VMwareは本日、オープンソースのPaaS(Platform as a Service)として、Cloud Foundryの提供を発表した。
「クラウド・コンピューティングへのシフトによって、ビジネス・ユーザやコンシューマがアプリケーションに求めるものは根本的に変わりつつあり、そのような状況下で従来のアプリケーション開発やインフラストラクチャは難しい局面を迎えています。」弊社アプリケーション・プラットフォーム担当兼取締役会役員のTod Nielsenはこのように述べています。 「Cloud Foundryはアプローチの大幅な簡素化を実現することによって、昨今の開発に伴う多様性やスピードを許容します。モバイル、ソーシャル、そしてクラウド分野のコンピューティングにおける主要動向を上手く取り入れながら多様性やスピードに対応することは、現在成功を収めている大部分のアプリケーションで重要な要素となっています。」(VMwareプレス・リリースより)
VMwareはCloud Foundryプラットフォームの際立った特長として、「マルチクラウド」対応であること、プライベート環境とパブリック環境間で機能すること、さまざまなアプリケーション・フレームワークや開発ツールを使用できることを挙げている。
Cloud Foundryプラットフォームでは、JavaおよびGrails、RooなどのJVMベースのフレームワーク、RailsやSinatra (バージョン1.8.7および1.9.2のRubyに対応)、さらにはNode.jsを使用してアプリケーションを作成できる。 このプラットフォームは、RabbitMQやGemFireなどのアプリケーション・サービスにプラグイン可能だ。この2つのサービスは、どちらも現在VMwareが所有している。 RabbitMQはオープンソースのメッセージ・プラットフォームであるのに対し、GemFireは分散データ管理を提供する。 Cloud Foundryは、MySQL、MongoDB、Redisもサポートしており、VMwareが提供するアプリケーション・サービス、vFabricへのサポートも追加される予定だ。
VMwareのクラウド/アプリケーション・サービス部門シニア・ディレクタ、Jerry Chen氏は、InfoQに対し次のように語った。「Javaという観点から言えば、WARファイルとしてパッケージ化し、サーブレット・コンテナにデプロイ可能なアプリケーションであればCloud Foundry上で実行できるはずです。 ただしJava EEアプリケーションはサポートされていません。」
Cloud FoundryのコードはApache License 2.0ライセンスに基づいており、GitHubから入手できる。また、cloudfoundry.comではこのコードをベースとしたベータ・サービスも提供されている。
VMwareはWebキャストの中で、仮想マシン上で稼働する開発者向けCloud Foundryシングル・インスタンスのデモンストレーションも行った。 Micro Cloudと称するこの製品は、2011年の第2四半期に提供される予定だ。Chen氏はInfoQに対して、この製品バージョンもオープンソースとして提供することを明らかにしている。
VMwareは収入源として商用バージョンのCloud Foundryの提供を予定している。このバージョンは、PaaS機能を独自のプライベート・クラウド内で提供する企業や、パブリック・クラウド・サービスを介してCloud Foundryを提供するサービス・プロバイダ向けとなっている。 VMwareは、この商用ソリューションによって各企業がPaaS環境を独自のアプリケーション・フレームワークやサービス・ポートフォリオに統合することができるとしている。 このソリューションの価格についてはまだ発表されていない。