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アジャイルにマネージャと職務階級は必要か?

| 作者: Ben Linders フォローする 28 人のフォロワー , 翻訳者 吉田 英人 フォローする 0 人のフォロワー 投稿日 2014年6月5日. 推定読書時間: 5 分 |

原文(投稿日:2014/05/29)へのリンク

アジャイルを採用している組織は職務階級を廃止すべきだ,マネージャを一掃すべきだ,といった意見をしばしば耳にする。マネージャや職務階級の存在がチームの自己組織化を阻害する考えられているのだ。

Steve Denning氏がForbesに寄稿した”No Managers? No Hierarchy? No Way!”には,組織をサポートするマネージメントから,よりアジャイルな存在としてのマネージメントへのパラダイムシフトが取り上げられている。コラボレーション型組織やネットワーク型組織においても,マネージャが必要な存在であることに変わりはない,と氏は説明する。

作業を自己管理するネットワーク型組織においてもマネージャは存在します。そこでのマネージャは各人の管理者というよりも,むしろ自己管理型チームとネットワークを実現するものとして存在します。このような組織であっても誰かが小切手にサインしなければなりませんし,組織の代表として法的書類にサインしなければなりません。組織が行ったことに対しては,誰かが法的責任を持ちます。その「誰か」がマネージャなのです。結局マネージャとは単に,仕事の結果に責任を持つべき者なのです。組織が何かを行うのならば,マネージャがいなければなりません。

職階やマネージャをなくしても問題は解決しない,そう求めても実は問題を悪化させるだけだ,と氏は言う。

それでも"マネージャは不要!"あるいは"管理層は不要!"と叫ぶ同僚を見れば,彼らの意図は理解できます。彼らが求めているのは,マネージメントの傲慢な態度,官僚主義の蔓延するビジネスプロセス,ユーザを無視した内向きな態度といった,私たちが終わってほしいと思う – そうなることが必要な – ものが,すべて終わることなのです。

それでも"マネージャ不要!"ないし"管理層不要!"というようなフレーズは,(...) 最悪の結果をもたらしかねません。組織を運営する人たちとの会話の中でこのようなフレーズを使えば,聞き手に対してある種の狂人のような印象を与えるかも知れません。有意義なコミュニケーションに急ブレーキの掛かる結果になることが少なくないのです。

"Endangered Species? Management’s new prime directive"というブログ記事ではJeff Sutherland氏が,アジャイルを採用する場合にはマネージャの役割を変える必要がある,と説明している。

マネージャの最大の使命は管理ではありません。ビジョンを中心としてメンバを支援し,行動を促し,動機付けし,導くことです。別の言い方をすれば,技術企業の成長に必要なのはリーダであってマネージャではないのです。

マネージメント階層を変更しないことはスクラムが機能しない最大の原因だ,と氏は言う。

多くの企業が,"マネージャの支援がなくてもスクラムが魔法のように機能するものと期待する"過ちを犯している,と説明しています。チームへの指示だけで立ち去るのではなく,マネージャは積極的なガイドとして,チームが挑戦する目標を指し示さなくてはなりません。目標を明確に伝えることができたならば,次にマネージャは投資家と同じような役割を担う必要があります。目標を達成するために何が必要かを見つけ出し,それらの要素を提供できるように作業したならば,それ以上は関与しないようにするのです。

氏によれば,アジャイルを採用する組織のマネージャは,リーダ,コーチ,そしてモチベータになることが求められる。

"彼らは仕事の指示を毎日されたり,マイクロマネージされたり,パフォーマンス測定をされなければならないような,モチベーションを失なった人たちではありません。今日の複雑化した環境において真に成功するには,マネージメントのビジネスに対する考え方を変えなくてはならないと思います。"

Olga Kouzina氏はブログ記事"why self-organization is a luxury"を書いた。その中で氏は,職務階級とマネージャによる旧態依然とした組織管理方法と,フラットな組織を使うアジャイルアプローチとの対比を視覚化するために,振り子のメタファを使っている。

ある時点での私は,アジャイルムーブメントと自己組織化がチームにとって本当に必要なものだと思っていました。しかしその後,全体像が現実のものとして見え始めると,自己組織化やアジャイル憲章で述べられているような価値は普遍的な法則ではない,という兆候が現れたのです。むしろそれらは振り子の頂点を示しているのです。自己組織化あるいは対面型のコミュニケーションが,すべての企業において最高の生産性を生み出すという普遍的な証拠はありません。

氏の言うように,自己組織化によってプロジェクトの期日遵守が保証される訳ではない。

ソフトウェア職人は幸いです。自分たちのペースでリリースできる贅沢を持つチームは幸いです。この深い愛情の中で,この完璧な作品を作り上げたのですから。しかしながら,私たちの生きる世界は制約で満ちています。もっと素晴らしいソフトウェアを作り出したいと願うピザサイズの職人チームは,チームをより大きくしたいと考えます。それには多くの働き手が必要ですし,内部や外部の利害関係者との調整が必要です。かくしてクラフトマンシップの高貴な城は,納期の遵守と販売目標達成を願う商人たちによって侵略されることになるのです。

氏によれば,チームを管理しリードする方法は,職務階級と自己組織化との振り子のどの位置にチームがいるのか,プロジェクトを予定通り完了するためのニーズは何か,などによって異なる。

アジャイルと階級的管理をバランスよく組み合わせる方法はまだ開発されていません。これは非常に重要なチーム運営方法であり,それには鋭利な刃物のような強靭さ,何から何まで対象にする注意力,どの問題に誰がいつ対処すべきかという知識と決定に関する洞察力,そして意思決定者と実行者それぞれの生産的フローをどこまで尊重するかという線引きが必要です。大変な熟考と困難な選択を伴う,この問題を議論するために,7人で5回のミーティングを行う余裕はありますか? それだけの価値があるのでしょうか? すべての人たちが納得して,どの問題に対しても同じ視点を持つことは,生産性のために本当に重要なのでしょうか? スキルや個々の能力を最大限に利用することで彼らを活用し,新たなことを学んでもらうにはどうすればよいのでしょう?

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