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相互運用性、O-TTPFとその他のオープングループカンファレンスでのハイライト

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原文(投稿日:2011/02/17)へのリンク


先週San Diegoで行われたオープングループカンファレンス(Open Group Conference)のメインテーマは、サイバーセキュリティ、エンタープライズアーキテクチャ、クラウドコンピューティング、SOAなどであった。オープングループのChris Harding博士は氏のブログエントリとしてCloudCampSOAアンカンファレンス、そしてすべての話題を折り込んだ相互運用性の糸(スレッド) などを会の記録として書き、いくつかの興味深い洞察を展開している。  Open Trusted Technology Provider Framework (O-TTPF) ホワイトペーパーオープングループトラステッドテクノロジーフォーラム(The Open Group Trusted Technology Forum、OTTF)によってリリースされた。OTTFはグローバルな調達戦略とグローバルサプライチェーンにおける脅威と脆弱性の削減を促進するためのベストプラクティスを形成することを目的とする。

相互運用性
2011年の相互運用性の挑戦についてのパネルセッションは、相互運用性の定義をその特徴の観点から語る雰囲気となった。
 

- 異なる所有者や統治モデルを持つシステムが協調している。
- それらが自動的にデータを交換し理解する。
- それらがビジネス情報が、正しい文脈で、正しい人にとって、正しい時に利用可能になる情報共有環境を形成する。
- この環境では情報だけでなくプロセスをも共有することができる。

相互運用性はITシステムだけに関わることではない。ユーザ組織のエコシステム、そして、文化的、法的な文脈にも関わることである。

技術における進歩はどのように相互運用性に影響を与えているか?
 

SOAは相互運用性に対する肯定的な力であることは立証されている。SOAを受け入れることで、顧客組織はそのデータモデルとサービスインターフェースを定義することができ、そのインターフェースに従い要求を満たす競合のソリューションに入札することができる。サービスはそのエコシステム環境の一部を形成する処理単位として共有できる。
最新のIT現象はクラウドコンピューティングである。これはある意味では相互運用性を可能にするものとしてのSOAを補強しつつある。共有サービスはクラウド上で利用可能であり、クラウド環境でのプロビジョニングサービスの容易さは競争入札のプロセスを加速する。
しかし、クラウドコンピューティングには懸念を与える重大な領域がある。それは、仮想化製品感の相互運用性の欠如である。

セマンティクスは相互運用性の重要な構成要素であり、それはUniversal Data Element Framework (UDEF)標準の中で取り組まれているが、これはセマンティックの専門家よりもむしろビジネス分析の専門家を対象としたものである。この標準はどんなデータにもUDEFのコアとなる語彙と取り込まれた語彙をもとにしたインデックスを割り付けることができるシンプルなプロセスを提示している。このインデックスは標準化されているため、新しい情報とすでに格納されている情報を関係づけることを容易にし、統合に必要な関連コストを縮小することができる。Londonでの次回カンファレンスは委員会議長Ron Schuldt氏によってデザインされた相互運用シナリオをもとに、デプロイワークショップが開催されることになるだろう。

SOAリポジトリ人工物モデルとプロトコル(SOA Repository Artifact Model and Protocol、S-RAMP)とSOAオントロジー標準(SOA Ontology standards)は、オープングループSOAガバナンスフレームワーク(Open Group's SOA Governance Framework)とあわせてSOAガバナンスリポジトリとツールの相互運用性に取り組んでいる。IBMのHeather Kreger氏とVince Brunssen氏は、あるSOAリポジトリの中にあるS-RAMP拡張で定義された新しいサービスモデルがそのサービスモデルを拡張するためにどのように別のリポジトリと通信することができるかについてのデモンストレーションを行った

 The Open Trusted Technology Provider Framework (O-TTPF)
IBMのAndras Szakal氏はオープングループのブログ上でO-TTPFのリリースを発表した。このフレームワークは商用ソフトウェアおよびハードウェア製品の安全で信頼できる開発、製造、配信、継続的運用に寄与する業界のベストプラクティスの要点を述べている。このフレームワークが標準として採用されたら、オープングループは事前に定義されている適合基準をもとに認可プログラムを設計するだろう。

CloudCamp
Harding博士はCloudCampで参加したブレイクアウトセッションについての氏の考えを展開している。
 

私はAmazon Web Services (AWS)Microsoft Azure上でのクラウドソフトウェア開発を議論するグループに参加した。セッションにはこれらのプラットフォームでのソフトウェア開発を始めようと望んでいる – あるいはすでに従事している – どんな人にとっても価値のあるであろう素晴らしい情報コンテンツが含まれていた。そこでは一般に関心がありそうな2つのポイントが明らかになった。1つはIaaSとPaaSの間を分割する線は非常に細いことだ。AWSとAzureは理論上はこの区分の両端にあるが、実際には開発者にさほど違いのない機能を提供している。2つ目は現実には好みのプログラミング言語とソフトウェア環境がクラウド開発環境を選ぶ上での決定的要因であるようだ、ということである。

SOACamp
SOAアンカンファレンスは志願者による5分間のトークで構成されていた。
 

  • SOAはクラウドサービスモデルに適合するか?
    ここでの中心的な考えはクラウドサービスモデル – Infrastructure as a Service (IaaS)、Platform as a Service (PaaS)、Software as a Service (SaaS) – がSOAの意味でのサービス、すなわち、それぞれが定義されたインターフェースを通じて機能を外部に提供するものとして定義され得るかということである。
    これは3つの鍵となる領域での標準を必要とする。それは、測定指標/QoS、仲介(brokering)/下請け(subletting)、サービスの優先順位付け、である。
  • オブジェクト再利用を促進するレジストリ/リポジトリのベンダー中立フレームワーク
    SOAレジストリやリポジトリへのベンダー中立アクセスの概念はよいものだが、その効果が現れるには標準的データモデルとプロトコルが必要となる。オープングループ SOA オントロジーはモデリングフレームワークの基礎となるよいものを示している。
  • すべてのクラウドアーキテクチャはSOAアーキテクチャであるか?
    クラウドアーキテクチャはサービス指向であるが、とりわけQoSに関してアーキテクチャ構成要素の追加が必要である。特にRESTfulなアプローチをとる傾向があるが、サービス指向であるといってよい。

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