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アジャイル成功要因を掘り下げる

| 作者: Christopher Goldsbury フォローする 0 人のフォロワー , 翻訳者 笹井 崇司 フォローする 0 人のフォロワー 投稿日 2012年4月29日. 推定読書時間: 6 分 |

原文(投稿日:2012/04/24)へのリンク

Scott W. Ambler氏Dr. Dobbsにおいて、2011年11月のアジャイル最新調査からアジャイルの成功要因について分析した。記事によると、この調査には2つのゴールがあったという。

 
  • エグゼクティブからの支援や単一のアジャイルチームへの人のアサインといった導入戦略がアジャイルプロジェクトの成功に関係したか調べること
  • よく見られる2つのスケール要因、チームの大きさと地理的分散がアジャイルプロジェクトの成功に影響するか調べること

この調査は複数のアジャイル関係メーリングリストとScott W. Ambler氏のTwitterでアナウンスされ、168人から回答を得た。

 
この記事は、アジャイル導入の成功実現と調査結果の意味について、いくつか重要な洞察を与えてくれる。言い換えると次のようになる。
 
1. プロジェクト期間中、専任のビジネスドメイン専門家の助言が得られるとアジャイルは成功しやすい。
 
2. 環境とツールでアジャイル導入とプラクティスを支援しなくてはならない。
 
3. アジャイルメソッドとプラクティスにエグゼクティブからの支援があると、よりよい成果を生みやすい。
 
4. 成功しているアジャイルチームは従来のプロジェクト成功基準 ・スコープ、予算、スケジュール ・ではなく、全体の価値創造により評価されていた。

 
5. 多くの回答者はより大きな組織や地理的に離れた場所へとアジャイルをスケールしていた。
 
6. しかしながら、小さなチームの方がアジャイルで成功しやすいようだった。
 
7. そして、地理的分散のレベルが上がれば上がるほど、コミュニケーションおよび調整の問題によってリスクが高まり、その結果、成功率も低くなる。
 
8. 会社内にアジャイルに卓越した拠点があると、アジャイル導入に役立つ。
 
9. アジャイル導入にかかわらず、同時に複数のプロジェクトにアサインされているチームは苦労する。
 
10. 組み合わせた製品を納品するため、アジャイルチームが非アジャイルチームと仕事をすると、そのプロジェクトは非アジャイルチームによってスローダウンしがちである。
 
 
InfoQは調査結果をもっと深く分析し、いくつかの洞察と疑問を得た。
 
1. 168人が回答したが、調査を完了させたのは114人しかいなかった。回答率は質問によって異なっていた。一番回答が少なかった質問 ( #7 ) は、アジャイルのメリットをどのように測定しているかに関するものであり、93人が回答しなかった。 
 
2. 質問 #2 はアジャイルチームの大きさを問うものだった。回答者の44.7%は6-10人だった。回答者の78%は15人以下だった。101人以上という極めて大きなチームも4.2%だけあった(6人)。その4.2%のうち、どれくらいが会社全体をアジャイルチームだと考えているのだろうか? こうした結果はアジャイルチームのスケールについて何を示唆しているのだろうか?
 
3. 質問 #3 はアジャイルチームのロケーションについて問うものだった。回答者の54.6%は同じ場所にいるか、同じフロアにいるか、同じビルにいると答えた。20.6%はチームの何人かは3時間以上時差のある場所にいると答えたが、同じ場所にいないチームメンバーの役割について問う質問はなかった。この回答は、アジャイルチームの圧倒的多数が何らかの形で同じ場所におり、わずかなメンバーが別のタイムゾーンにいるオフショアだったりパートナーであることを示しているのだろうか? このことは実際にタイムゾーンをまたいだアジャイルのスケーリングについて何を示唆しているのだろうか?
 
4. 質問 #4 はチームメンバーがどれくらいプロジェクトのステークホルダーとコミュニケーションしているかを問うものだった。48.9%は毎日コミュニケーションしていると答えた。この質問はそのコミュニケーションの性質やどのチームメンバーがコミュニケーションしているのかについては洞察を与えてくれない。メールだろうか? 面と向かってだろうか? 電話だろうか? コミュニケーションするのはスクラムマスターだけだろうか、それともチームメンバーだれもがだろうか? 日々のスタンドアップについて話しているのだろうか? それとも、それ以上だろうか?
 
5. 質問 #8 は回答者が各文章にどの程度同意できるかを問うものだった。そのうちのひとつ「資産計上や予算編成を含むITおよび財務のガバナンスが決まっており、公式に認められたアジャイルパスがある」は多数が同意していなかった( 30.5% )。これはアジャイルプラクティスやパターンの欠点、あるいは、ビジネスからの投資の欠如、外部販売のためのソフトウェア開発者と内部利用のためのソフトウェア開発者との違いなのだろうか?
 
6. 質問 #9 は回答者が CSM ( Certified Scrum Master ) トレーニングを受けているかと、そのトレーニングに対する態度を問うものだった。57.4%はCSMトレーニングを受けていないと答えた。これは業界におけるスクラムの幅広い導入と矛盾していないだろうか? ウォーター・スクラム・フォールの導入が多いことを示しているのだろうか?
 
7. 質問 #12 は回答者のプロジェクトにおける役割を問うものだった。一番多かったのは ( 49.0 % ) アジャイルコーチやメンターだった。次に多かったのはアジャイルチームメンバーで29.8%だった。ビジネスステークホルダーは回答者の2.9%にすぎなかった。プロダクトオーナーは1.9%しかいなかった。11.5%は「その他」と回答した。ビジネスステークホルダーや品質保証、プロダクトオーナーがもっといれば、調査結果はどう変わっていただろうか? アジャイルコーチやメンターは成功を報告することに常に関心をもっているのだろうか?
 
8. 回答者の6.7%は実務経験が5年以下だと答えた。回答者の大多数がソフトウェア開発およびITの分野で長期にわたって働いてきたことを示している。しかし、なぜ経験の浅い回答者がこれほど少なかったのだろうか? 調査は経験豊かなアジャイルコーチに偏っていたのだろうか?
 
9. 質問 #14 はアジャイルにどれくらい経験があるかを問うものだった。回答率の上位3つは次の通りだ。2年未満 = 28.8%.  2-5年 = 29.8%.  5-10年 = 31.7%. 
 
10. 質問 #16 はあなたの組織が主にかかわっている業種を問うものだった。しかし、ここには「技術 - ソフトウェア」や「技術 - ハードウェア」といった回答オプションはなかった。この質問に対する回答は、先進諸国で起こっている様々な業種を表現するには不適切だったかもしれない。この質問の回答として一番選ばれたのが、「複数の分野」 - 31.7% だったのは、そのためかもしれない。
 
 
 
調査結果はレビューのため自由に閲覧できる。あなたの意見を聞かせてほしい。2011年のアジャイル最新調査はあなたとって何を示唆しているだろうか?
 
 

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