Windows 8の主要な焦点は、「自分のデバイスを持って」というシナリオをサポートする機能である。ユーザーにとって、この経験は、「リモートデスクトップとアプリケーション」のアプリで始まる。彼らが自分のメールアドレスを入力すると、自動的にIT部門のログインページに行く。彼らのドメインの資格情報を入力後、IT部門が提供するデスクトップとアプリが表示される。
このように公開されるアプリは、ローカルデバイス上で走っているように見えるが、実際は、会社のデータセンター内部のサーバー上で走っている。もしユーザーがログアウトせずにリモートサーバーから切断した場合、アプリは走り続けている。後で、ユーザーは、全アプリが全く同じ状態で走り続けているセッションに再接続することができる。
またしても、IT部門の見地からみれば、これは既存のRemoteFX や RemoteApp 技術を使った、単なる通常のリモートデスクトップセッションに過ぎない。ユーザにとっては、アプリケーションは、ちょうどローカルで走るようにインストールされたアプリケーションのように見える。これには、マルチタッチとジェスチャーのフルサポートが含まれる( Windows 7では、タッチはマウスの動きに翻訳される)。
古いリモートデスクトップのように、どのローカルリソース(例えば、ハードディスク、SDカードなど)をリモートアプリケーションで使えるようにするかを誰かが決める必要がある。ここでの違いは、IT部門がアプリケーションのマニフェストでこれらを予め定義するので、ユーザーはその必要がないことである。パワーユーザーはこれにたじろぐかもしれないが、ユーザーマシン上の誤設定によるIT部門へのサポートコールを減らすだろう。
RemoteFX適応グラフィックス
新しいグラフィックスアーキテクチャは、Windows 8向けに開発された。RemoteFX適応グラフィックスと呼ばれ、これはリモートデスクトップのシナリオ用に特別に設計された新しいCODECとアダプティブレンダリングをサポートする。理論的には、リモート・アプリケーションは、ロッシーあるいは、低帯域幅のネットワークの環境でも、動き続けるだろう。
重要な点は、RemoteFXがグラフィック、テキスト、ビデオ領域に画面を分割する方法だ。ビデオ領域がフレーム落ちを低減するためにチューニングされているが、テキスト領域を忠実に最適化されている。グラフィック領域では、プログレッシブレンダリングをサポートしており、低解像度の画像が最初に送られ、次に、帯域幅の許す限り、高解像度の画像にアップグレードされる。テキスト領域はこの対象から除外されので、最初から読みやすいだろう。
3G/4Gを含むさまざまなネットワークをサポートするためには、RemoteFXは、データのタイプおよびパケット損失率に応じて、自動的にTCPとUDPの間で切り替わる。
RemoteFXの仮想GPU
ハイエンド・アプリケーションでは、RemoteFXはRemoteFX vGPUを提供する。この仮想GPUは??2560×1440の最大解像度を持つ8クライアント側のモニターをサポートする。これで、IT部門は社内の彼らの高価なグラフィックス、ビデオ、3D CADソフトウェアを維持することができ、同時に彼らのリモートユーザは自分の仕事を行うことができる。
RemoteFXのビデオリダイレクションAPI
WMVなどいくつかのメディアタイプについては、RemoteFXは、サーバー上でレンダリングしてからフレームを転送するのではなく、クライアントに生のビデオストリームをリダイレクトする。これにより、最大90%まで帯域幅コストを削減できる。その他のアプリケーションでは、独自のアプリケーションやビデオリダイレクション用のプラグインを登録するために公開のAPIを使用することができる。
あなたのアプリケーションは、これを選ばない場合、Windowsは、ネットワークからのフィードバックに基づいて、実行時にエンコーディングを変更するような帯域幅を減らすために、他の技法を使う。