App.net(ADN)は一周年を迎えた。ADNはDalton Caldwell氏がTwitterのような体験を提供するために作った。しかし、ユーザは顧客であり、ユーザが作ったものではない。
Twitterはここ数年で絶大な人気を手に入れた。しかし、成長するにつれてサービスが無料のまま提供されるかどうかに疑問がもたれてきた。Twitter自体が無料でも、Googleのように広告というかたちで対価を払う必要がでてくるのではないか。
Twitterの広告に対するアプローチは非難を受けてきた。2011年3月、iOSクライアントアプリに'プロモーションパネル'が追加されたとき、#dickbarというハッシュタグが現れて、強く非難を受けた。このタグを作ったのはJohn Gruber氏だ。このパネルは3月の終わりには消えていた。
しかし、Twitterはユーザが作ったものをマネタイズすることについてポリシーを変えた。この変更の影響をはじめに受けたのはカスタムのTwitterクライアントだ。Twitterの成長の要因のひとつはカスタムクライアントがさまざまなプラットフォーム向けに開発されたからだ。しかし、Twitterがコントロールできるクライアントにユーザを送りこむため、そして、クライアントに広告を表示できるようにするため、クライアントの統制が始まった。現時点では、Twitterはまだカスタムクライアントを許しているが、最大ユーザ数は100,000に限られている。すでに多くのアプリケーションがこの上限に達している。新しいところでは、AndroidのFalcon Proだ。
このような変更が行われた結果、ADNを作るという構想が生まれた。広告ではなくサブスクリプションから収益を上げるという構想だ。年間35ドルをユーザからもらうことで、ユーザがユーザであり続けるTwitterverseの代替を作るのだ。
ADNは当初からクライアントの開発に対してオープンだ。実際、ADN自体でクライアントを作るよりも、サードパティによるクライアント開発を推奨している。代わりにADNはプラットフォームの成長に必要なAPIの開発に注力している。クライアントのディレクトリもあり、iPhoneやBlackberry向けのクライアントから、Mac、Windows、Linux向けのクライアントもある。また、Twitterとの違いは他にもある。Twitterのメッセージの上限は140文字だが、ADNは当初から256文字だ。さらに最近プライベートメッセージは2048文字になった。
また、Twitpicのような画像共有サービスも追加された。有償のアカウント毎に500Mバイト毎のストレージが用意され、DropboxのようなファイルAPIが提供される。クライアントアプリケーションはクライアント間でファイルを共有できる。このようなファイル共有はiPhoneのような制限されたプラットフォームではそのままでは実現できない。プライベートなファイルとパブリックなファイルがあり、メッセージを使ってファイルへのリンクを共有できる。
また、ADNは無償の制限付きアカウントも提供する。フォローできるユーザの数などが制限される。この無償アカウントによってユーザは倍増した。現在は日に5000のユーザが活動し、150,000アカウントが登録されている。日に500の新しいユーザが増え、10,000のメッセージが送られている。ほとんどがプライベートメッセージだ。
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