Hakim El Hattab氏は1月28日,JavaScript 3D プレゼンテーションライブラリ reveal.jsのバージョン2.2 をリリースした。いくつかのバグフィックスと,多数の新機能の追加を行っている。
Reveal.js はHattab氏の 他の作品 と同様に CSS 3D変換 を利用して,最新ブラウザのキャンバスに奥行きを持たせるものだ。従来のプレゼンテーションソフトウェアとは違ってreveal.jsでは,例えばZ軸を持った3次元空間に織り込むようなプレゼンテーションを作成することができる。従来の2D表現のスライドパックを3D変換することによって,面白い効果を得られるのだ。
そうではあるが,リニアなプレゼンテーション形式を採用しているという意味では,reveal.jsはSlideShare や PowerPoint などと同系列のソフトウェアであることに変わりはない。reveal.jsとは違う形式のプレゼンテーションソフトウェア,例えば "impress.js などは,Preziにインスパイアされた非線形スタイルのプレゼンテーションを使用しています",とHattab氏は述べている。"impress.jsはreveal.jsと同じように,既存のコンセプトをオープンかつ自由なものにした,という意味で素晴らしいと思います。 この2つのもっとも大きな違いは,視覚的なスタイルと構造にあります。"
そのこともあってバージョン2.2.では,注目すべき機能強化がいくつか追加されている。
- 特殊な印刷スタイルシートである PhantomJS とGoogle Chromeによって,3Dプレゼンテーションを 直接PDFに エクスポートできるようになった。
- 内部リンク のサポート。
- remote.io の追加によって,スマートフォンやタブレットでプレゼンテーションをコントロール可能になった。
- Travis Continuous Integration ソリューションにreveal.jsのソースを結合した。
reveal.jsのプレゼンテーションは,フリーのプレゼンテーション編集ツールである rvl.io を使って簡単にエクスポート,あるいは公開することができる。このシンプルさゆえに多くのユーザが "rvl.ioで作成した個人サイトを自分たちのドメインに組み込んでいます" とHattab氏は述べている。"これには驚きました。こんな使い方があるとは思わなかったのですが,もっと深く追求してみたいと思います。"
Hattab氏は2011年の夏,ストックホルムでのオフ会用のプレゼンテーションを用意しながら,同時にreveal.jsをハックした。 プレゼンテーションソフトウェアを持っていなかったので,自分で作ることにしたのだ。"ブラウザ上で直接作ることができそうだ,と思いついてから,深夜の数時間をかけて,おおよその形が出来上がりました。最終的な仕上がりが気に入ったので,そのプレゼンテーションをフレームワーク化することにしました。そうして完成したのがreveal.jsなのです。" とHattab氏は述べている。
GitHubに最初にコミットしてから18ヶ月が過ぎて,フレームワークとしてのreveal.jsはかなり固まってきた,と氏は言う。今後は現在のreveal.jsの機能セットを活用して,rvl.ioの開発に注力したい,ということだ。"考え得る最高の編集ツールを作りたい,それをユーザの手に渡して,彼らにその後を委ねたいと思っています。"