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MicrosoftがOutlook PSTの仕様を公開

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原文(投稿日:2010/02/27)へのリンク

Microsoftは、 OutlookのPSTファイルフォーマットの 仕様 を公開した。これは、昨年の10月に 約束した ように、相互運用性を容易にし、顧客やベンダーが様々なプラットフォーム上で,.pstファイル内のデータにアクセス出来るようにするためである。

Microsoftが、しばらくの間、異なるプラットフォーム間における相互運用性を理由に、開示するようになってきたが、 ひとつの重要な動き が、2009年にリリースされた Office 2007 SP2の OASIS Open Document Format (ODF) のバージョン1.1の実装である。この実装は、Word, Excel そして PowerPoint を含み、 Microsoft Office File Formatsとしてドキュメント化された。このようにして、Microsoft は、 OpenOffice.org/Sunの StarOffice(このフォーマットの先人である)、 IBM Lotus Symphony( OpenOfficeをベースにした)そして Google DocsのようなODFを組み込んだ、いくつも他にある製品の仲間となった。

Microsoft は、OfficeにODFを組み込んだばかりでなく、Windows, Exchange Server 2007, SharePoint Server 2007 そして他の製品に関する、いくつもの 仕様書 もリリースした。 その中には:

  • MCPP と WSPPのライセンスプログラムによって保護されていた Windowsクライアントと Windowsサーバ間のプロトコル文書、 Consent Decree と European Commission's 2004 Decision(同意判決と欧州委員会の2004年の決定)に従ったもので、 アプリケーションサービス と .NET Framework間のプロトコル文書といっしょに公開された。

  • Office 2007、 Exchange Server 2007 と Microsoft Outlook 2007間、そして Office SharePoint Server 2007に関するプロトコル文書

  • Office のバイナリファイルフォーマットのフォーマット文書

  • Microsoft製品に組み込まれている、とある Microsoftコンピュータ言語に関する文書

Microsoft は、昨年 Outlook PSTのファイルフォーマットの仕様が、もうすぐ公表されることを 発表した。 開発者は、 Messaging API (MAPI) を介して、PSTファイル内のデータにアクセスできた。2007年以来、 Outlook Object Model が入手できたからである。しかしそれが動くためには、クライアントマシンに Outlookがインストールされていなければならなかった。今や、PSTファイルにアクセスするのに、もはや Outlookが要らなくなったばかりでなく、どのようなプラットフォーム、クライアントあるいはサーバであれ、プログラムが書ける。仕様書に、データがどのようにまとめられ、保存されるかが詳細に書かれているからである。

Outlook PST 仕様書は、 Open Specification Promiseのもとにリリースされた。このため、 “どのプラットフォームにも、どのツールを用いても、特許について心配せず、とにかく Microsoftに連絡する必要がなく、誰でも.pstファイルフォーマットを実装できる。”

Microsoftは、 PSTを開示した ので、 “組織によっては、特に各部門間のコミュニケーションの整備に関して、企業統制のために、やっと新しい政府政策に従うことが可能となった”と語った。

Microsoftは、独占禁止に関連した行為を調査している欧州委員会に、 Exchangeを含んだ Microsoft製品の相互運用性の改善に繋がる情報の開示をするという、 提案 を行った:

2009年の7月、 Microsoftは、また相互運用性の情報開示に関連する提案を行った。これは、Windows, Windows Server, Office, Exchange, そしてSharePoint を含んだいくつかの Microsoft製品とサードパーティ間の相互運用性を改善する情報である。( MEMO/09/352を参照)。

Microsoftは、PSTファイルフォーマットの仕様の公表は、独占禁止の調査と関係のあることを 否定した 。しかし相互運用性を改善することから、どのような利益を得ようとしているのかについては,全く説明していない。この動きの結末は、はっきりしない。ある会社は、アプリケーションを開発するために、おそらくクラウドにおいてさえ、PSTフォーマットを使うであろうし、その一方で、他の会社は、既存の Outlookから別のソリューションに移行するために、PSTフォーマットを使うだろうからである。

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