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Cius, Exadata, Itasca - プラットフォームを越えるもの

| 作者: Dave West フォローする 2 人のフォロワー , 翻訳者 吉田 英人 フォローする 0 人のフォロワー 投稿日 2010年8月3日. 推定読書時間: 4 分 |

原文(投稿日:2010/07/20)へのリンク

Cisco の Cius タブレット PC と Oracle-Sun の Exadata マシンには,単なるエンタープライズ新技術の登場以上の意味がある - 汎用プラットフォームの販売から密接に統合されたアプリケーションシステムへと向かう,新たなトレンドの存在 (あるいは加速) をも予感させるのだ。

iPad が登場して以来,予想される競合製品に関して数多くの議論がなされてきた。その議論の中心となっているのは,機能,技術的仕様,そして 'apps' が提供されるかどうかについてだ。Cius が発表されたときも,ニュースレポートの中心的な話題は,その機能と技術仕様についてだった。しかし iPad と Cius の本当の違いは仕様にではなく,むしろデバイスの背景にある動機と意図にある。

iPad は汎用的なコンテント配信プラットフォームである。(コンテンツの作成は可能ではあるが,適しているとはいえない。その他のアクティビティ,例えば大規模なプログラミングやソフトウェア開発については,アップルの方針によって抑止されている。) Cius にも汎用性はあるものの,その背景には非常に明確な動機がある - それは "ソーシャルエンタープライズ" というビジョンの実現だ。

Friz Nelson 氏が InformationWeek の記事で,Cius の背後にある動機と哲学を探っている。

Cisco は通信の場であるインフラを所有しています。そして今度は,ネットワークの末端からポストモダンな知識労働者の手元にまで及ぶ,すべての通信をも所有しようとしているのです ... ソーシャルエンタープライズのための実用的な複合技術を買収し,そして-- 今回は -- 構築することによって。 ... iPad のほぼすべての生産性アプリケーションに Eメールボタンがあるように,Cius のユーザは Web セッションやビデオチャット,マルチパーティコールなどを,ほぼすべての場所からボタンを押すだけで開始,あるいは接続することができるのです。Cisco は API へのアクセスも開放しています。これは恐らく Android 開発者が望むならば,Cisco の協調的なインフラを活用して,任意の生産性アプリケーションを統一されたアプリケーションエコシステムに向けて拡張可能にする,という意図があるのでしょう。Cisco が発表したのは Show & Share (企業内での動画共有システム),Pulse (ソーシャル中心の検索エンジン),WebEx Mail (クラウド上の Eメール,Outlook への接続が可能),そして同じく Presense と WebEx とをリンクする "企業のソーシャル行動 (social behavior) の結合材" である Quad です。Quad は企業におけるソーシャルネットワークです。業務の流れを捕捉し,ビジュアルボイスメールやドキュメント,wiki ポスト,ディスカッションスレッドなど検索可能なすべてものを体系化して,外部に向けての音声や動画に簡単に接続できるようにします ...

Cius はソーシャルエンタープライズを実現する,という特別な目的を持ったデバイスであって,汎用的な機能は付随するものに過ぎない。ハードウェアと基盤技術,そしてアプリケーション要件 (この場合は企業内コミュニケーション) が密接に統合されたものなのだ。このような構成の利用を提供しているのは,しかし現在では Cius だけではない。Oracle の Exadata マシンも同じようにハードウェア (Sun),基盤技術 (Oracle DBMS),アプリケーション要件 (データマイニングとOLTP) の組み合わせであり,特定のアプリケーションドメインにおいて最適なパフォーマンスを実現する,というこの統合方針が,Cius と Exadata を他の競合製品から差別化しているのである。

このような統合を初めて試みたのは,しかしながら Oracle でも Cisco でもない。最も初期の例のひとつは,Itasca という名称のオブジェクト指向データベース (Object-Oriented Database Management System,OODBMS) に関して見ることができる。Itasca は,1970 年代に Texas の MCC (Microelectronics and Computer Technology Corporation) で開発された Orion DBMS の "pure OODBMS" 技術を製品化したもので,汎用 DBMS の基本技術として発売されたものの,成果はほとんど上がらなかった。その後 Ibex というフランス企業が Itasca OODBMS を買い取ったが,データベース技術としては販売せず,航空業界の顧客向け在庫管理アプリケーションにパッケージ化 (747 の不良品リレーショナルデータベース用の部品表) して,Cius の場合と同じようにハードウェア,基盤技術,アプリケーション要件の特殊化した統合を提供したのだ。

Exadata はその技術販売において大成功を収めているようだが,Cius が同じように成功するかどうかは興味深い。もし成功すれば,他のベンダもこのアプローチを模倣して,多くのエンタープライズソフトウェア製品が開発され,販売されることになるだろう。

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