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XP と Scrum, どちらがよいか,よくないか?

| 作者: Amr Elssamadisy フォローする 0 人のフォロワー , 翻訳者 吉田 英人 フォローする 0 人のフォロワー 投稿日 2009年11月1日. 推定読書時間: 4 分 |

原文(投稿日:2009/10/26)へのリンク

Scrum と XP はどちらがよいのだろう? どちらかが他より適切なのか,あるいは別の選択肢があるのだろうか?

Tobias Mayer 氏は最近,自身のブログに "XP をやめよう (Don't Do XP)" として次のように書いている。

XP がなければ Scrum は機能しない,と主張するたくさんの人たちと議論を続けるのにはもううんざりです。Scrum は立派に機能します — 基本的な価値観と原理を理解した上で利用するならば。実際に適用すべきプラクティス(実践項目)が何であるかは Scrum を実施する状況によって決まります。教会での Scrum にとってよいプラクティスとソフトウェア開発のそれとは違うでしょうし,法律関係の Scrum ではそのどちらとも違うでしょう。

XP の支持者たちは,ソフトウェア産業によい開発プラクティスがないことをすぐに Scrum のせいにします。しかし XP の習得が非常に遅いことを考慮に入れれば,よいプラクティスがないのは実は XP 自体に原因があるのだ,という反論もできるでしょう(し,私はそうします)。

Tobias が言っているのは次のようなことだろう。Scrum は必要とされる技術的プラクティスを (Lean 用語で) "pull" するのには十分であって,XP は必須ではない。XP は負担が大きすぎるのだ。適用事例の少なさがそれを証明している。

Tobias のポストに Steve Freeman 氏は "XPをしよう (Do do XP)" と返答している。

にわかXP支持者である私は "ソフトウェア産業によい開発プラクティスがないことを Scrum のせい" にはしません。責任はソフトウェア産業にあります。私たちが従事する産業が効率的なものであるならば,物事はうまくいき,方法論を戦わせるようなこともないでしょう。今,この同じ産業は儀礼的な様相を呈することによって,Scrum をも台なしにしようとしているのです。その一方で,XP がよいプラクティスを妨げている,という非難はおかしな話です。

XP はちょっと注意を引くだけの,ほんの小さな活動です。警戒心や優柔不断からくる手詰まりのために,今にいたっても多くのチームが活動力を失っています。 XP(バージョン1)が達成したものは,ハッカー的行為に及ばずにこれを打破することが可能である,と示すことでした。XPは信頼性と効果のあるプラクティスのパッケージをチームに提供したのです。それでも XP が世界を席巻するようなことにはなりませんでした。それがすべての人々にふさわしいものではないから — とりわけ相当の集中と,多くのチームにとってふさわしくない技術を必要とするからです。Kent Beck 氏の行った XP バージョン1のプレゼンテーションは故意に極端なものでした。私たち群衆を触発し,ソフトウェア開発の限界とされる境界線を引き伸ばすことを意図したものだったのです。

Steve はさらに,XP は現在のクラフトマンシップ運動の危機と大いに関係がある,とも言う。

Tobias はそのとき,よい開発プラクティスが広がるのが遅かった,と書いています。それに対して私は XP がなければ私たちは今でも待ち続けることになっていただろう,と反論したいと思います。テスト駆動開発はいまだ広く受け入れられるに至っていません。オリジナルである C3 チームでさえ,Kent が本を執筆するまでは完全には採用していなかったのです。リファクタリングについてはいくらかの学術的なフォローもありましたが,TDD による保証なしに実践するリファクタリングは安全なものではありません。ほとんどのチームは現在でも,機能変更のため以外のコード変更を禁止しているのではないでしょうか。またペアプログラミングは現在でも実施が難しいのですが,これも TDD 状況下でこそ効果があるものです。私は一貫性のある技術プラクティスのセットを見つけることのできないScrum チームをたくさん見てきました。彼らの Scrum 実践に改善が必要であるということは,Scrum の導入方法と自己組織化の限界に対して疑問を投げかけるものです。

このやりとりを含む多くの議論から Yves Hanoulle 氏は アジャイルコミュニティが 形成/混乱/統一/機能サイクルの第2段階に差し掛かっているのではないか,という意見を発表している。

結局私たちは,産業としての私たち自身のあり方について数多くの議論を重ねてきたように思います。

このような議論がこれほどの規模で起きたのは,今回が初めてなのではないでしょうか。私は未熟なのかも知れませんし,もっと議論に関わるか,あるいは誰が正しくて誰が誤りなのかについて自身の考えをもっと持つべきかも知れません。twitter やブログなどの手段で常時接続された世の中が議論をこれほどに,より公開されたものにしているのでしょう。

コーチとしての視点から見るならば,これらの論争とその行方は興味深いものです。

この議論には明らかにリーダが存在しません。あるいは全員が認めるリーダがいない,と言いかえてもいいでしょう。

このような主張は,実は私たちのコミュニティが成熟しつつあることの兆候なのかも知れない。この筆者は自身の経験から,すべてのことが前後関係において意味をなすことを学んでいる。Scrum に取り組んで成功したチームもあれば,XP を選択して成功したチームもある。そして失敗したチームもまた数多くある。私たちがアジャイルコミュニティを存続させるために必要なのは経験から学ぶこと,そしてこれらプラクティスやプロセスすべてが結果を得るための単なる手段である,という視点を失わないことだ。

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