Catherine Louis氏とRaj Mudhar氏がLEtGO your Organization - design a best-fit large Agile Organizationと題したワークショップを開催した。動的組織モデリングの手法を用いて、LEGOブロックを使って参加者が組織の変化をモデル化、視覚化するワークショップだ。この半日のセッションには100人以上が参加した。
このセッションの目的はLEGOブロックやパイプクリーナー、風船を使って参加者が組織の変化をモデル化、視覚化することだ。実際に触れるツールを使うことで必要な変化を視覚化し、設計して、どのように変化を実現するのかを考えることができる。
セッションはツールの使い方と目的(アジャイルを実践しているものの、課題を抱えている大規模な組織の動的な側面を特定し、どのようにチームを構造化するか、どのように問題を改善するかを示すモデルを作成する)の説明から始まり、参加者は8人から10人のグループに分かれた。
始めはすべてのチームが同じ企業(プレゼンターから概要の説明があった)を25分でモデリングし、その後"トレードショー"を開催した。各チーム一人が残って他のメンバは他のチームがどのようにモデリングしたのかを見学し、意見やアイディアを交換したのだ。モデリングをするときにチームが考えなければならないのは、
- 目的
- 現在の状態
- 必要なスキル
- 足りないスキル
- 分散
- 制約
- スコープ
モデルを作る時によく考えてほしいこととしてプレゼンターのふたりが示したのは、
- どのくらい意思決定と意思決定の元になる情報の距離をどのくらい近くできるか。
- サードパーティのサプライヤとともに働いているか。どの組織も本当に健康的で幸せか。
- どのくらいコミュニケーションを改善できるか。
- どこで意思決定がされるべきか。
- 考慮すべき法的制約やコンプライアンス上のルールはあるか。
また、チームが実際の作業をするなかで、次のような新たな論点も見つかった。
- テスターをチームに含めるべきか。
- どのような情報上のボトルネックを考慮するべきか。
- どのようなタイムゾーンを含める必要があるか。
- 障害はどのように上申するか。
最初のトレードショーの後、プレゼンターは使われたLEGOパーツの違いを考慮して作成したモデルを検討するように伝えた。色の使い方(テストを表現するのにどのくらいのチームが赤いブロックを使ったか)、武器(多くのプロダクトオーナーが武器で表されていた)、チームを繋ぐのに使われた橋やチームの間を表すスペースなどだ。
ひとつのケーススタディを題材にした後、セッションの残りの時間は参加者が選んだ組織の分析に費やされた。自身の組織に似ている組織を選んだチームもあれば、プレゼンターが用意したケーススタディから選ぶチームもあった。
セッション終了後、CatherineとRajはInfoQの質問に答えてくれた。
なぜLEGOなんですか。
おもちゃ屋にはたくさんの候補がありましたが、LEGOが最も用途に合っていました。形もたくさんありますし、オプションも豊富です。手で触れることが重要でした。パイプクリーナーも使いましたが、LEGOが優れているのは皆が使い方を理解しており、文法を教える必要がない点です。シンプルなのでメッセージを伝えることに注力できます。チームが環境や仕事の流れを描くのには、パイプクリーナーや他のシンプルなツールも使いました。
セッションをやってみた結果、何か驚くべき発見はありましたか。
LEGOブロックの色とタイプの使い方ですね。例えば、多くのグループは緑のブロックで開発者を表し、赤でテスターを表していました。重要な役割や個人を示すのには高さが使われていました。また、作業のスコープが視覚化できていない場合もありました。例えば、開発チームだけをモデリングしてしまい、顧客や仕事の源泉が考慮されていない例です。
実際の組織内でこのモデリングを行う場合はどのようになりますか。
組織内で行ってもモデルは変わりません。シンプルなツールは現実の複雑さ明らかにします。今回のセッションでは4時間かけてモデリングして合評することでたくさんの発見がありました。皆、自分たちの働く環境がいかに複雑なのかに気付いたのです。
そして、変化を視覚化することで、変化が可能だと思わせるのです。
この公開セッションに合わなかったことはありますか。
自分たちの組織をモデリングしたのが2つのチームだけだったことです。私たちはシナリオを準備していましたが、効率的ではありませんでした。"デザイナ"という言葉を2つのシナリオで使っていました。ひとつは技術的なデザイナという意味で、もうひとつはグラフィックのデザイナという意味です。
この手法を使う上で重要なことは何ですか。
2次元のモデルを使い、構造と流れを両方を見ることです。
また、チームの中でのやり取りやメンバの身振り手振りに着目してください。
チームがそのモデルの通りに作業することでモデルをテストしたか確認してください。
顧客がどこにいるか確かめてください。情報の流れがどのように表現されているかを確認してください。
セッションの参加者の多くは啓蒙されたようだった。新しい働き方を実現するために必要な変化を視覚化することができるようになったのだろう。
Shane Hastie はアジャイルコーチ、トレーナー、コンサルタント。Software Education社で働く。