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クラウドコンピューティングの標準とオープンソース

原文(投稿日:2010/08/18)へのリンク

最近おこなわれた3つの発表から、オープンと標準を旨とするクラウドエコシステムの発展をみてとることができる。

  • Red Hatは、Deltacloudの取り組みをApache Incubatorに移管した。David Lutterkort氏は次のように語っている。
    移管を行った主な理由は、「Deltacloudの考え方や、オープンソースクラウドAPIというコンセプトは本当に好きなんだけれども、Red Hatのプロジェクトであることが気に入らない」という声を複数の人から聞いたとことです。Apache Incubatorは、異なる関心をもった人たちが特定のコードを基にして共同作業を行う実績のある場所なので、前に述べたような懸念を解消するには最適な場所に思えたのです。
  • Rackspaceは、OpenStackプロジェクトを発表した。
    2010年7月19日に、私どものクラウド基盤に関わるコードを公開することを発表しました。... このプロジェクトとして提供される最初のコンポーネントには、Cloud Files(既に利用可能)とCloud Servers(2010年後半には利用可能になる予定)をささえるコードが含まれています。
  • The Distributed Management Task Force (DMTF)は、2つの文書を公開した。「Architecture for Managing Clouds」と「Use Cases and Interactions for Managing Clouds」だ。これらは、IaaS(Infrastructure as a Service)のAPIのドラフト作成を行うAPI作業部会を指名するというDMTFの次のステップの基盤となることを意図して作成された。

 

OpenStackとApache Deltacloudは「HTTPネットワークを通じてクラウドプロバイダにアクセスするための軽量なREST APIを構築する」という同じ目標をもっている。OpenStackは、パブリッククラウドのサービスプロバイダよりであり、Deltacloudはプライベートクラウドよりである。

 

DMTFが行っているのは、より基礎的なことだ。まずはじめに、クラウドコンピューティングの用語の共通化を行おうとしている。その結果、クラウドベンダーが標準的なサービスを提供する際に利用する公開APIの作成を支援しようとしているのだ。最終的には、DMTFはInfrastructure as a SerciceのためのAPI(特に、外部ワークロードの発行や、仮想マシンのロード、仮想マシンの起動、結果の保存、停止といったクラウドの操作の各ステージに対応するインターフェース)のドラフトを作成するためのワーキンググループを指名しようとしている。

 

DMTFの試みの潜在的な問題点のひとつは、AmazonとそのサービスであるEC2が参加していないことだ。DMTFの会長であり、VMwareの標準化担当ディレクターであるWinston Bumpus氏は、DMTFの作業は、Amazon不在でも進んでいくだろうと信じている。「もしAPIのドラフトがうまく策定され、広く支持されれば、AmazonがそのAPIをサポートすべきだという圧力がかかるでしょう。」

クラウドコンピューティングの基盤および管理に関する標準化およびオープンソースは、早急に必要なものと思われる。2010年6月にInformation Week Analyticsによって行われた調査によると、調査対象のうち40%の企業がすでにクラウドサービスを利用しており、20%が24ヶ月以内に利用予定という。Charles Babcock氏はtechweb.comで次のように述べている。

私たちは、これらの取り組みによってクラウドを進化させなければなりません。これらの取り組みによって多くの顧客や様々なコンピューティング方式の実装を結びつけることができるのです。

 

あなたの会社は、インフラストラクチャ関連のクラウドコンピューティングの標準化に価値を見いだしますか?また、オープンソースプロジェクトの恩恵をうけますか?

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