プロジェクトのライフサイクルの改善にビジネスアーキテクチャを利用したり、エンタープライズアーキテクチャの標準的な方法論を適用するのは、組織のビジネス価値の向上を推進する。Discover Financial Services (DFS)のエンタープライズアーキテクチャ担当のバイスプレジデントであるRichard Reese氏は最近、Troux Worldwide ConferenceでEAを利用してビジネス価値の向上を推進することについて話した。
氏は、氏の組織が直面した困難について話すことから発表を始めた。プロジェクトの焦点を戦略の計画に移したり、計測可能なビジネス価値を生み出したり、連合したアーキテクチャの統制を管理したり、組織のEAに対する見方を変えたりすることに伴う困難だ。これらの困難に対処する方法には4つの戦略を用いた。
- ITのメタデータについての信頼性を構築する : EAチームはビジネスのメタデータを開発し、そのメタデータからビジネスアーキテクチャの参照モデルを形成した。ビジネスアーキテクチャを使ってプロジェクトライフサイクルを改善することで、要件定義の段階を30%も少なくできた。氏はアプリケーションマップ(機能とビジネスプロセス、ビジネスの機能、アプリケーションのマップ)や機能レポート(アプリケーションの名前、説明、ビジネスの機能、上位の機能、下位の機能など)のような他のアーキテクチャ成果物についても話をした。また、プラットフォーム(メインフレーム、分散Windows、分散リナックス、アプライアンスベース、外部へのホスト)でアプリケーションの特定などシステムアーキテクチャの分析のような評価もかなりの節約を生み出す。
- アーキテクチャ審査委員会: EAチームはリーン開発の原則を適用してアーキテクチャ審査委員会のプロセスを効率化した。その結果、ARBのプロセスは(3年間で119%まで)改善され、ARBの要求は2日以内で承認されることもあった。
- 標準的なEAの方法論を導入する : TOGAF EAフレームワークを利用して連合したアーキテクチャを管理し、このフレームワークをDFSの文化と方法論に適用させた。また、EAチームのメンバ全員がTOGAFの認定を受け標準的なアーキテクチャの成果物を開発した。
- EAのマトリクスとバリューログを作成する : "EAバリューログ"と呼ぶものを作成し始めてチームへのアウトプットにした。バリューログは予算の節約やコスト回避、プロセスの改善などの価値をマトリクスとして補足できる。
氏は他の組織のEAチームが計画を改善するのに推奨できることを自身が学んだことから説き、発表を終えた。
- マトリクスを使った成果物を目的としてEA戦略を練る
- 事実の集合に対する信頼性を確立する
- 現在の文化の中え何が機能しているかを知る
- 共感を感じるパートナーを見つける。(例えば、会計、リスク、コンプライアンス)
- 段階的に投資する
- 成功を推し進める