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Stoos Network - Catherine Louis氏とDeborah Hartmann Preuss氏、期待について語る

| 作者: Shane Hastie フォローする 18 人のフォロワー , 翻訳者 笹井 崇司 フォローする 0 人のフォロワー 投稿日 2012年2月21日. 推定読書時間: 15 分 |

原文(投稿日:2012/02/03)へのリンク

最近開催されたStoos Gatheringというイベントとそこから生まれたStoos Networkについて、一連の記事で報じてきた。このイベントの目的は組織のマネジメントに変化を促すことにあり、ソフトウェア開発におけるアジャイルムーブメントや Radical ManagementManagement 3.0Leadership in a Wiki WorldThe Leaders Dilemmaといった書籍で論じられたマネジメントプラクティスの進歩に端を発している。

本記事では、イベントに参加した2人の女性、Catherine LouisDeborah Hartmann Preuss氏とのインタビューを取り上げる。

ほかの参加者と同様、イベントに関するいくつかの質問、参加した動機や将来に向けた期待について語ってもらった。

InfoQ:   あなた方の観点から、このイベントを簡単に説明してもらえませんか?
Catherine:  不満のある従業員、不幸な顧客、ひどい投資収益といったもの、これらはみな壊れたシステムの産物であるという考えに共感したコミュニティの声をまとめたものです。 {私たちが参加したStoosオープンスペースセッションのひとつで作られたマインドマップを参照してください}
Deborah:  そうですね、あのイベントは変化を加速しようとする人たちの集まりでした。メタレベルで仕事をし、パターンを理解し、誰にもわからない将来を見据えて、リスクを厭わずに大きなチャレンジをしようとする人たちです。従業員や社会、特に幹部やマネジャー自身のなかの「ひどいマネジメント」による被害者を救おうと、自分と同じくらい情熱をもった人たちに出会えました。多くの人が手に負えないシステムに囚われていると感じていたようです。

InfoQ:  あなた方はなぜイベントに参加したのですか?
Catherine:  タイミングがよかっただけです。がっかりするかもしれませんが、実際そうなんですよ。私はStoosが言うところの変化をまさに体験している会社と組んで、プロダクトオーナーとリーダーシップに関する社内ワークショップを開いてきました。私は製品開発に20年以上たずさわってきましたが、幸運にも偉大なサーバントリーダーに恵まれ、ずっと楽観主義者でいられました。組織のあらゆるレベルで、すぐれたリーダーシップが必要とされています。私はすぐれたリーダーとして振る舞う最高のマネジャーが必要だと思っています。修正を要するような複雑なシステムがあるなら、安易に「マネジャーを非難」できないと思います。 
Deborah:  私は去年チューリッヒでPeter Stevens氏とSteve Denning氏に会いました。後にStoosのトピックとなる「この動きをどうすれば加速できるのか?」について調べるためです。私はSteve氏の情熱を目の当たりにして、書籍を売るが目的ではなく、みんなの生活を改善することが目的なのだとわかりました。Peter氏のあふれる熱意にもふれることができました。去年はJurgen Appelo氏のクラスも受けました。私は新しいものなら何にでも首を突っ込むたちなのです。彼らは私のことを変化を生み出す人だと見なしてくれたので、すんなりなじめました。Peter氏が私を招待してくれたもう一つの理由は、プロフェッショナルなコーチとしての視点ですね。私はアジャイルコーチやトレーナーとしての仕事に加えて、一対一コーチングのCo-ActiveとNewfieldのトレーニングも受けています。私は喜んで、こうした経験と視点で貢献するとともに、こうした問題に関心のあるドイツ人ネットワークとのコネクションも提供しました。そのとき2012年の予定はまだ空いていたので、私は参加を快諾しました。是非参加して欲しかったのですが、残念ながら参加できなくて他の人に席を譲った人もいましたが。

InfoQ:  イベントはどのように運営されたのですか?
Deborah:  私たちはイベントが開催されるのを2週間前に知りました。一部の人たちはメーリングリストやWeb上で議論してきました。私たちが到着したとき、予定されたファシリテーションというのはほとんどなく、半日で終わりました。このファシリテーションでは、このイベントに対する希望や懸念、期待を共有し、いくつか取り決めをし、お互いの紹介と情熱を共有しました。二日目はうまくファシリテーションされました。オープンスペースやワールドカフェといったものを活用して、私たちが何を成し遂げたいのか議論しました。いずれのトピックも3つ4つのグループを作って、定期的にテーブルを切り替えながら進められました。その日は報告セッションで終わりました。何を達成したのか?何がまだ残っているのか?ここでStoos宣言の最初のドラフトがワーキンググループにより読み上げられました。全員がそれを気に入り、いくつかコメントしました。それから投票をして、最終的な宣言文の仕上げをイベント終了後も作業を続ける少人数のグループに委ねました。彼らが宣言に取り組んでいる間、私は夕食の時間を使って、次々とビデオインタビューを撮りました。このイベントの2日間、みな心身ともに没頭していたように思います。

InfoQ:  イベントにふさわしい人は集まりましたか? もしそうなら、それはなぜですか? もしそうでなければ、どんな人が欠けていましたか?
Catherine:  この質問には2通りの回答があると思います。回答1: イベントにやって来た人は間違いなく、このイベントにふさわしい人たちです。なぜなら、Law of Two Feet(議論に貢献できない人は自分の足で黙って出ていくというルール)が働いていたためです。回答2: 顧客を代表する人たちが大勢招待されましたが、何かしらの理由で来れなかった人もいます。でも、そうした人もグループサイトでの対話や議論に貢献してくれています。
Deborah:  主催者はできる限り多様性をもたせようとしていました。... イスラエルや南アフリカ、フィンランドからも参加者がいたのは実にすばらしいことです。従来のやり方の経験者もいれば、新しいパラダイムの経験者もいました。こども相手に教えている人もいれば、大人相手に教えている人もいました。すでに新しい考え方へマネジャーが移行するのを手助けしている人たちもいました。もちろん、そこにはオーバーラップがあります。Michael氏と私は、コーチと一緒に仕事をするコーチのトレーニングを受けています。そして、Esther氏、Peter S.氏、Peter H氏はみなアジャイルチームで仕事をしています。でも、このような共通点よりも相違点の方が重要だと思いました。異国の文化が一同に会しただけでなく、極めて異なる企業文化や仕事文化が一同に会したのです。こうした違いは議論を豊かにしてくれました。また、シンプルな取り決めや信頼を築くことから始めることが非常に重要になりました。どんな人が欠けていたか?でしたね。アメリカ人とアメリカ人以外で英語を話す人のバランスはよかったと思います。たとえばSimon氏と私はドイツからの参加者で海外駐在です。スイスからの参加者で、カナダとアメリカに駐在している人もいました。みな私以上にヨーロッパで生活しています。私は祖国カナダとドイツの文化的違いを痛感していますが、ドイツ人の視点を反映できるわけではありません。私たち駐在員はヨーロッパで休日の付き合いも少ないので、Stoosに行きやすかったのでしょうね。主催者に聞いてみてください。ふさわしい人たちがいたか? ええ、みな前向きに話を聞き、学び、議論に貢献しました。私たちは自分が住んでいる国で(さらにはそれを超えて)、行動の口火を切るよう取り組むことにコミットしました。欠けていた人がいたか? ええ、まだまだ思想家、著者、教育者、行動者が足りません。このネットワークを通じて、そうした人を見つけて、助けてもらえるよう取り組んでいきます。

InfoQ:  イベントから得られたことを具体的に教えてもらえませんか?
Catherine:  学習が不可欠だということですね。組織文化を変えるためには、仕事をしながら安心して楽しんで学習できるよう、学習エコロジーを育成する必要があります。これから成功する組織は「多様な個人の学習ネットワーク」になると思います。これはこれまでの過去を破壊します。これは従業員全員が組織に対して大きな貢献者になるチャンスでありチャレンジなのです。そのためには、安心して実験でき失敗できる場所を作る必要があります。失敗から学ぶことが不可欠なのです。未来はここにあります。学習エコロジーを作れない会社は取り残されていくでしょう。
Deborah:  「生きている人を監督しているのです、マシンを管理しているのではありません」というフレーズが私の頭に焼き付いています。これは大勢の人の心にも響いたと思います。よくわからないかもしれませんが、すぐれたメタファのパワーを軽視してはいけません。これは情熱的な行動を促してくれます。

InfoQ:  Stoos Networkを作ったことで、どんな変化を期待していますか?
Catherine:  みんなに小さな変化を促したいです。日々の決断にこう問いかけてみましょう。「これは顧客のためにすべきことですか」。もし答えが「ノー」であれば、してはいけません。もし「イエス」であれば「そうだ」と言って、すぐにやるのです。もし「わからない」なら、顧客を代表する人に判断を委ねましょう。ふさわしい人がいなければ、Stoosグループにあなたの悩みを投稿して、Stoosコミュニティの助けを請うのです。
Deborah:  私が期待しているのは、たとえば、アジャイルソフトウェア開発コミュニティにおいて、テスターが必死になってアジャイル本やコンサルタント、ユーザグループを探して学習し、開発者がもっとうまく仕事ができるよう助けられるようになることです。これはテスター自身の仕事にも役立ちます。以前は、アジャイルチームが自己組織化した新しいやり方で仕事をすることを学んでも、組織が安心できる見慣れた「安全な」古い型に押し戻そうとするのをよく見かけました。今では、すぐれたリーダーとチームメンバーが組織に不満を抱いて出て行くのをよく見かけます。私はむしろ、スクラムマスター、プロダクトオーナー、ラインマネジャーが必死になって書籍やWebサイトやカンファレンス、コンサルタントを探すのを見たいのです。そうすれば、システム全体を助けて摩擦を軽らすために、ほかの領域のマネジャーが新しいやり方で考えるのをどうやって助ければよいのかが学べます。そして私はリーダーが彼ら自身のリソースを見つけるのを助けたいと思っています。というのも、自分で見つけた方がうまく合い、受け入れやすいためです。こうしたリーダーは"Stoos Network"を検索して、見つけるべきリソースと人物へのポインタを見つけるでしょう。私はそれを切に願っています。コーチとしての私の必要性はここにあると思っています。違う夢を抱いているステークホルダーもいるでしょうが、転換点に向けて一緒に作り上げていくには、ステークホルダー全員が必要なのです。

InfoQ:  Stoos宣言はかなり自由な内容になっていますね。効果的に変化を起こすためにはどうすればよいと思いますか?
Catherine:  私はまず問題をよく調べることをお勧めします。すでにStoos参加者のやり方で成功した会社をたくさん知っています。もしあなたがこうした会社にいるなら、グループに参加して意見を共有してください。そして問題に共感できたら、会話に参加して懸念を共有してください。私たちは組織の変革における「期待成果」を定めました。視点が異なっているにもかかわらず、Stoosの参加者全員がこれを受け入れました。私たちが採用した言葉は、組織は「価値を生み出す多様な個人の学習ネットワーク」になる必要がある、というものです。注意深く以下の言葉が選ばれました。
学習: イノベーションが組織文化の一部になる必要がある。
ネットワーク: 組織全体に築かれたサーバントリーダーシップをもつ自己組織化したチーム。
多様な個人: 学習し成功するためには、組織は多様な顧客を代表できなければならない。
価値の創造: こうした組織が顧客にとって真の価値を生み出す。
Deborah:  まさにこれです。私は「価値」をもう少し広げたいです。顧客、従業員、ステークホルダー、環境とのWin-Win-Win-Winを作り出すこと、そして、この成果をどのように得るかが重要です。ここで得たものを急いで増やそうとしてはいけません。宣言を読んで共感してもらうため、よく観察して、よく考える時間をとってください。それから多様なアイデアに触れられるよう、自分の領域外にいる人たちとも会いましょう。それにはオンラインのディスカッショングループやミーティング、カンファレンスを活用するとよいでしょう。変化を加速するためにまずやるべきことは何か? その次は何か? 解決策はそのときどきで違ってきます。それでもいいのです。私たちはお互いに学び合うことができ、それをあちこちに展開できるのですから。それがネットワークなのです。私は解決策が生まれるのを見たいのです。そのために私は精一杯お手伝いします。

InfoQ:  Stoos Networkと現代のマネジメントとの関係をどう考えていますか? 補い合うものでしょうか、あるいは、相反するものでしょうか、無関係なのでしょうか?
Deborah:  古い「マシンのメタファー」からマネジャーを救うのに、すでにすぐれたアプローチがあって、有能なアドバイザーがいるのは明らかです。したがって、既存のアプローチが問題なのではありません。個人的には車輪の再発明は嫌いです。幸運なことに、私よりも適任者はいくらでもいるので、マネジメント哲学やマネジメント研究はお任せします。私は彼らの成果を利用させてもらっているんです。私が議論したいのは(何年も実績のある)すぐれた方法があるかどうかではなく、現在の停滞についてです。Stoos Networkは有用なアプローチのプロファイルを作って、まだ連携していないコミュニティの相互交流を促し、こうした人々が集まってより人間中心の組織パラダイムを実現すべく共同作業をするイベントを作っているのです。

InfoQ:  今後Stoos Networkはどのように運営されるのでしょうか?
Deborah:  私は直接会う方が好きなのですが、世界規模で変化を生むためには、距離の離れたコラボレーションも必要です。離れていても仕事ができるすごい方法を見つけて、離れたところから興味に合わせたグループミーティングを開催するのを手伝えたら、すごくないですか? 部分的にしか機能しない、ミスマッチなコラボレーションソフトの山にはうんざりです。どんなツールを併用すれば意味のあるコラボレーションスイートになるのか、テストをして見つけるためには、特別なものが必要だと感じています。代替手段はWebセミナーのように、必要としない機能が詰まった非常に高価なツールのように思えます。でも、ネットワークにはそうした素質があることがわかるでしょう。バーチャルオープンスペースやワールドカフェミーティングがあちこちでいつも開かれていること、それが私の夢なんです。

InfoQ:  イベントのフォローアップをするとしたら、あなたはどうしたいですか?
Catherine:  詳細な導入に半日ほどかかったので、次回のミーティングでは8時間とかではなくて作業に2日とってもいいですね。そうすることで、事前に選んだトピックスにもっと突っ込んだ議論をしたいです。
Deborah:  もちろん、もともとの21のワーキンググループに加えて、ほかにもたくさんのワーキンググループができることを望んでいます。そのためには、CITcon、SDTconf、AgileOpen、AgileCoachCampのように、小規模な情熱的で口コミで広がるイベントがあちこち生まれることを望んでいます。リーンスタートアップがインスピレーションをもたらしてくれるでしょう。ほかにも調べるべきミートアップがあります。直接会えなくても、ALE Bathtub conferences のようなイベントがシナジーを生むのに役立つでしょう。こうしたイベントはこれまで出会うことのなかった人とアイデアを結びつけるのに重要です。これが変化を加速する重要な鍵になると思います。

InfoQ:  Stoosムーブメントを支援するため、あなた方が個人的に次にやろうとしていることはありますか?
Catherine:  : 顧客ベースから、壊れたシステムにいるマネジメント層からのインタビューを見て、彼らが扱っている課題と変化を必要としているものに耳を傾けたいと思っています。もちろん、マネジメント層の人たち、真のStoosians、「価値を生み出す多様な個人の学習ネットワーク」を育てていきたいです。インタビューしたい人を何人か挙げています。ここに招待して、さらに議論を続けていきますよ。
Deborah:   ちょうどインタビューを編集し終えたところです。少し時間がかかりましたが。私はイベント企画者としてコミュニティに知られています。そこでドイツで自らのイベントを開くため、パートナーと仕事をしているところです。ちょうど最初のドイツ語によるイベントの招待状を送ったところです。うまくいけば、他にも応用できるかもしれません。私はイベント導師になろうとは思っていません。むしろ他の人にシンプルで効果的なイベント運営方法を紹介したいと思っています。これはネットワーク化された新しいコラボレーション方法をモデル化したものです。 エネルギーを吸い取り、情熱をもってコミュニティに貢献できない、従来の階層的な語り手だけのカンファレンス形式ではありません。

InfoQ:  何か心配の種はありますか?
Deborah: コミュニティは答えを求め、答えを必要としています。これは明白です。私はコミュニティからの「今すぐ欲しい」という圧力に屈して「何でも」やってしまうのを心配しています。新しい考え方や(特に)新しいやり方を生み出すためには、よく考えて特別に作り上げたことをすべきだと思います。


 

Shane Hastie氏: オーストラリアとニュージーランドでソフトウェア教育に取り組んでいるアジャイルコーチ、トレーナー。

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