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Telerik Platformを使ったWeb, ハイブリッド, ネイティブアプリの開発

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原文(投稿日:2014/02/06)へのリンク

先日ローンチされたTelerik Platformは,インタラクティブなUIのプロトタイプを直感的なドラッグ&ドロップインターフェースで開発可能なことに加えて,デザイナと開発者,アナリストの間のリアルタイムコラボレーションを促進する。さらに,アプリのコード内に設計仕様を直接エクスポートする機能も備えている。

Telerik PlatformはUIツールと,パワフルなクラウドサービスを備えている。Webアプリやネイティブアプリ,ハイブリッドアプリのビルドと管理,テスト,デプロイが可能だ。開発者はブラウザ,デスクトップ,Visual Studioのいずれでもアプリケーション開発を行うことができる。カスタムロジックを使用したバックエンドデータ管理や,専用のユーザ管理,認証,プッシュ通知などの機能に加えて,ユーザへの影響を未然に防ぐクラスプラットフォームのテストツールも備えている。

Telerik Platformを使用すれば,一般用および企業用のアプリストアへの公開も簡単に実現できる。iOSおよびAndroidアプリを,プロビジョニングの必要なく提供可能だ。使用状況や統計データを集計して,Webベースのレポートを警告付きで発行するメカニズムも組み込みで備えている。プラットフォームはiOS, Android, Windows Phone, Windows, Blackberryプラットフォームで動作し,.NET, JavaScript/HTML5, Java JSP, PHPなどの技術に適合する。

TelerikのプロダクトマーケティングマネージャであるGabe Sumner氏がInfoQとの独占インタビューに応じて,Web, ネイティブ,およびハイブリッド環境用に先日リリースされたこのプラットフォームに関する詳しい情報を提供してくれた。

InfoQ: Web,ハイブリッド,ネイティブプラットフォームの間のおもな相違点は何でしょうか?

Telerik PlatformはWebとハイブリッド,そしてネイティブアプリ開発をサポートする,エンドツーエンドかつモジュール型のソリューションです。各アプローチ用のUIフレームワークに加えて,プロジェクトのライフサイクル全般をサポートするクラウドサービスを備えることで,これを実現しています。Webアプリ用にはHTML5ベースの“レスポンシブ”UIを,ハイブリッドアプリにはHTML5ベースのモバイルUIとTelerik AppBuilderを,そしてネイティブアプリにはiOS, Android, Windows Phone, Windows 8用に本物のネイティブUI(各プラットフォームのマシン言語ベース)を用意しています。どのアプローチを選択した場合でも,Telerik Backend Service, Mobile Testing, Analyticsが利用可能です。

InfoQ: Telerik Platformを開発した実際の目的は,どのようなところにあるのでしょうか?

開発者がデバイスを問わず,素晴らしいエクスペリエンスを提供することを可能にしたいのです。モバイルデバイスの種類は急激に増えています。それがユーザがアプリを他のものと置き換えることの容易さに加えて,すべてのデバイスで動作する魅力的なエクスペリエンスの提供を不可欠なものにしています。しかし開発者にとっては,これは非常に煩雑な作業になります。しかもそれが開発プロセスのすべてのステージ(設計,構築,接続,テスト,配信,管理,測定)に及んでいるのです。過去数年間,Telerikはこの課題に対処すべく,自社の製品ポートフォリオを構築してきました。Telerik Platformのローンチは,魅力的なクロスプラットフォームアプリケーション・エクスペリエンスの開発,提供において開発者を支援する,当社の統合ソリューションを反映したものなのです。

InfoQ: 開発者にとって,どのようなメリットがあるのでしょう?

モバイルアプリを開発する開発者は,3つの開発アプローチの中から1つを選択するように強いられます – Webとハイブリッド,そしてネイティブです。いずれのアプローチにも長所と短所がありますから,どれが最適かはプロジェクトによって違います。Telerik Platformを使用すれば開発者は,アプローチの選択による制限の受け入れを強いられることなく,プロジェクトの必要に従ったアプローチを選択することができます。Telerik Platformは,プロジェクトに適した開発アプローチ(Web, ハイブリッド, ネイティブ)でモバイルアプリを提供可能にするのです。さらにTelerik Platformはモジュール構造を採用していますので,プラットフォームの必要な部分だけを使用して,既存のツールやインフラストラクチャに組み入れることができます。

InfoQ: Telerik Platformを使ったアプリケーションの開発は,どの程度簡単なのでしょうか?

Telerik Platformは開発者に合わせて,いくつかのプログラミング技術のレベルを想定しています。どういうことかと言うと,さまざまなテンプレートやサンプルプロジェクト,資料やチュートリアルを用意して,開発者の新たな開発環境への取り組みを支援しているのです。さらにビジュアル設計ツールも提供していますので,UIフレームワークを使用したアプリを,より視覚的な方法で開発することができます。とは言っても,当社のプラットフォームは開発者のためのものですから,コーディング経験が前提であることは理解して頂きたいと思います。

InfoQ: Telerik PlatformでWindowsアプリを開発することはできますか?

はい,UIフレームワークはWindows 8, WinForm, WPFに対応しています。Windowsアプリケーションに統合可能なクラウドサービス(バックエンドサービスやアナリティクスなど)はたくさんあります。Telerik Platformは(v1リリースでは)おもにモバイル開発を対象としていますが,Telerikの製品ポートフォリオを見れば,どのプラットフォームにも対応可能なツールやサービスが見つかるはずです。

InfoQ: Windows Phone 8のエミュレータは提供されているのでしょうか?

Windows 8のネイティブ開発を行っている開発者はVisual Studioを使用していることが多いのですが,それには独自のWindows Phoneエミュレータが付属しています。そのような開発者に対して私たちは,Windows PhoneフレームワークとしてTelerik UIを使用することを通じて,迅速な開発作業を提供します。ハイブリッド開発を行う開発者向けには,現在のTelerk AppBuilderにはiOSとAndroid用のシミュレータしかありません。ですが今年の第1ないし第2四半期には,Windows Phone用を加える予定でいます。

InfoQ: Iceniumと比較した場合,どのような違いがありますか?

Telerik Icenium(現在はTelerik AppBuilder)は,Telerik Platformのコンポーネントのひとつです。AppBuilderがハイブリッドアプリケーション開発のみに焦点を当てているのに対して,Telerik Platoformはバックエンド・サービスやモバイルテスト,アナリティクスに対応し,他の開発手法(Webとネイティブ)のUIフレームワークを提供します。 簡単に言うと,Telerik Platformが設計から提供まで,プロジェクト全体に対応しているのに対して,AppBuilderのような個々の製品は,それぞれがパズル全体のひとつのピースに相当する,ということなのです。

InfoQ: Visual Studio 2013からはどのように利用できるのでしょうか?

Telerik UIフレームワーク(Telerik Platformの一部)のほとんどの機能がVisual Studio内で利用できますし,Visual Studioのビジュアルデザインモードをサポートしています。またTelerik AppBuilderにはVisual Studioプラグインが用意されていて,多数のサービス(シミュレータ,ビルドサーバ,デプロイメントなど)がVisual Studioの作業環境から利用可能です。ただしその他のツール,例えばTelerik UI for iOSなどには,Visual Studioのサポートはありません。私たちは,各アプローチ独自の要件を理解するように努めているのです。例えばiOS用のネイティブ開発を行う開発者に必要なのはVisual Studioではなく,xCodeを使うことでしょう。当社のプラットフォームは”すべてのアプローチ”をサポートしますので,開発者それぞれの要望を取り入れたいと思っています。

InfoQ: Telerik Platformを使用すれば,コードをまったく書かなくてもアプリケーションの開発が可能なのですか?

そういったことも可能ですが,私たちが本当に目指しているユースケースではありません。今年の後半には,デザイナやその他のステークホルダ向けのプロトタイピングツールの公開を予定しています。ですが私たちの目標は,“ノーコード”アプリケーションソリューションとなることではないのです。実際に私たちは,そういった“クッキーの抜き型”のようなソリューションからは,魅力的なアプリケーションエクスペリエンスは生まれない,と強く信じています。すばらしいアプリケーションエクスペリエンスは,コードを理解する人々が作り出すものなのです。

InfoQ: InfoQで新しいプラットフォームをテストしたのですが,エミュレータはIEとFireFoxでは動作しませんでした。この理由について,何かご存じなことはありますか?

おそらくそれは,Telerk PlatformのコンポーネントのひとつであるTelerek AppBuilderを試されたのだろうと思います(AppBuilderはハイブリッド開発用のツール)。AppBuilderのブラウザベースのシミュレータが現在サポートしているのはChromeとSafariです。ですが,アプローチによっては,アプリケーションを実行してテストする方法が他にも複数あります。例えばAppBuilderでは,アプリケーションを物理的なデバイス上で実行することも可能です。それからネイティブ開発を行う開発者には,それぞれのエコシステムが提供する開発環境やエミュレータをサポートしています。

InfoQ: モバイルアプリは今後,どのようになると思いますか?

今後数年間については,一般的な認識としてユーザには選択肢 ... たくさんの選択肢が存在するだろう,と考えています。これまで,テクノロジの選択はIT部門の指示で決められるのが普通だった企業の中でさえ,日々の作業に個人的なサービスやデバイスを使用する権限がユーザに与えられてきています。粗末なエクスペリエンスではユーザは他のソリューションに移ってしまいます。UIが戦略的な課題になるのも時間の問題です。今日の私たちはすでに,“銀の弾丸”的なモバイルアプリ開発ソリューションが絵空事であることを理解しています。いわゆる“クッキーの抜き型”ソリューションで生み出されたアプリでは,はすぐれたエクスペリエンスを得ることはできないのです – 開発者にも,ユーザにとっても,です。これから数年でこういったソリューションは放棄されて,開発上の選択肢を備えたアダプティブプラットフォームが支持されるようになるでしょう。

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