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アジャイル認定制度が発足

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原文(投稿日:2010/08/05)へのリンク

新たに設立された アジャイル国際コンソーシアム (International Consortium of Agile, ICAgile) をリードするのは,3人のアジャイルコミュニティのメンバだ。最初にアジャイルソフトウェア開発宣言の署名者である Alistair Cockburn 氏。2人目は著書を持ち,Agile Alliance 2009 カンファレンスでは幹部主催者を務めた Ahmed Sidkey 氏。そして3人目の Ash Rofail 博士は Johns Hopkins 大学ビジネススクールの助教授であり,6冊のソフトウェア工学書の著者でもある。

この3氏が,まったく新しい認定資格の実施主体としてアジャイル国際コンソーシアムを設立したのだ。その詳細は www.ICAgile.org で確認することができる。

ICAgile の目標は,

...アジャイルのメソッド,スキル,ツールに関連する構想と知識を発展させることです .... ICAgile の認定はスキルを基本としています。スキルの中核として習得した「なぜ(意義)」と「どのように(技法)」の両方についての実演を求めるのです。

ICAgile は大きな目標として,レベル別認定資格の発行,少なくとも年1回のカンファレンス開催などを掲げている。ICAgile の Web サイトにもカンファレンスの運営計画が紹介されている。インストラクタやエキスパートといった高度な ICAgile 認定資格を目指す人々には,これら資格で求めている "実地試験" への対応として,このカンファレンスへの参加が義務付けられる。

ICAgile が (認定トレーナの協力を得て) 発行する予定の資格は次のようなものだ。

1. ICAgileアソシエイト

2. ICAgile プロフェッショナル

3. ICAgile エキスパート

4. ICAgileインストラクター

5. ICAgileフェロー

ICAgile プログラムでは,より高度な認定資格の取得を目指す人々に対して,カンファレンスへの出席を資格取得の条件としている。これにより,毎年実施されるカンファレンスには大きな需要が生み出されるだろう。例えば ICAgile エキスパートの資格を得るためには,自身のスキルを ICAgile カンファレンスで実演して,ICAgile エキスパートなどの認定資格を持った評価者による評価と採点を受けなければならないのだ。

ICAgile 認定ロードマップ

基本となる資格は ICAgileアソシエイト認定である。ICAgile の Web サイトによると,資格希望者に対する最初のステップは '基礎' フェーズである。これはレベル設定の基本となるコースへの出席であり,これによって ICAgile アソシエイト資格を取得できる。これに続くステップが 'フォーカス' トラックであり,フォーカスクラスへの出席である。このトラックでは,次の中から専攻を選択する。

1. アジャイルソフトウェアの設計とプログラミング

2. アジャイルプロジェクト管理

3. アジャイルのコーチングと促進

4. アジャイルビジネス分析

5. アジャイルプロダクト管理

6. アジャイルテスト

7. アジャイルユーザーエクスペリエンス設計

フォーカストラックは科目選択制だ。2つの教育ステップとその評価が完了すれば,生徒は CIAgile プロフェッショナルとして認定される。

次のステップは ICAgile エキスパートのレベルに到達するためのものだ。Web サイトでは,エキスパートに達するための3つのステップが記載されている。

ステップ1: より高度な評価をパスするために,第2のメソッドまたはアプローチを学んだことを示す証拠を提出すること。これは自己学習,新しいアイデアを積極的に受け入れる姿勢,複数アプローチへの順応性を示すことを目的とする。

ステップ2: 業務ポートフォリオ,経歴,予備審査 (電話インタビューになると思われる) の実施日程を提出すること。このセグメントの目的は,試験や実演では計測測できないような種類の経験や能力を評価することにある。

ステップ3: 専門家たちの前で実演を行うこと。[実演の内容は]外部にも公開される。それによりアジャイルがどのように実施されるのか,試験がどのように行われ審査されるのかを,外部でも知ることができる。

これとは別の高レベルのマイルストーンとして,ICAgile フェローという称号がある。ICAgile フェローに到達するためには,最初に ICAgile エキスパート相当のスキルの習得が必要とされる。ICAgile の全体ロードマップにもその明確な記載がある。

すべての入り口となるのは認定トレーニングへの参加だ。基本的な ICAgile アソシエイト資格を得るために,出願者はまず ICAgile 認定クラスに参加しなければならない。ICAgile プログラムでは,認定されたインストラクタ自身によるコース教材の作成が,かなりのレベルまで許容されている。ただしインストラクタが作成したコース教材はすべて ICAgile 基礎学習目標 (ICAgile Fundamentals learning objectives) の規定に準拠すること,ICAgile による承認を得ること,が求められる。

興味深いのは この件に関するアジャイルアライアンス (Agile Alliance) の立場 だ。認定を実際に効力あるものとするために,実務経験に対する評価が不可欠である,と彼らは主張している。

スキルは知識のように簡単に取得できるものではありません。実行に失敗して,誤りに対処し,少し改善する,というプロセス全体を繰り返し続けなくてはならないのです。特にアジャイルソフトウェア開発で必要とされる,組織関係や人間関係に関わるスキルは,実際のプロジェクトにおいて習得することが必要です。認定資格はこのことを保証すべきです。

スキルを客観的に保証するためには,そのスキルの習得者による密接な観察や面談が必要になります。よほど単純なスキルでない限り,これには多くの作業を要します – つまり多額の費用がかかるのです。したがって公式な保証に値するスキルは,習得に相当な努力を要するものに限定されます。

www.ICAgile.org にある ICAgile 資格の詳細は,読み物としても非常に興味深い。プログラムは複雑ではあるがよく考えられている。今後どうなっていくのか,現時点では分からない。資格認定は現在ホットな話題である。アジャイルコミュニティ全体では Scrum アライアンス,Scrum.org,そして今回の ICAgile など (これだけに限らないが) 数多くの資格認定機関があり,取得する認定を選択することができる。InfoQ では資格認定に関するこの状況に注目しており,このテーマに関する多くの記事を予定している。先日 InfoQ で掲載した 第1回認定スクラムデベロッパーコースへの反応 に対して,数多くのブログポスト,コメント,議論が寄せられていることからも,資格認定がアジャイル市場に向いていることへの関心の強さは明らかだ。

InforQ からの資格認定に関するアーティクル,インタビュー,今後のニュースに乞うご期待!

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