Management 3.0は,アジャイルチームあるいは組織をリードし,管理し,成長させるためのアプローチだ。Arne Ahlander氏 – Aqqurite ABの創設者でCST, プリンシパルコンサルタント – はRegional Scrum Gathering India 2014で,最新の管理概念を用いてスクラムを強化する方法についてセッションを行った。氏のセッションは,マネジメントによるスクラム導入サポートの良い例と悪い例に関する議論から始まった。参加者は小グループに分かれて,マネジメントの良い例と悪い例を書き出すように指示を受けた。全員が自身のスクラム実践経験に基づいて,現在のシナリオや直面する課題,マネジメントによるサポートについて議論を行った。
Management 3.0では,アジャイルリーダやマネージャの次のような特徴に重きを置いている。
- 能力を開発する: マネージャはチームメンバが目標を達成するための能力開発を支援しなければならない。困難な課題に取り組む機会を提供することが,社員の能力レベルの向上に役立つ。
- 構造を拡大する: チームメンバ内のコミュニケーションやコラボレーションを向上するための構造を作り上げる。
- すべてを向上する: メンバ,チーム,組織は継続的に改善し,失敗の回避に注力する必要がある。継続的な改善。
- 精力的にする: マネージャはメンバのモチベーション向上を支援して,彼らが創造的かつ活動的であることを評価するべきだ。
- チームに権限を与える: マネジメントはチームの自己組織化をサポートし,意思決定を行う権限を与える。
- 制約を整える: 自己組織化のためには,システム内部が境界によって囲まれている必要がある。境界を置くことが,自己組織化を価値へと向かわせる。
上記6つの視点に基づいて,参加者たちは,それらをどのようにスクラムに適用するか,それらの視点を適用する上で最も適した役割は何か,マネージメントはそれをどのように使用できるのか,といったことを議論した。
その後,これらの視点に基づいて3つのシナリオを議論した。
- スクラムを初めて行う,新しいチーム
- スクラムを初めて行う,成熟したチーム
- 1年にわたってスクラムの実践に取り組んできた,成熟したチーム
Management 3.0のリーダシップスキルは,スクラムの導入に有効である。 チームが自己組織化し,適切な構造を獲得するには,マネージメントの支援が必要だ。
Management 3.0については,Happy MellyのCEOであるJurgen Appelo氏の書いた "Management 3.0: Leading Agile Developers, Developing Agile Leaders" に詳しい。