Dockerコンテナを動かす最小限のLinuxベースOS、RancherOSが Rancher LabのCTO、Darren Shepherd氏により発表された。Boot2Docker(別の軽量Docker向けディストリビューション)があからさまにプロダクションで使わないよう勧めているのとは対照的に、RancherOSはプロダクションレディでスケールレディだと主張している。
RancherOSとBoot2Dockerは同じようなbootstrapの仕組みに依存しており、Linux Kernel(実行を制御する)と合わせて約20MBの一時的なルートファイルシステム(ramdisk)を最初にメモリにロードする。これにより、OSのバイナリサイズを20MB少しに抑え、ブート時間を最小限(5秒以下)まで削減する。そして、ユーザがホスト上で実行したいアプリケーションが何であれ、それに必要とされる依存関係の選択をDockerコンテナに任せることを可能する。
RancherOSはKernel上に即座にDockerコンテナを実行するよう設計されており、これらのコンテナがコアとなるLinuxサービスをユーザに提供する。これらのサービスは(システム)コンテナ内で実行される。ユーザは自分のDocker(ユーザレベル)コンテナを任意のLinuxディストリビューションで作ることができる。システムとユーザレベルのコンテナを隔離するために、2つのDockerデーモンが必要になる("system docker" はkernelによって起動される最初のプロセスで、"user docker" は "system docker" が作った特別なシステムサービスコンテナで実行される。)
Rancherは、彼らのOSはプロダクション環境で使えると主張している。最新のDockerの機能とバグ修正(通常のLinuxディストリビューションで数ヶ月かかるプロセス)に追従し、Dockerと競合を引き起こすおそれのあるsystemdのようなinitシステムを不要にし、最小限のコードベースとOSで動作するシステムサービスによってセキュリティを高めているためだ。
RancherOSはVagrantを使った、あるいはハイパーバイザ(QEMU、VirtualBox、VMware)によって直接提供される仮想マシンで動かすことができ、事前ビルドされたAMIが複数のAWSリージョンで利用可能になっている。