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アジャイルコミュニティが受け入れるべきものは何か ... YOW! Austraria 2011 に参加した思想的リーダたちに聞く

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原文(投稿日:2011/12/21)へのリンク

オーストラリアの代表的なソフトウェアカンファレンスである YOW! Australia Software Developer Conference が 2011 年 12 月,メルボルンとブリスベンで開催された。このカンファレンスは発表者を地元や海外から広く招待する。その多くはアジャイルコミュニティにおけるリーダたちだ。カンファレンスに参加する機会を得た InfoQ では,多数のアジャイル講演者たちが一同に会するこの場を活かして,アジャイルコミュニティが 2012 年以降に受け入れるべきもっとも重要なものは何か,彼らの考えを聞くことにした。

リーンソフトウェア開発提唱者のひとりであり,多数の著作で知られる Mary Poppendieck 氏は,"Continuous Design (継続的設計)" をテーマとしたセッションを行い,自らが開発しているものが本当に正しいのか,という疑問を持つことの必要性を強調した。2012年への氏の思いは,次のようなものだ。

物事を広く考えて,ソフトウェアを問題全体の一部として捉えることが必要です。アジャイルをソフトウェア用語として語るべきではありません。ユーザエクスペリエンスのサイクル全体に渡ってフィードバックループを維持できる,そんな製品の実現を議論する時期に来ているのです。そのための中核技術として,アジャイルはこれまで確固たるツール群を作り上げてきました。しかし歴史が示すように,開発プロセスは移り変わるものです。最終的には明日の朝,仕事に行くことの意義を知る必要があります。

Lonely Planet でのデジタルビジネスの成果で有名な Nigel Dalton 氏は,Luna Tractor のパートナーのひとりでもある。氏の担当した "60 Years of Innovative and Agile Work Practices" と題するセッションでは,リーンとアジャイルプラクティスの歴史から我々が学ぶべき教訓の振り返りを行った。氏の考えはこうだ。

開発者が "別世界" の人々,つまり "ビジネス" を嫌わないようにしなければなりません。それには包括的な視野が必要になります。チームの人数は理想的な6人ではなく 35~40人である,という事実を,現実として受け入ることが必要です。お互いを知って話し合い,ボードを見て,会話の機会を持たなければなりません。そうすれば,生産性の面で大きな飛躍が実現できるでしょう。

"Fearless Change: Patterns for Introducing New Ideas" の著者である Linda Rising 氏は,"Problem-Solving and Decision-Making in Software Development と題するセッションで,自らの脳を最大限に利用するためのヒントを多数公開している。氏はいくつもの考えを話してくれた。

まず,TDD (Test Driven Development / テスト駆動開発) はテストなのか,それとも開発の一部なのか,というテスト論争が続きます。それから,継続的×× (継続的提供や継続的設計など) の勢いはますます強くなるでしょう (ただし次が何なのかは分かりません)。そして最後に,アジャイルの次のフロンティアは政府機関 (まだアジャイルに真剣に注目し始めたばかりですが) になります。安全性と重要性に対する要件の高いシステムや認証処理をどう扱うか,という点がそこでは問題になりそうです。アジャイルは今もって,大規模システムへの浸透には成功していませんから。

Neo Technology のチーフサイエンティストであり,"REST In Practice" の著書を持つ Jim Webber 氏は,"Highly Connected Data Models in NOSQL Stores" と "Domain-Driven Design for RESTful Systems" という2つのセッションを行った。氏の考えはこうだ。

セレモニーを減らす努力が必要です。そのようなものの大部分は,資金を出す人に対するビジネス価値のデモに過ぎません。コンサルティングベースのアジャイルを少なく努力もしなければなりません。エンジニアリングテクニックこそがアジャイルの最良の部分だからです。

Responsibility-Driven Design (責任駆動設計) の発案者であり,同じ名前の書籍の著者でもある Rebecca Wirfs-Brock 氏が担当したのは,"Why We Need Architects (and Architecture) on Agile Projects" というセッションだった。アジャイルに関する氏の展望は,次のようなものだ。

小規模プロジェクトや大規模プロジェクト,あるいは未開プロジェクトなど,異なるコンテキストにおいて何をすべきかをもっと決めなければなりません。注意を払うべきプラクティスや事柄が違ってくるはずです。合わせて,もっとさまざまな試みを行って結果を報告し,開発手法を変えていく必要があります。プラクティスを去年と同じ方法で行っていたのでは,本当にアジャイルであるとは言えません。

Industrial Logic の創設者であり,"Refactoring to Patterns" という著書を持つ Joshua Kerievsky 氏は,"Lean Startup: Why It Rocks Far More Than Agile Development" と "The Limited Red Society" という2つのセッションを開催した。氏の見解は次のとおりだ。

個人的意見として,今日のリーンスタートアップ (Lean Startup) はアジャイルよりずっとクールです。アジリティの新たなレベルに達することができるものだと思っています。構築しているものが正しいかどうかという点について,アジャイルでは明快な対応ができませんが,リーンスタートアップは正しい基準に注目せざるを得なくなります ... つまりアジャイルで行うことの大部分をカバーした上に,さらに進んだものを備えているのです。

ThoughtWorks のチーフアーキテクトであり,アジャイル宣言 起草者のひとりでもある Martin Fowler 氏は,Jez Humble 氏とともに "Continuous Delivery" というセッションを行った。氏の主張は,

私たちはこれまで長いこと,アジャイルの旅を続けてました。それが長い道程であること,それを見届けるには忍耐を要することを思い出さなければなりません。新たなプラクティスとしては,継続的提供 (Continuous Delivery) とアジャイル UX の2つが重要です。

Bedarra Research Labs の創設者で YOW! カンファレンスの主催者である Dave Thomas 氏は,自身の意見を次のように要約している。

考えること,過度に割り切らないこと。この2つが必要です。リーンとは,最小限の無駄で価値を最大化することです。状況を改善するための努力を行い,体系的な変化に注目しなければなりません。最終的に必要なのは,リーンな発想とアジャイルな行動なのです。

これら思想的指導者たちの意見から,アジャイルコミュニティのさまざまな分野において,今後も多くの継続的進化が必要であることは明らかである。アジャイルコミュニティはその将来にどのような展望を持つべきなのか,読者の感想や意見をコメントに残してほしい。

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