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GOTO Berlin: クラウドネイティブとは

原文(投稿日:2014/11/09)へのリンク

クラウド技術は多くの新しい可能性を備え,新しい考え方を可能にする,重要な,まさに待望のテクノロジだ - Peter van Hardenberg氏はGOTO Berlin Conferenceで行ったプレゼンテーションで,その将来を見据えながら,このように述べた。

PaaS(Platform as a Service)企業のHerokuに籍を置く氏は,クラウドとIaaS(Infrastructure as a Service)を導入する初期の段階の様子を,次のように説明する – まず,どのようなサーバを採用するかを決めて,リリースプロセスをデザインし,容量計画を行い,ロードバランサをセットアップする。このすべての作業をアプリケーション毎に行うのは,経験の深さにもよるが,大きな負担となる。一日に何度も行うことはないだろう。このシナリオにおいて負担を軽減する最善の方法は,稼働するアプリケーション数を最小限にすることだ。これに対して,PaaSを採用した抽象的なシステムでは,アプリケーションの管理を委任することによる大幅な負担軽減のモデルが存在する,と氏は主張している。

氏はここで,コストをほぼゼロまで削減することがどのような結果を持ち得るのか,という疑問を提起する。退屈で時間を浪費する,あるいはコストなどの面で高価なタスクの大幅な削減が実現されたとき,そこにはどのような新たな可能性が開けるのだろう,と。アプリケーションの開発と運用のコストを削減する場合には,マイクロサービスがひとつの選択肢になる,と氏は考える。アプリケーション単位のオーバーヘッド最小化とコスト抑制を両立しつつ,協調動作する多数のサービスを最初から利用可能になる。これは氏が言う,クラウドネイティブな考え方の一例だ。

氏が例として挙げるのは,実運用環境でマイクロサービスのステージングバージョンをテストし,トラフィックの一定量をそちらへ送る,というものだ。従来の環境では非常に難しい要求だが,PaaS環境ならば難なく達成することができる。氏はこれを,アプリケーションの開発とデプロイ,オペレーションの経済性が,新たなフィールドを切り開いてきたことを示す一例だとしている。

新たな考え方のもうひとつの例は,ステートレスなデータベース,すなわちデータをストアせず,瞬間的に生成可能なデータベースである。用途のひとつはテストを実行する場合だ。テストの実行時には常に,前回のテストの結果を残さない,空のデータベースが瞬時に用意される。同じ手法を実行できないデータベースであれば,プロビジョニングに数分を要する処理が,これであれば1秒で済んでしまうのだ。

IaaS環境のサーバにログインして問題を探すたびに,インフラストラクチャサービスの使い方に問題が見つかるだろう,と氏はいう。このような問題を解決するには,そのサーバを破棄して,新たに入手することだ。サーバの増分コストは非常に低いので,最初からシステムをデザインしてサーバを管理するよりも,サーバファクトリをデザインしておいて,サーバ故障時には単に置き換えるようにするとよい。氏にとってこれは,もうひとつのクラウドネイティブな思考法なのだ。

InfoQは今年初めにも,PaaSに何が起きているのかを問う記事を紹介している。

GOTO Berlin Conference 2014は,ベルリンで行われる2回目の{0}GOTOカンファレンス{/0}である。550人が参加し,80人が講演を行う。

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