Motorola RhoMobile 5.0は新しいライセンスモデル,最新バージョンのiOSとAndroidのサポート,新たに改良されたクラウドサービス - ビルド,同期,プッシュ通知,Zebra Printingのサポートを備えている。
新機能の詳細なリストには,次のものが含まれる。
- デバイスではなく,開発者を対象としたライセンス。
- クラウドサービスのブランドがrhomobile.comに変更された。
- RhoMobileSuite 4.xのビルドをクラウドで実行可能。
- Android KitKatをサポート。
- MC32N0 CE7.0をサポート。
- AudioCapture用の新API。
- ビルド,ランタイム,スタートアップのパフォーマンス向上。
- バグ修正。
RhoMobileはWeb技術とRubyを使用して,ネイティブなクロスプラットフォーム・モバイルアプリケーションの開発サポートを提供するソフトウェアだ。MVCパターンを基本に,ORMをサポートする。我々はMotorola Solutionsのエンタープライズソフトウェア担当シニアディレクタであるMark Kirstein氏に,同社のソリューションがどのように機能するのか,その詳細を知るためにいくつか質問をした。
InfoQ: RhoMobileは"Write Once, Run Anywhere"をどのように実現しているのでしょう? HTMLやJavaScript,あるいはRubyで記述されたプロジェクトから,どのようにマルチプラットフォームのネイティブバイナリを生成しているのですか? プラットフォーム毎のネイティブな外観は,どうやって実現しているのでしょう?
MK: Rubyコードはバイトコードにコンパイルした上で,エグゼキュータ内で実行します。アプリケーションは,ネットワーク接続がなくてもオフラインで実行可能な,ネイティブなスタンドアロンアプリケーションとして構築されます。UIのレンダリングにブラウザを利用しているので,HTML UIになりますが,HTMLのスキンとしてオープンソースの標準的なUIスタイリングライブラリを使用して,ネイティブなルック・アンド・フィールを提供しています。ネイティブなUIエクステンションの開発を選択することも可能です。
InfoQ: MVCのコントローラ部分はRubyで実装されていますが,Rubyは必須ですか? Rubyなしでモバイルアプリケーションを作成することは可能でしょうか (MVCを使用しなければ可能だとは思いますが)?
MK: そのとおりです。現時点では,MVCとORMパターンを利用するために,Rubyを使用しています。 ただしRubyは必須ではありません。Rubyを使わずに,すべてをJSで行うことは可能です。その場合は,機能の少ないPhoneGapアプリケーションのようになります。今後のリリースでは,MVCとORMにJSのサポートを加えていく予定です。
Motorola RhoMobileは,企業およびカジュアルユーザ用のクロスプラットフォームなモバイルアプリを開発するための,開発ツールのスイートだ。2011年にMotorolaが買収したRhoMobileは,出発当初からオープンソースプロジェクトだった。スイートには次のものが含まれている。
- Studio - iOS, Android, Windows Phone, Windows 8, Window CEアプリケーションをMac OS Xまたは Windows上で開発する,Eclipseベースのツール。シミュレータ,コードインスペクタ,プロファイラを含み,リモートデバッグをサポートする。
- Rhodes – コンシューマアプリ用のクロスプラットフォームフレームワーク。
- RhoElements – バーコード読み込みや自動データ暗号化など,企業向け機能をRhodesに加えたもの。
- RhoConnect – バックエンドデータサービスとの統合をサポートする。
- RhoHub – クラウドでアプリケーションの構築,デプロイを行うためのホスティングサービス。
- RhoGallery – 企業向けにホストされるアプリケーションストア。 AppleのApp StoreやGoogle Play,Windows Storeにアプリをデプロイすることも可能だ。
StudioとRhodesはオープンソースで無償だが,その他は開発者単位の価格が付けられている。Microsoftの開発ツールチェーンに習熟した開発者のために,有償版にはVisual Studioプラグインが含まれる。