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webアプリケーション技術としてのSilverlightの役割を議論

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原文(投稿日:2010/09/03)へのリンク

Developer Platforms部門のProduct Management DirectorであるBrad Becker氏は、Silverlightがwebに合うと考えて、Microsoftが予想する、HTML5の世界におけるSilverlightの将来 を概略する投稿を書いた。

Becker氏は、HTMLが今まで2大プラグインだけにある、いくつかの技術を合体することによって、Flash と Silverlight に追いついてきている、という事実を認めている:

HTMLは、 Flash と Silverlightのようなプラグインによって生み出された、革新を標準として採用しています。これは、必要なことです、これらのフィーチャのいくつかは、web上であまねく行き渡っているので、ユーザから見れば、基本的に期待する機能です。そしてwebの基準が、以前よりも少し高くなったのです。

しかし、一方で、ユーザの期待は、どんどん高くなり、単なる静的なページ以上のものを要求しており、Silverlightのような技術の要求を生み出している、と考えている:

web上での Silverlightの目的は、HTMLを置き換えることではありません;HTML(そして他の技術)では、開発者が簡単に開発できないことをやることです。Microsoft は、HTMLでは、できないことをできるようにすることで、webを広げるという、 Silverlightへの約束は、今でも守っています。HTMLページの単なる「リッチな部分」からブラウザで完全にデスクトップのようなアプリケーションを実現し、それ以上に、Silverlightによって、アプリケーションがユーザの望むリッチなエクスペリエンスのようなものを提供できるようになります。

氏が言うには、HTML5に無くて、Silverlight にはある、重要なフィーチャが幾つかあるため、 Microsoftの技術は、ビデオ/メディア アプリケーションにとって、非常に魅力的なものになっている:

  • ハイ・デフィニション (HD) H.264 とVC-1 ビデオ
  • DRM を含んだコンテンツ保護
  • Stereoscopic 3Dビデオ
  • マルチキャスト
  • ライブ ブロードキャストのサポート
  • (アダプティブ)スムーズ ストリーミング
  • 情報オーバーレイ/ピクチャ・イン・ピクチャ
  • Silverlight Analytics Framework による分析支援

更に彼は、Silverlight がHTML5に対してかなり優れている3つの領域を加えた:

  • パフォーマンス – Silverlight は、CLRのパフォーマンス改善を利用しているので、Bubblemark のベンチマークで、Flash や Chrome V8に、大差で勝っています。
  • 一貫性 – Silverlight に組込まれるアプリケーションは、どのプラットフォームでも同じように描画します
  • タイミング –Silverlight は、バージョン4でずっと早く市場に出ますが、HTML5は、議論中です。

氏は,最後に注目すべき事実を述べた。 Silverlightは、単なるブラウザのプラグインではなく、ブラウザ外のデスクトップやモバイルにもデプロイされます。開発者のスキルは、複数のプラットフォームで活用できるわけです。

Becker氏の投稿にコメントして、 JetBrainsの開発者で、技術エバンジェリストである Hadi Hariri氏は、Silverlightでできる大抵のことは、HTML5でもできる,と考えている:

(Becker氏の投稿)あのブログに概略されている多くのことは,実際に実現することができます。私は、ビデオの初心者なので、ストリーミングについては,コメントできませんが、ビジネス アプリケーションやエンドユーザ アプリケーションなどを作ったり、リッチなエクスペリエンスを持つことは、今日でも、jQueryや他のライブラリを使って実現できます。単純さと既存の技術(すなわちC#)の活用は、間違った前提です。なぜならそれらを学ぶのに、一番時間がかかるのは、正しいパターン、プラクティスの適用の仕方とXAMLのすべてを学ぶことです。 CSS, HTMLやjQueryみたいなものを学ぶのに比べて、本当にどれだけ楽になるのでしょうか?

Hariri氏は、 Microsoftの誤りは、webをデスクトップの観点で扱っていることである,と考えている:

Microsoft は、WebFormsに取り組んだ時と同じ間違いをしました。彼らは、最も重要なことに気付かなかった:webは、デスクトップではない。既存の知識が強く影響して、ViewStateの悪夢やポストバックが生まれました。

これらの全てのアプローチで、いつも忘れる重要なことは、web開発は、いつも違うことです。これは、作るのに使うツールのためだけではなく、デスクトップやデバイスは、1ユーザに1マシンだ、という単純な事実のためです。webは,違います。

他のブロガーがBecker氏の発言の一部に注目した: 

Silverlight によって、ユーザが望むリッチなユーザーエクスペリエンスのある種ものをアプリケーションが提供できます。我々は、これらを3つの広いカテゴリに分けました:高品質メディア エクスペリエンス、コンシューマー アプリケーションとゲーム、そして、ビジネス/エンタープライズ アプリケーション。

アーキテクト、著者、そして Microsoft MVPのSimone Chiaretta氏は、Silverlightが得意なアプリケーションのリストに関する問題は、Silverlightがwebアプリケーションを目指したものでない、という事だ、と考えている:

自分たちの発言でも、彼らは、Silverlightがwebアプリケーションを作る目的のものではない、と認めています。しかし、 HTML/CSS/JSには無い、非常に特別なフィーチャに対処できます。

彼はまた、Becker 氏が言ったSilverlightにあってHTMLにない、フィーチャ リストについても話した:

Becker 氏のフィーチャ リストをよく見て、それらとHTML(私が言うHTMLは、 HTML, JavaScript そして CSSを足しあわせたものです)で、できることを比較すると、アダプティブ ストリーミングと他の高度なビデオ フィーチャ以外は、全てHTMLで実装できるものです:HTML5には、ハードウェア アクセラレイテッド canvasがあり、webゲームに必要なパワーを満足できます。すでにたくさんの JavaScript UIコントロール ライブラリがあり、例えば、 jQuery UI を使えば、リッチで「デスクトップの見栄え」のwebアプリケーションが簡単に作れます。ローカルなストレージ、そしてブラウザの中に情報をローカルに保存できる,ローカルなデータベースさえあります。負荷のかかる計算をしている間も、アプリケーションが応答できるようにするwebワーカーがありますし、HTML5で、もっと色々なもの が出てきます。

Chiaretta氏は、 結論として、Silverlightが本当に得意であると,彼が信じるものを以下のように述べた。 Microsoftも、これに従って売り込むべきだと、提案している:

( Silverlightは)リッチな「webの見栄えがする」デスクトップ用のアプリケーション、web用の複雑なビデオ コンポーネントが作れる、そして、同じスキルを Windows Phone 7用のネーティブなモバイル アプリケーションを作るのに、再利用できるようにする技術なのである。

Silverlightは,何が得意なのか? それは,本当にwebアプリケーションを作るための技術なのか、それとも、過去にFlashがそうであったように、特別なニーズを満たすのに合うものなのか?

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