Microsoftは、自前のプライベートクラウドを所有することに関心がある人々向けのクラウドコンピューティング・ソリューションであるHyper-V Cloudを発表した。
プライベートクラウドは、オンプレミスもしくは専用の計算能力、ストレージ、ネットワークを備えたオフプレミス型のクラウドコンピューティング実装だ。Microsoftは最近、このようなプライベートクラウドが利用可能であることをTechEd Europe 2010で発表した。Microsoft Hyper-V Cloudと呼ばれるこのソリューションは、MicrosoftのソフトウェアとDell、富士通、日立、HP、IBM、NECの(Microsoftによると)世界のサーバ市場の8割以上を占める主要6社のハードウェアを組み合わせて提供されるIaaSソリューションだ。
Hyper-V Cloudは、プライベートクラウドを構築するためのガイドラインと設定の組み合わせで、顧客には、次の3つのオプションが提供される。
- Hyper-V Cloud ガイダンスに従って、自身のクラウドを独自に構築する。つまり、推奨されるソフトウェアとハードウェアを購入し、クラウドを組み立てる。
- Hyper-V Cloud Fast Trackプログラムを利用している事前設定済みのプライベートクラウドを購入する
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この種のクラウドを既に所有しているサービスプロバイダを利用する。世界中で70以上のサービスプロバイダがMicrosoftの技術を基にしたIaaSを提供している。
それぞれのサーバベンダは、クラウドに最適だと思われる計算、ストレージ、ネットワークのハードウェアを提供していく。例として、HPが提供しているのは、計算処理用にBladeSystem Matrix、データ保存用にStorageWork Enterprise Virtual Array、そしてネットワーク処理のためにVirtual Connect Flex-10 Ethernet Moduleだ。
上に述べたハードウェアベンダと共同して作成したガイドラインの他に、Microsoftの主要な貢献としては、ソフトウェアスタックがあげられる。様々なWindowsといくつかのLinuxのバージョンの仮想マシンを作成するためのWindows Server 2008 R2 Hyper-V、クラウド上のリソースを統合管理するためのSystem Center、そしてクラウド内のリソースを動的にプール、配置、管理するためのVirtual Machine Manager Self-Service Portalなどだ。
Microsoftが提供するフルスタックのソリューションはWindows Azure Platform Applianceである。これは難しい初期設定なしで動くクラウドソリューションで、Windows Azure、SQL Azure、Microsoft仕様のハードウェアを基にしている。このアプライアンスは、顧客のマシンでPaaSやSaaSを提供することを目的とされており、数千のサーバにスケールアウトする。Dell、eBay、富士通、HPは、利用可能になった時点(おそらく2011年)で、利用することを確約している。