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Sencha Touch 2とはどのようなものか

原文(投稿日:2011/09/15)へのリンク

Senchaは、10月にSencha Touch 2のベータ版をリリースする予定である。このバージョンでは、主な機能としてネイティブパッケージングやパフォーマンス改善が提供されるとのことだ。

Sencha Touchを使うと、iPhoneやAndroid、BlackBerryといったタッチデバイスのネイティブのルック&フィールを備えたモバイルWebアプリケーションを構築することができる。Sencha Touchは、HTML5を利用し、オーディオやビデオ、データをオフライン用に保存するためのlocalStorageプロキシといったコンポーネントを使えるようにしている。また、CSS3を大いに利用し、堅牢なスタイリングレイヤーを提供する。Sencha Touchは現在、Apple iOS 3以上、Android 2.1以上、BlackBerry 6以上のデバイスに対応している。

Sencha Touch 2の注目すべき新機能には、以下のようなものがある

  • Sencha Touch 2ではネイティブパッケージング機能が追加されます。これにより、たった一つのコマンドで、iOSやAndroid用のアプリケーションをパッケージング可能です。もはや自分でラッパーを作成したりする必要はなく、全てSencha Touchがやってくれます。また、MacとWindowsの両方で、iOS、Android両方のパッケージングを可能にする予定です。
  • HTML5デバイスAPIはまだモバイルブラウザでは完全に利用できないため、我々はネイティブデバイスAPIの多くをパッケージャAPIに追加します。これにより、将来Webブラウザで可能になるであろうことを、今すぐ活用することができます。
  • レイアウトがより高速になります。我々はレイアウトシステムの内部を詳細に調べ、コンポーネントレイアウトの速度を根本的に改善しました。Sencha Touch 2のアプリケーションを立ち上げれば、起動やレンダリングがどのくらい早くなったのかすぐに気付くでしょう。向きの変更も非常に優れています。
  • Androidのタッチイベントのレスポンスをよりよくするため、イベントハンドリングを改良しました。様々なモバイルプラットフォームでは、タッチイベントが異なる速度で処理され、ディスパッチされます。そこで我々は、それがブラウザ間で正規化されるようにしました。アプリケーションはタッチに対して、スムーズで直感的な振る舞いをするようになります。
  • CSSの遅さに対処するために画像ベースのテーマが追加されます。SASSを使えば、Sencha Touch 2は1.xと同じようにCSSベースのテーマを生成できます。しかし新しいバージョンでは、CSS3の機能によりブラウザが遅くなってしまうようなデバイスのために、画像ベースのテーマを生成する事もできるようになります。この機能はSencha Touch 2.xのアプリケーションをWindows Phoneで動かすことも可能にします。
  • 合理化されたコンフィギュレーションシステムにより、Sencha Touchアプリケーションのセットアップがより直感的で簡単になります。コンポーネントを設定するために、それぞれ異なったやり方を学ぶ必要はなく、新しいコンフィギュレーションシステムはコンポーネントのセットアップを簡素化します。そしてもちろん、以前のやり方との後方互換性もあります。

InfoQではMichael Mullany氏(SenchaのCEO)に、新製品開発についての話を聞いた。

InfoQ: バージョン2の新機能について教えてください。

 Sencha Touch 2はパフォーマンス、使いやすさ、ネイティブサポートの三つの機能エリアに重点を置いています。

  • 我々はSencha Touch 2を最も高速なHTML5プラットフォームにするよう努力してきました。我々はAndroidについて詳しく調査し、Sencha Touch 2のWebアプリケーションが可能な限りネイティブアプリケーションのように感じられるように、徹底的なパフォーマンス改善を行いました。
  • Sencha Touchをより簡単に使えるようにする努力も行ってきました。ドキュメントの改善からExt JS 4のコアクラスシステムの活用まで様々な努力を行い、Sencha Touch 2は初心者にとっても、経験を積んだ開発者にとっても、より使いやすいものになっています。
  • さらに、アプリケーションをネイティブに配置したい開発者にとっても、より使いやすいものとなっています。Sencha Touch 2は、1行のコマンドでWebアプリケーションをiOS App StoreやAndroid Marketplaceに配置できるようパッケージングする機能や、デバイス特有の関数にアクセス可能な新APIを備えています。

InfoQ: このプロダクトの利用者をどのように見てらっしゃいますか?

Sencha Touch 2を使うことで、我々は利用者がかつてないほどHTML5を活用できるようなると思っています。我々が行ってきた徹底的なパフォーマンス改善により、HTML5の"Write Once, Run Anywhere (一度書けばどこでも実行できる)"の可能性は、より現実に近づきます。開発者はWebの配布モデルを生かしたアプリケーションと、そして必要であれば、ネイティブプラットフォーム配布用にパッケージングされたWebアプリケーションを、同一のコードベースで構築することができます。

InfoQ: HTML5のアーリーアダプタとして、これまでの経験についてコメントしたいことがありますか?また、このプラットフォーム(HTML5)の発展についてどのように見ていらっしゃいますか?

革新の早さとHTML5の採用の増加は、目をみはるものがあります。新たなハードウェアプラットフォームやデバイスは、HTML5がモバイルWebの共通語になるのを加速しています。我々は、アクセス数の多いサイトを持っている企業によるHTML5の支持が増加すると予想しています。Sencha Touchのネイティブアプリケーション作成機能は、アプリケーションストアエコシステムの活用を可能にします。また、ネイティブAPIはデバイス固有の関数やOSサービスにアクセスする事を可能にします。

InfoQ: このプロダクトのロードマップについて教えてください。

我々は多くの技術エリアで、革新を続けていくつもりです。まずは、デバイスサポートの追加です。特に、Windows PhoneとIE9に目を向けています。次に、Sencha.io Syncや、FacebookやTwitterのサインインのようなサービスと統合できるよう、クラウドサービスにより簡単にアクセスできるようにしたいと考えています。

InfoQのサイトでは、HTML5Mobileのより詳細な情報を提供している。

著者(Dionysios G. Synodinos) はWebエンジニア兼フリーランスのコンサルタントで、Web技術に重点的に取り組んでいる

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