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Scrumチームの個々のメンバに対する報償

| 作者: Shane Hastie フォローする 18 人のフォロワー , 翻訳者 徳武 聡 フォローする 0 人のフォロワー 投稿日 2009年12月3日. 推定読書時間: 5 分 |

原文(投稿日:2009/11/30)へのリンク

LinkedInのAgile Allianceグループで最近、Reeju Srivastava氏の次の疑問から議論が始まった。
Scrumチームの個々のメンバに報償と評価を与えるべきでしょうか?”

この疑問に対して、活発な議論がわき起こり、賛成や反対の意見が提出された。 

議論の一部を下記に挙げる。

賛成:

共産主義者は共同農業という概念を実践しようとしました。この枠組みでは個々人の間に優劣はありません。そして言うまでもなく、この実践は失敗に終わりました。

 競争的な報償制度は良くないと人々が言うとき、やや極端な視点から考えているのが常です。つまり、競争とは勝者が総取りのゼロサムゲームであるという視点です。しかし、現実におこっている状況の中では、これは事実ではありません。

ほとんどのチームの環境では、そのチームの動的な側面はナッシュ均衡(映画"A Beautiful Mind"で描かれていたような)に似ています。このとき、すべての"プレイヤー"が心の中で同じゴールを目指し、互いに競争し合いますが、決してチーム全体の士気が下がったり第一のゴールを目指す道から逸脱することはありません。

ですから、ナッシュ均衡のもとでは個々の"プレイヤー"に報償を与えることに対してなんの不都合もありません。実のところ、ナッシュ均衡でない場合は、都合が悪い場合もあります。

ビジネススクールでは、個々人はそのキャリアにおいて次の3つの事に動機づけられていると教わります。すなわち、
- 個人的な成長
- 金銭
- 表彰

もし報賞制度がこれら3つのチャンネルを通じて個々人を十分に動機づけられなかった場合、人材確保に支障が発生する可能性があります。すぐに問題が発生することはないでしょうが、中長期的にみれば良くないことが発生するでしょう。

長期間にわたって個人を抑圧することは多くの社会で試みられてきましたが、決して成功しませんでした。そのような社会の仕組みは必ず失敗します。その社会で生きる人が公然と反旗を翻すか、または、報償制度がある隣の社会に融合または逃亡してしまうからです。

激しすぎる競争がチームを不安定にすることがあるのはまぎれもない事実です。"プリマドンナ"を仲間に入れるチームがほとんどないのはこのためです。しかし、競争がなければ次のようなリスクが発生するでしょう。
- より良い報償を求めてメンバが去ってしまう。
- 実力のないメンバが自分を高めようとしない。
- 実力のあるメンバが頑張ることをやめてしまう。
- チーム(全体として)の活気がなくなり、技術を磨こうとしなくなる。

どんなチームでもある程度のレベルの競争は認められるでしょうし、ある程度報償が欠如していても大丈夫でしょう。両極端の間に安定的な"中間層"があるはずです。ナッシュ均衡とはこの中間層のことなのではないかと私は考えます。この"中間層"の外にはリスクが横たわっているのではないでしょうか。

Virgil Mocanu氏

これまで何度か言ってきましたが、チームの個々のメンバに報償を与えることは、通常の仕事ぶりに加えてより優れた働きをした個人を承認する有効な方法だと思います。チームとして働くということは、そのチームのメンバはデリバリに対して責務と説明責任を共同して引き受けるということです。ですので、実際の働きが評価や動機づけにどのように反映されるのかについても、チームで制御したほうがいいと思います。アジャイルの方法論の原則では協調することを重視しますが、それは個人の働きを排除するものではないはずです。結局のところ、どんなしっかりとした協力関係で結ばれた環境の中でも、私たちは個人的な願望を持ちキャリアを開発したいと思っているのです。であるなら、チームとシナジーを生み出すためにも個人の利益になることを認める必要があるのではないでしょうか。そうすることで特定のメンバが経験や専門知識や実現すべき要求に基づくコードを生み出すための設計者の役割を引き受けられるようになると思います。
Sean Capes氏

反対:

そもそも、なぜチームの中から飛び抜けたひとりの人物が立派なのでしょうか。あなたの達成したいことは何で、そしてなぜそれを達成したいのでしょうか。

 Kevin E. Schlabach氏

 

Scrumチームがうまく機能するのは、互いがとても密接に関係しているからです。個々人を報償すると、このしっかりとした関係が壊れ、メンバの間に隙間が生まれるかもしれません。

 

Archit Jauhari氏

 

しっかりと固まったチームが欲しいのなら、絶対にやめるべきです。
例外として考えられるのは、チームが報償制度を要求した場合だけです。
しかしその場合も、メンバ間で関心事が衝突してしまうでしょう。

 

さらに、熟練者と初心者、そしてその間のすべてのレベルに対して適切に評価を下すにはどうすればいいのか、という問題がまとわりつきます。私が思いつくたったひとつの方法は、客観的で公平に決まっているスキルのレベルを基準として用いることだけです。

チームの信頼を蝕むような状況を生み出す仕組みは、どんなものであれ良くありません。

Jay Conne氏

 

単純にいって反対です。
Scrumのチームは自分たちのコミットメントと実際の作業に対して、チーム全体として責任を持ちます。なので個人に対する報償制度が実施されるかもしれないこと自体、チームのなかで何か悪いこと起きていることを意味します。集団的な意思決定なしで個人が突出することはできません。

 

普通に仕事をしている状況なら、ある人が仕事をしているのは、実はやる必要のないことをしているのか、その人がその懸案事項を手がけるべきだとグループで決定したかのどちらかです。どちらの場合も個人の考えは関係ありません。

もちろん、一生懸命働いているのが周囲に気付かれるのは良いことなのは当たり前です。しかし、このことはまた別に考えるべきだと思います。

Daniel Liljeberg氏

 

 

Kevin Schlabach氏はこのトピックについてブログに書いている。http://agile-commentary.blogspot.com/2009/11/individual-recognition-on-scrum-team.html


あなたのチームでは個人に報償を与えるだろうか。そうした場合、チームのパフォーマンスは向上するだろうか。それとも減退するだろうか。

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