Moonlight 4.0 Prevew 1 は Silverlight 3.0 API すべてに加えて,Silverlight 4.0 API の一部を実装している。新機能はアウトオブブラウザのサポート,GPU アクセラレート・グラフィックス,3D 変換 ,シェーダ,V4L2 ビデオキャプチャ,H.264 および AAC のサポート,よりスムーズになったストリーミングなどだ。
Moonlight はバージョン 2.4 から 3.0 を飛ばして,一気に 4.0 になった。現在ベータプレビュー版である Moonlight 4.0 では,Silverlight 3.0 API のすべてと Sliverlight 4.0 API の一部が使用可能だ。さらにブラウザ – Firefox 3.0 ~ 4.x,Google Chrome – 内部,およびブラウザ外部のサンドボックスあるいは mopen コマンドで生成される完全信頼 (full-trust) モード内,のどちらでも動作するように拡張されている。
Moonlight Preview 1 で実現された 新機能 には次のようなものだ。
- GPU アクセラレート・グラフィックス。適合するハードウェアアクセラレーションを持たないシステムでは Gallium3D が使用される。
- Silverlight のすべての 3D 変換をサポート。
- ぼかしやドロップシャドウ効果などの定義済シェーダ,およびユーザ定義シェーダをサポート。
- PAL という名称の抽象レイヤを新たに導入。これは他のオペレーティングシステム,ウィンドウおよびメッセージ処理システム,あるいはハードウェア構成への Moonlight の移植を容易にするための準備だ。
- YUYV および YUV420 ピクセルフォーマットによる V4L2 ビデオキャプチャのサポート。
- 開発者用ツール – FPS(frames per second)表示,GPU 利用の無効化,表示領域とクリッピング矩形のトラッキング,テキストボックス境界表示など。
- Microsoft Windows メディアパック由来の新コーデック – H.264 と AAC を追加。
- よりスムーズなストリーミング。
不足している機能 – 印刷,マイク,UDP ソケット,分析機能 (Analytics) など。また DRM コンテンツがサポートされていないため,以前の Moonlight では可能だった,Netflix の配信する映画のような著作権保護されたメディアのレンダリングが不可能になっている。部分的に完成している機能 – 権限昇格 (Elevated Trust),リッチテキストボックス,ナビゲーション,WebCam,ChildWindow など。Mono プロジェクトの創始者であり,Novel の開発者向けプラットフォーム担当副社長の Miguel de Icaza 氏は,Silverlight 4.0 API サポートを完成させる 意向を表明しているが,それが Moonlight 4.0 の最終リリースになるのか,あるいはそれ以降になるのかについては明言を避けている。