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Rackspace、OpenStackを財団に委ねることを望む

原文(投稿日:2011/10/07)へのリンク

Rackspaceは2012年までにOpenStackを完全に移管する財団を創設する意向であることを発表した。これはOpenStackがRackspaceによってコントロールされすぎるという懸念をやわらげ、真にオープンソースのクラウドコンピューティングプロジェクトになる機会をもたらすものだ。

Rackspaceは彼らのストレージソースコードをオープンソース化し、Project OpenStackを立ち上げた。このプロジェクトには、昨年NASA Nebulaのコンピューティングエンジンも加わり、興味のある人ならだれでもプロジェクトに参加できるオープンなクラウドコンピューティングプラットフォームとして期待されている。ところが多数の企業がプロジェクトに参加する一方、開発リソースを投資する企業はあまりなかった。新しいコードを提供したのは8社だけで、ほとんどのコードはRackspace自身が書いたものだ。今回の件は、プロジェクトの今後の開発とプロジェクトガバナンスにおけるRackSpaceの関わり合いの大きさに対する懸念が関係しているのかもしれない。

Rackspaceの元エンジニアであるRick Clark氏は、今年前半に「なぜ私はRackspaceを去ったのか、OpenStackはどうなのか?」というタイトルのブログ記事で、OpenStackは結局のところあまりオープンではなかったという懸念を表明した。

RackspaceはOpenStackに影響を及ぼすというより、コントロールしようとしているのだと私は感じています。一番の例は最近のガバナンス変更でしょう。 … 基本的に、Rackspaceは開発コミュニティや現在のガバナンスボードと相談せずに、ガバナンスを変更をしました。これはプロジェクトの健全性にとって極めて大きな問題です。

OpenStackを混乱させることはないというRackspaceの保証は十分ではなく、ほかの企業がRackSpaceを買収したら何が起こるか、Clark氏は懸念している。SunがOracleによって買収された後にJavaに起こったことをほのめかして、「もしRackspaceが新しいマネジメント支配下、たとえばOracle支配下になると、何が起こるのだろうか?」と語る。そして、Clark氏はOpenStackをどこの企業の支配下でもなく、財団に委ねるべきだと提案した。

そしてこれこそが、Rackspaceが次に計画していることだ。OpenStackのマーケティングVPであるMark Collier氏は、Rackspaceは2012年までに財団を創設して、OpenStackのすべての知的財産と商標権、プロジェクト全体の運営を移管するする意向であることを発表した。この知らせは昨日のDesign Summit 2011にてすべてのパートナーに公表された。組織の詳細については、今後数か月で「ベンダー中立な、真にオープンなクラウドスタンダード」というビジョンのもと「コミュニティメンバーからのフィードバック」に基づいて決定されることになっている。NebulaのCEOであるChris Kemp氏は「組織構成がどうあれ、ゴールは最終的にオープンで発展するプラットフォームであり続けることだ」と付け加えた

もし創設される財団がApacheやEclipseと同じように成功すれば、OpenStackはクラウドコンピューティング分野における有力候補になる可能性が高いだろう。OpenStackを支援する100を超える企業には、HP、Cisco、Intel、Dell、RightScale、AMDなど、重要なプレイヤーが含まれており、その一部はクラウドコンピューティングビジネスにすでに参入している、もしくはちょうど参入しようとしているためだ。

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