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Ciscoが1年にわたるコンテストの勝者を発表

原文(投稿日:2009/10/09)へのリンク

Ciscoは、 “箱の中で考える” 開発コンテストの勝者を発表した。問題は、CiscoのISR用のAXPアプリケーションを作ることであった。

Ciscoの “箱の中で考える” 開発コンテストは、1年前に始まり、参加者を招いて Ciscoのサービス統合型ルータ (ISR)に組み込むことができるCisco アプリケーションプラットフォーム (AXP) 用のアプリケーションを作らせた。 コンテンストの第1フェーズには、75カ国から総数が900人を超える100チーム以上が提案書を提出し、最終候補として8チームが選ばれた。各最終候補チームは、実装し、8人の専門家で構成する審査委員会に提出した。これらの専門家は、Cisco、Forrester Research、Linux Foundation、 Yankee Group そしてMWD Advisors から来ている。審査委員会は、3チームを入賞者として選んだ。

第1位: スペインのDavid Perez氏が率いたチームMADnetworkは、ビルディング オートメーション サービスのアプリケーション(BAS)で50000ドルを勝ち取った。ブランチ事務所や雑居ビルを考慮して作成し、BASは、ビジネスがビルの運営を遠隔から監視し、管理するのを助ける。

第2位: インドのRajesh Kotagiri氏が率いたチームEnhancersは、Local Advertising Mesh Network Platform(ローカル広告網ネットワークプラットフォーム,LAMP)アプリケーションで30000ドルを勝ち取った。LAMPにより、AXP上にホストできる分散された広告サービスのプラットフォームを作れる。このプラットフォームは、当初小売りへの展開を狙ったISRに組み込まれる。例えば、小売店は、様々な場所でLCDユニットに広告を表示できる。このソリューションにより、広告投資の一部を既存のネットワークインフラに振り向けることにより、潜在する新しい収入の流れを開発することができる。

第3位: ドイツのBernhard Beckmann氏が率いたチームBugsBernieは、統合型監視システムにより20000ドルの賞金を獲得した。このアプリケーションにより、オフィス時間帯以外では、インターネット電話は、オフィス内の音声信号を監視するように作動する。異常な音声信号パターンが検知される(設定可能な閾値を超える)とアプリケーションは、外部のセキュリティサービスやデバイス(携帯電話、コンピュータ、ビデオ監視システムなど)に通知する。電話システムへの妨害行為も検知する。

チームは、各チームに1つのISRと1つのAXPモジュール提供するシュミレーション実験室にアクセスできた。チームは、バーチャルマシンが、基本的にAXPハードウェアをエミュレートするAXP Virtual Bladeも使うことができた。AXPモジュールは、ハードウェアモジュールで、ISRルータに接続されていて、電気もそれから供給されている、そしてそのネットワークインターフェースにアクセスしている。このモジュールは、Celeron か Pentiumプロセッサを持っていて、セキュリティ強化と管理の容易性を向上させ、カーネル2.6.xにCiscoが手を加えた特別なLinuxを走らせている。AXPモジュールの現行の3タイプは、以下のハードウェア仕様となっている。

サービス モジュール CPU RAM 記憶装置
AIM-102 300-Mhz Intel Celeron 256 MB 1-GB フラッシュ
NME-302 1.0-GHz Intel Pentium 512 MB 80-GB ハードディスク
NME-522 1.4-GHz Intel Pentium 2 GB 160-GB ハードディスク

Ciscoの技術マーケティングエンジニアであるAnurag Gurtu [AG]氏とCiscoのNetwork Systems and Solutions Marketing(ネットワークシステムとソリューションマーケティング)チームのシニアマネージャであるShashi Kiran [SK]氏からAXPについて聞いた。

AG: 開発者は、CiscoのISR(インターフェースを含んで)からデータを収集できるアプリケーションを書くことができ、おもしろいアプリケーションを考え出せます。AXPは、非常に多くのAPIを提供していて、APIは、例えば、IOS API、イベントトリガAPI、シリアルAPIなどが、ISR内に統合されています。AXP上で走るアプリケーションは、なんでもできます。例えば、ISRの設定、ISRからのデータやイベント通知の収集、ISRに接続されているシリアルデバイスの管理などができます。読み取り、書き込みの両方ができます、要は、可能性は無限です。AXPは、アプリケーションとネットワークドメインに集中するコンピュータプラットフォームを提供しているのです。

SK: AXPは、ルータに統合されたサーバだ、と考えてください。ブランチオフィスが直面している主要な問題点は、ITのリソースがブランチでは不足していることです。サーバベースのアプリケーションをルータに持ってくることにより、ブランチのIT装置を統合し、ルータがコミュニケーションインフラと結びついた時に、アプリケーションがより簡単にネットワークに対応しやすいようになり、更に重要なのは、余計な力をかけずに、あるいは追加の保守契約を必要とせずに、確実に遠隔からの管理を容易するのを助けています。

モジュール上のアプリケーションは、中央のアプリケーションとコミュニケーションできるように、あるいは中央のアプリケーションと通信できない場合には、単独で機能するモードにフェイルオーバするように、設計することがでます。ルータ上にホストされると、ネットワークインフラの一部としてさらなる強みを発揮します。すなわちアプリケーションは、WANに最適化する能力、より強固なセキュリティ統合、あるいはより効率的なネットワーク統合を利用できます。ISRは、同じルータという装置上に違ったサービスをもたらすのです。

実際、AXPでは、サードパーティのプロバイダや顧客でさえ、色々なやり方でISRを高機能化するアプリケーションを書くことができる。なぜ顧客がそのようなことをやりたいと思うか尋ねた。

AG: 顧客は、ルーティング、スウィッチング、コール管理、ビデオによる監視などを含んだあらゆることをするために、ルータを買っていますが、この “ワンボックス ブランチソリューション”に唯一ないのがアプリケーションです。これがAXPで解決されました。今や、顧客は、ルータを手に入れただけでなく、ルータ内にアプリケーションの真の可能性を増すような、ネットワーク対応のアプリケーションを走らせる環境が手に入る、新しい市場機会をAXPにより掴むことができるのです。

SK: 顧客の要求は、変わります。ISRは、真のブランチオフィスの問題点を解決します。すなわち、ネットワークやITインフラを最適化し、管理をもっと容易にし、所有コストを下げます。AXPにより、顧客は、更に柔軟性を手にしますので、自分たちのビジネス要求にもっと合った、ソフトウェア、サービス、すなわちアプリケーションを導入できます。これらのアプリケーションは、サーバベースでもスタンドアロンでもいいのです。もちろん、顧客は、ルータを買えば、ISRが提供する多くのサービスの中から自分のビジネス要求に合うように、ルーティング、統合されたスウィッチング、(Ciscoの)ユニファイドコミュニケーションズ、携帯性、WANへの最適化など他のすべてのサービスも手にすることになります。700万台以上のルータが売られましたが、ISRは、今日、業界で最も豊富なサービスを提供しています。

我々は、最終候補の8チームの1つにインタビュした。ブラジルのLeonardo Goncalves氏, Rogerio Augusto氏, とAlexandre Rodrigues氏によるチーム Jin Jin は、IPベースのメディアサービス向けのマネージメントプラットフォームを作った。

"IP Based Media Service (IMS、IPベースのメディアサービス)アプリケーション向けのマネージメントプラットフォーム"とは、何ですか?

パフォーマンスの高い環境で、大規模なIMSベースのアプリケーションをサポートおよび管理するためのソフトウェアインフラです。一言で言うと、IMSベースのアプリケーションを実装すれば誰でもこのプラットフォームを利用でき、このサポートをAXP内部に作りこんだのがミソです。

このアプリケーションで何をやり遂げたかったのですか?

AXPをパフォーマンスの高いIMSベースのアプリケーション用の実行環境に変えたいのです。JavaやOsgiのようなよく知られた技術を使って、フレームワークを作り、Telecom operators(電気通信会社)とそのパートナ達の両方に単純さをもたらしました。電気通信会社は、このインフラを使って管理や更新を行い、そしてAXP上に新しいビジネスを創造することができます。一方、パートナは、要望に応じて、アプリケーションをデプロイしたり、取り除いたりすることにより、更なる収益を生み出せます。我々はRaaS (サービスとしてのル-タ)という概念を作りました、電気通信会社とそのパートナ達は、また従来のサービスも前面に出し、使用します、そしてAXPが、(IMSアーキテクチャのコンポーネントを通して)通話状態を維持する調停役となります。

あなた方の計画は成功しましたか? 実装は、ちゃんと動いてますか、そして意図した通りのことを実行してますか?

ええ。IMSアーキテクチャのコンポーネントとしてSIPプロトコルを実装しました。また、すばらしい挑戦だったのですが、AXPの内部にOsgiといっしょにJiniと Javaspacesを詰め込みました。またデモアプリケーション(チャットサービスやAmazon.com の統合)を作り、分散したセッションで(この場合、AXPむき出しのサービスにより、チャットを使ったり、amazon.comのサイトをブラウジングする)ユーザの活動の履歴をとるという考えの検証を行いました。これらのすべてが、ISR内で動いているのです。デモは、RIAを使って作られ、AXP内にデプロイされたサービスを使います。

このコンテストでCiscoで経験したことは、どうでしたか? 学んだ教訓は,何ですか? 一番好きなもの/嫌いなものは何でしたか?

我々は、非常に多くのことを学びました。AXPのようなおもしろい技術で仕事をするのは、楽しい挑戦です。Ciscoが提供した実験室は、非常に好きですが、しばしば接続が中断する問題がありました。Ciscoの製品での経験が全くなかったので、どのように自分たちのプロジェクトを設定し、デプロイするのかを理解するのに時間がかかってしまいました。我々の提案は、たくさんのオープンソース プロジェクトを使っていて、それらのバグに出くわしてしまい、PC上ではうまく動くのに、ISRでは、突然動かなくなる、ということなどがあり、考えて、ISR内でうまく動くように設定しなければなりませんでした。

時間の使い方も問題でした。チームメイトがブラジルの違う場所に住んでいて、仕事もあります。スケジュール管理は、簡単なことではなかったです。いかに一緒に仕事をするかを学び、計画に遅れないようにしなければなりませんでした。

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