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教育系テクノロジのスタートアップ企業に学ぶ

| 作者: Ben Linders フォローする 28 人のフォロワー , 翻訳者 吉田 英人 フォローする 0 人のフォロワー 投稿日 2013年6月23日. 推定読書時間: 4 分 |

原文(投稿日:2013/06/18)へのリンク

教育系テクノロジ(educational technology, EdTech) は発展を続けている。そしてスタートアップ(新興)企業は,アプリケーションやクリエイティブコモンズのコンテンツで市場に参入しようとしている。GOTO Amsterdam 2013カンファレンスに設けられたトラック "rise of the educational startups" では2人の講演者 - Matteo Manferdini氏が "education is a game",Nick Grantham氏が "are you giving teachers blisters? - Finding the right fit for an EdTech startup" という題で,教育の場におけるテクノロジについての自らの経験を披露してくれた。

education is a game と題されたプレゼンテーションでは,Matteo Manferdini氏が教育アプリケーションとビデオゲームについて講演した。氏が紹介したのは,地下鉄の駅の階段をピアノにした ストックホルムの試みなど,面白さが行動を変えたいくつかの例だ。ストックホルムでは単に楽しいという理由から,階段の利用者が増えたという。新たに何かを学ぼうとするとき,ゲームは有効な手段だ。氏は "ゲームの中では,私たち自身が理想の状態になれるのです" と述べた上で,生産性を高められる状態である "フロー(flow)" について説明した。フロー状態に必要なのは,スキルを必要として,目標とそれを達成したときのフィードバックが明確で,関与する余地のある不確実な結果を持った,チャレンジ性のあるアクティビティである。ゲームはまさにそれだ。スキルと難易度のバランスさえ取れていれば,そこでフロー状態になることができる。その意味で,"ゲームを面白くするのは学習なのです。"

例として氏が挙げたAngry Birdゲームは,私たちに何を教えるのだろうか?まず物理学であり,さらには "鳥を投げ飛ばしてぶつける" ことで何ができて,何ができないのか学ぶことも可能だろう。まさに "意識することなく続けられる学習"であり,楽しさと教育的価値を兼ね備えている,と氏は結論づける。楽しむことが学習ならば,ゲームも教育の一環となり得るはずだ。氏は化学を教えるためのゲームを紹介した。基本部分に教育的な資料を使用したものだ。"教育資料にゲームの衣を被せる" というアプローチは適切ではない。教育を面白いものにするゲームとして,教育を書き直すのだ。チェスから一般的な原理を学ぶことはできるのだろうか,という参加者からの質問に対して氏は,原理としての戦略的思考を習得することができる,と説明した。ただし戦略的思考は知識に留まらず,日々の生活で活用できるスキルでもある。これもゲームをプレイすることが学習になる,という事実を改めて示すものだ。

Nick Grantham氏は are you giving teachers blisters? - Finding the right fit for an EdTech startup と題してプレゼンテーションを行った。その中で氏は,"フィットしない製品を使うことの苦痛" に付いて述べた。それは "適合性を充分に考慮していないテクノロジが教室に押し込まれる" ような事態のことだ。ではどうすれば,もっとフィットさせることができるのだろう?ひとつの方法は,本当のユーザの声を聞くことである。教育の場に参入しようとするスタートアップ企業にとしては,実際の教育者による真のフィードバックを手に入れる必要がある。もうひとつの選択肢は,教育向け製品の開発に必要なスキルを備えた人々を集めて,職能横断型のチームを結成することだ。いずれの方法をとるにせよ,ユーザのコミュニティ内で信頼を築き上げる必要がある。それがなければ,製品を本当の意味でユーザに利用してもらうことは難しいだろう。"関係性,結び付き,影響力を確立することは,製品を成功させる上で大きな要素なのです。"

教育は国際的なものだ。チャンスは世界の至るところにある。そして氏の言うように,"教育はクラスルームの中だけのものではない" のだ。 ただしこれらの大きなチャンスには,同時にいくつかの課題も伴う。教育工学に参入するスタートアップ企業には,教育市場に足場を作るためのニッチがどこにあるのか,見極めることが求められる。教育を目的とする技術的ソリューションには,拒否反応を示す教師もいるかも知れない。生徒用のテクノロジ機器に投資可能な資金に限りがあるため,学校側が "BYOD(Bring Your Own Device)" を進めていることも問題である。スタートアップ企業にとっては,複数のプラットフォームに対応可能なソリューションが求められることになるからだ。氏は3つのティップス,"正当な目的を持って参入せよ,長期戦に備えよ,教育に情熱を持て" を示して,プレゼンテーションの結論とした。

 

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