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Sencha「モバイルWebアプリケーションのパフォーマンスはさらに向上する」

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原文(投稿日:2013/08/23)へのリンク

Sencha(HTML5およびJavaScriptベースのモバイルアプリケーション向けSencha Touchフレームワークの開発会社)は、モバイルプラットフォーム上のWebベースアプリケーションのパフォーマンスに関する、いくつかのいわゆる通説についてコメントした。Senchaは特に以下の意見について述べている。

  • JavaScriptのパフォーマンスは、Webアプリケーションにおいて最も重要な要因である
  • JavaScriptのパフォーマンス向上は、ハードウェアの性能改善によってのみ実現する
  • 今後のハードウェアの性能改善は、Webアプリケーションのスピードには影響しないだろう
  • JavaScriptのガベージコレクションはパフォーマンス殺しである
  • モバイルWebブラウザは最適化の限界に達している

それらの意見を否定するために、Senchaは過去数年間にわたって収集したバラエティ豊かなベンチマーク結果を提供している。これらのベンチマークは、複数世代のハードウェア上で、iOSおよびAndroidの多様なバージョンの端末上で実行されたものである。

 

Senchaには、Sencha Touchの開発を通じて、JavaScriptが開発を妨げる最たる要因となった経験は一度もない。モバイル端末はデスクトップコンピュータよりも大幅に処理が遅いものの、モバイルアプリケーションは計算量が多くないことがほとんどであるため、JavaScriptのパフォーマンスは本質的な問題にならないのだ。

一方ベンチマーク結果は、過去数年間に渡ってJavaScriptのパフォーマンスが明らかに改善していることを示している。同じハードウェア(iPhone 3GS)上での、多くのOSをまたいだ計測結果(SunSpiderを使用)は、ブラウザソフトウェアの変更(iOS 3からiOS 6)が約4倍のパワーアップをもたらしていたことを示している。この傾向はiOSプラットフォームに限らず、Android端末においても見られる。同じソフトウェアを異なる世代の端末上で計測した場合も、ハードウェアのアップグレードに伴い、明確なスピードの増加を示している。

JavaScriptのベンチマーク解析に加えて、SenchaはDOM、SVG、そしてグラフィックパフォーマンスについてのいくつかの見解を示している。それは―Senchaによると―モバイルWebアプリケーションにとっては、JavaScript自体よりも重要である。
DOMの探索と操作の計測結果は、JavaScriptの計測結果と同じ傾向を示している。すなわち、ソフトウェアとハードウェアのアップグレードによる、重要な変化が起きている。ハードウェアのアップグレード(特にGPUアクセラレーション)もまた、グラフィックスとSVGの分野において、パフォーマンス向上の理由となるのだ。
GPUアクセラレーションを用いることで、Windows RTはデスクトップコンピュータさえ上回っている。そのため、ブラウザの開発者がGPUに処理を移し続けることで、iOSやAndroidプラットフォームにおいても同等の可能性があるはずである。

Senchaは一般的な問題として、JavaScriptの動的な性質とガベージコレクションのオーバーヘッドについて考察している。Senchaフレームワーク自体は、オブジェクトの生成と破棄が管理される概念的なレイヤーをブラウザ上に導入することにより、この問題に対処している。Senchaによると、そのようなレイヤーがないと、パフォーマンス上の問題に遭遇するかもしれないという。

この事実が示すことは、異なるOSプラットフォーム上のブラウザが、JavaScriptやDOMもしくはグラフィックといった特殊な領域において、それぞれ明確に優れているということである。そこには、ブラウザの最適化が限界に達しているということを信じる理由はない。言うまでもなく、モバイルWebアプリケーションのパフォーマンスをより良いものにする大幅なスピード改善の可能性が、各ブラウザにはまだ残されているのである。

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