与える。  Julian Everett氏の考えでは、 ソフトウエア開発の方法論や概念や文化はミームの集合と見なすことができるのではないか、ということだ。  そしてそのように考えることで、方法論の効果とその理由は転倒してしまう。 "ITプロジェクトは組織のビジネス価値を最大にするために正しい道を歩んでいるだろうか" や "XPの方法論のひとつである「オンサイト顧客」は間違っているか" というような問いは、驚くべき答えと導かれる。

Julian氏はまず、ミームのライフサイクルを解説している。:

1) 不確実性:未解決の問題や我々の現在の世界観には合致しない現象から生じます。
2) (生物)多様性:そして、一連の新しい考えが生まれ、有効な解決策と見なされます。つまり、新しい現象を既存の世界観に統合する方法だと考えられます。
3) 支配的ミーム: 1つの特定の考えが“最高の”の説明/解決策に採用されて、新たな世界観に埋め込まれます。
4) ゾンビミーム:社会的あるいは商業的な文脈が変化した結果、以前支配的だったミームが重要でなくなります。つまり、支配的ミームは “死に”、 埋葬しなければならなくなります。もっともそれも、再び復活して大混乱を引き起こすまでですが。
5) ラザロミーム:死んだ考えが復活します。つまり、社会的商業的文脈が突然変化して、その考えに再び意味を与えます。

そして、Julian氏は、どうすればこのミームのライフサイクルをビジネスの中から見つけ出せるのかを説明する:

ビジネスの中では、ミームは組織のアイディアがたまっているDNAと見なせます。このDNAは “その組織全般に渡る生物的性質”として表現されます。つまり、営業戦略や予算、マーケティングやITプロジェクトなどに対する評価軸として働きます。
例えば、ミームの一部分がよく考えられたMMFを構成していると考えるとします[minimum marketable feature (mmf)とは、市場の中で価値を持ち得る最小の機能の集まりのことです。この中からひとつの機能を選び出し、その機能を実装したソフトウエアをリリースすればある程度の利益を上げらる、そういう機能の集まりのことです]。この場合、リアルアプションは組織のどのミームをいつ(最適な方法で)表現したらいいのか、どのミームを(否定的な評価を下して)排除する必要があるかを決定するメカニズムになります。
ゾンビミームは致命的な損害を生み出す存在です。経済的には、おそらく私たちは現在、効率的市場仮説(資本市場の規制緩和等を生み出した)という経済的なゾンビミームが生み出した死の灰の中を生きています。もっと身近な例で話しましょう。テクノロジを利用した計画の中で、私が今まで見てきた最悪の問題は“ゾンビプロジェクト”が生み出したものです。そこでは、計画を中座するのに強い抵抗がありました。事業や営業の環境が明らかに変化しているというのに…

仮にひとつの事業の価値をMMFとして見た場合、ITプロジェクトの着想は時代遅れで非効率なものに見える。:

進化論は生物に関する議論の焦点を有機体から遺伝子へと移しました。同じように、進化論の視点からソフトウエアの供給を見ると、ITプロジェクトに焦点を当てるのをやめて、単にMMFの観点からだけで考える必要があるのがはっきりします。例えば、資産の流動性が大きい組織は事業価値を追求/収集する文化を持ちます。そこでは、その時点で企業内で最も価値の高いMMFを実現するために、どのチームも常に配置換えが行われます。

 

Julianはまた、方法論をミームとして見ることで、顧客のXPに対する考えを盛り上げようとしている。:

XPの顧客の例を再び考えてみます。私がいままで(論争を起こしながら)言ったきたことは、ソフトウェア産業にミームが広がる重要な理由は、XPを発展させた人々の多くが何らかのコンサルタントであったということ、つまり、XPの顧客は、実際には営業対象の顧客であったということです。言い換えると、実経済の合理的世界が好むのは、 "プロジェクトが成功する"ことによって知られる顧客の定義であるということです。しかし、その成功は顧客側というよりもむしろコンサルタント側のものでした。では、ITコンサルタントが確実に利益を上げる最良の方法は何でしょう。古いミームは"期限内、予算内"に普通の情報伝達手段として使われてきました。しかし、それはより幸せな"全知の"XP の顧客という概念に取って代われました。これはまったく無理もない話で、コンサルタントは顧客の不安定な可能性のある営業戦略に財務上依存することを望まないからです(だからアジャイル開発の契約を定義するのは難しいのです)。しかし、顧客側から見ると、大局的には投資家の満足を得ることはさして重要ではありません。これはまったくの営業戦略であり、長期的なROIとを生み出すからです。

 

このモデルを用いてソフトウエア開発の世界を眺めるのはとても興味深いことだ。あなたのどう考えるだろうか?

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