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アジャイルのスケールアップを支援する学習文化の実現

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原文(投稿日:2015/01/22)へのリンク

アジャイルをスケールアップしたいのならば,“企業全体としての物事の進め方や考え方,文化”としてアジャイルを理解する必要がある,とChristoph Mathis氏は言う。アジャイルのスケールアップには,学習組織を実現するための,文化の変革が必要なのだ。

アジャイルフレームワークや,その展開の経験についてプレゼンテーションを行うScaling Agile for the Enterprise 2015会議で,Christoph Mathis氏は,リーン/アジャイル転換と学習文化の実現について講演した。

InfoQは氏にインタビューして,アジャイルをスケールアップする組織が直面するハードルは何か,それにはどのように対処すればよいのか,さらには,アジャイルのスケールアップをサポートする学習文化の実現方法や,企業文化を変革するためのアドバイスを聞いた。

InfoQ:アジャイルのスケールアップを検討している組織にとって,最大のハードルは何だと思われますか?

Christoph: ひとつのチーム,あるいは少数のチームでアジャイルプラクティスを使用するのは,実は簡単なことなのです。自分たちのビジネスの事さえ考えればよいのですから。それに,たいていの組織では,目立たずに活動することが可能ですので,その中である程度の生産性向上が達成できれば,それで十分なのです。

これは必ずしも,チームの活動に誰も気付いていないという意味ではありません。ですが,多くの場合,その本当の可能性は見えていないのです。マネジメントにとってアジャイルは,“ITの連中が何かやっている”程度の意識しかありません。アジャイルの持つプラスの影響を自分たちが妨げていることや,それによってどれ程のメリットを失っているかといったことについては,まったく気付いていないのです。

アジャイルをスケールアップしようとする時には,このような“アドバンテージ”はありません。本来の方法,すなわち,アジャイルとは物事のやり方や考え方であり,企業全体の文化である,ということの理解が必要になるのです。

中途半端に終わるアジャイル導入の大部分は,このような文化的シフトに対する理解の欠如が原因なのではないでしょうか。

InfoQ: そういった問題に対処してアジャイルを効果的にスケールアップするには,どのようにすればよいのでしょう?

Christoph: まず最初に,なぜスケールアップが必要なのか,その理由を考えなくてはなりません。製品をシンプルにすることでスケールアップを不要にする,という選択肢もあります。ハンドオーバを回避して,コードベースをクリーンアップするのです。複雑な部分を見付けたら取り除きます。それで十分な場合もあるのです。そうではなくて,本質的な複雑性が明らかだったとしても,スケルアップの必要性はずっと低くなるはずですし,ビジネスや技術的基盤,組織といったものも,以前より明確になるでしょう。

次に必要なのは,大規模開発によるメリットを享受するための,アジャイルプラクティスのしっかりした基盤を築くことです。

スケールアップには,原則をより深く理解する,バリューストリームをより完全に浸透させる,より複雑な製品を提供する,など複数の方向があります。より多くの人々を組織化が必要だという結果は,これらの要因の結果であって,氷山の一角に過ぎないのです。

つまり,こういうことです – 文化的シフトの必要性を理解し,会社全体を視野において,スケールアップの前に目前の混乱を取り除いてください。

InfoQ: “アジャイルをスケールアップするというのは,文化を変革して,学習組織を達成するということだ”,という話題がありましたが,“学習文化”とは,どのようなものだと思われますか?

Christoph: 一般的な西部スタイル(デトロイトスタイル)の産業環境を見れば,そこで主流となっているプロセスと,そのプロセスのサポートし維持するためのリソース管理とが理解できると思います。リソースは交換可能です。このプロセスに従事する人々もリソースの一部です。ですが,このような考え方は限界にますます近づいている上,知能労働ではまったくの機能不全に陥ります。全体的な成功のためには,継続的な改善と学習が必要なのです。

人々をリソース扱いすることを続けていれば,彼らの組織学習に貢献する機会と意欲が失われます。この経験をサポートするための数多くのエクスペリエンスが,リーン/アジャイルコミュニティには蓄積されています。

学習文化とは,人々が互いを信頼し,尊敬し,適度な自主性と建設的な協力関係を維持することの可能な環境です。このためのモデルないし理論を探すのであれば,Peter Senge氏の“Fifth Discipline”と,Takeuchi,Nonaka両氏の“場”/SECI学習モデルが参考になるでしょう。いずれも学習とチームワークとの強い結び付きを提唱するもので,アジャイルチームのアイデアにもよく一致します。

InfoQ: アジャイルをスケールアップする上で,学習文化はどのように有効なのでしょう?

Christoph: ある意味で私は,アジャイルと学習組織,効率的知識労働の3つを,ほとんど同じ意味で使っています。

アジャイルをチームのレベル– これは非常にうまく行きます –から多人数組織にスケールアップするには,強固な基盤が存在すること,そこでの成果を維持すること,この2つを確実にしなければなりません。

先ほど言ったように,凡庸なアジャイルの実施では,その潜在能力を引き出すことはできません(多くの場合,被害を起こします)。それをスケールアップしたところで,何も得るものはないのです。

InfoQ: 学習文化を実現した組織の例をご存知ですか?どうやってそれを達成したのでしょう?

Christoph: ユーザの中には,素晴らしい例もあります。それらに共通するのは,人々を信頼し,多くの決断を委譲することのできるマネジメントが存在することです。

InfoQ: 文化を変えるのは難しいと思いますが,学習組織を目指してそれに取り組んでいる組織に対して,何かアドバイスすることはありますか?

Christoph: あなたのようなリーダの立場であれば,自分自身の行動や態度を見つめ直すことです。

アジャイルを始めたければ,全員参加の下で野心的な目標を立ててください。小さな部分からすぐに始めて,新たに得た体験に絶えず合わせていくのです。

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