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Bob Marshall氏に聞く - “反物質の原則”について

| 作者: Ben Linders フォローする 20 人のフォロワー , 翻訳者 吉田 英人 フォローする 0 人のフォロワー 投稿日 2014年6月4日. 推定読書時間: 4 分 |

原文(投稿日:2014/05/22)へのリンク

ソフトウェア開発は知的共同作業として見ることができる。このような見地に立てば組織,あるいは組織に従事する人々を管理する方法もおのずと違ってくる。Bob Marshall氏は"think different"というブログを運営して,知識労働の世界を変えるためのアイデアを発表し続けている。

氏は先日,"反物質(Antimatter)の原則"に関するブログ記事をいくつか公開した。InfoQではこの原則と,原則の適用で人々の要求に応えた実例について氏にインタビューした。

InfoQ:"反物質の原則"をInfoQの読者に説明して頂けますか?

Bob: 一言でいうなら,すべての人々が可能性を感じて進んでベストを尽くす,そういった作業環境の構築に関するものです。人は本来,数千年という進化の過程を通じて,互いに助け合うように結ばれています。私たちが人間としてできる最高の喜びは,お互いの求めに応じ合うことなのです。

InfoQ: 人々の要求に応える,という原則なのですね。それは素晴らしいことだと思いますが,なぜそうしないことが多いのでしょう?

Bob: 私たちは8,000年間の歴史の大部分を,Walter Winkの言う"支配システム(Domination System)"の中で過ごしてきました。理由はさまざまですが,このシステムが "救いの暴力の神話(Myth of Redemptive Violence)"を信じるように私たちに教え,訓練してきました – すなわち,暴力が自然であり,私たちの望みを叶えるための効果的な方法だと信じさせてきたのです。多くの人々が日々苛まれている,非人間的な,あるいは人間性を否定するような作業環境の根本にあるのが,このシステムなのです。さらに言えば,職場は"気持ちや感情,個人的な要求の場ではない",という考え方も根底にあります。

InfoQ: "人々の要求"は多種多様だと思います。要求が何であるかを見つけるにはどうすればよいのか,何かアドバイスはありますか?

Bob: 一番簡単な方法は,直接訊ねることです。これは関連する人すべてに対して,生産的かつ専門的な会話を促進することにもなります。非暴力コミュニケーション(Nonviolent Communication, Rosenbergによる)は十分な実績を持った方法のひとつですが,それ以外にもあります。いくつか挙げるならば,Chris Argyris,Virginia Satir,Kerry Patterson,Bill Noonan,,William Isaacs,David Bohmといった人たちの研究成果を参照してください。

ほとんどの人たちに共通する要求ならば,例えば休息,運動,健康的な食事,学習と成長,楽しさ,創造,目標,交際,誠実,共感,支援,意義,貢献など ...

もっと完全なリストがこちらにあります - "Center for non violent communication – needs inventory"

InfoQ: この原則に"反物質"という用語を使ったのはなぜですか?

Bob: "反物質ルール(Antimatter Rule)"を拡張したからです。それ自体は"プラチナ・ルール" (さらにその前は"ゴールデン・ルール")の拡張版です。プラチナより価値の高いものは何か,と自分自身で考えました。高価な元素はいくつかありますが,反物質はグラムあたり約17兆ドルと飛び抜けて高価な上に,一覧表の中でも特別な存在でした。さらに,存在する燃料の中で最大のエネルギ密度を持っていて,NASAが深宇宙ミッションの動力源として使用を検討しているのです。(詳しくは"the antimatter principle – the metaphor"を参照してください)

InfoQ: この原則を適用することで,どのような価値を得ることができるのでしょう? それを使う理由は何ですか?

Bob: 知的共同作業を積極的に支援する作業環境を作り出す時点で,すでに多くの利点があります。それよりもはるかに多い,人々の生活や創造性を損なうような環境とは対照的なものですから。それと同時に,その方向でさらに進展するためには,私たちが人々や心理学をもっと理解した上で,新たな知識を積極的に適用する必要があるのではないか,とも思うのです。私たちは何をすべきか,それをひとつのシンプルな文章にまとめ上げたものが反物質の原則なのです。"人々の要求に応える",シンプル過ぎると思うかも知れません。ですが,それこそが力なのです。この原則を組織の中心に置くことで私たちは,人が重視され,楽しい作業環境が当然であり,人々の自然な才能や熱意を無駄にすることの少ない世界を構築することができました。

InfoQ: 先日の"core practices for the antimatter principle"というブログ記事では,"反物質の原則"の採用と合わせて,実践経験を公開するように求めていましたね。読者の反応はありましたか? 実践経験の公開に応じることはまだ可能でしょうか?

Bob:はい,すでに数人から受け取っています。これから貢献して頂ける方も大歓迎です。実践例の少ないことが,反応が少ない理由のひとつではないかと思っています。一般的に,人々の要求を認識することが知的共同作業を成功させる上で重要である,という認識が低いのでしょう。20年のキャリアの大部分でこの原則を採用してきましたから,もちろん私自身にも実践経験があります。私自身の経験については,引き続きブログに書いています – http://flowchainsensei.wordpress.com

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