AXELOSは2015年6月,PRINCE2 Agileをローンチする。PRINCE2の明確に定義されたフレームワークを持ち,アジャイルの柔軟性と応答性を兼ね備えた,完全なプロジェクト管理ソリューションだ。
PRINCE2 Agileは,世界で最も認められたプロジェクト管理メソッドであるPRINCE2を活用しながらも,それをアジャイルに適用するための更なるガイダンスが必要だ。先進的な考えを持った企業や個人を対象とした,新しい拡張モジュールです。
BBSNexus Global IncシニアパートナのLarry Cooper氏は,自身の最近のブログの中で,AXELOSはPRINCE2 Agileを開発するため,既存のアジャイル関連プラクティスやメソッドの批判的評価と修正に着手したのだ,と書いている。
アジャイルをPRINCE2のプロセスとテーマに組み合わせることは,PRINCE2とアジャイル双方の実践者にとって,すべてを受け入れるという大きな課題を突き付けることになります。アジャイルに鈍重なプロセスが加わっただけだ,と思う人も多いでしょう。しかしながら,PRINCE2 Agileが2つのコミュニティに何を提供するのかを理解できれば,彼らも最初の懐疑主義を克服して,PRINCE2 AgileがPRINCEとアジャイルにもたらす価値を認識してくれるでしょう。
氏は,PRINCEアプローチとアジャイルプロジェクトについて,前者がビジネスケースを充足するために必要なプロダクト決定を支援する一方で,一般的なアジャイルプロジェクトは単一のプロダクトに注目し,その順調な開発に重点を置いている,と述説明している。PRINCE2 Agileはこの両方の観点を兼ね備えることで,要件の見落としを防ぎながら,成果の獲得にアジャイルを活用するのだ。
PRINCE2 Agileには,実践者が目指すアジリティへの道程を計測するツールも含まれている。現実のプロジェクトを運用しながら,アジャイル思考の適用までの長さを示してくれるものだ,と氏は説明している。
PRINCE2 Agileのメリットとして,AXELOSは次のものを挙げている。
- プロジェクトとプロジェクトマネージャが,管理とデリバリの両方に集中できる
- 正確な要件に対して作業をスケーリングできる
- 確立されたすべてのアジャイルアプローチに対応する
- 企業との親和性のよい共同作業型のプログラムである
この新製品がアジャイル実践者とPRINCE2実践者の両方から,熱狂的な支持を受けることは間違いないでしょう。しかしながら,2つのアプローチの組み合わせで得られる本当のメリット,それは私たちが,より開かれた心を持つことにあるのです。
AXELOSでは,PRINCE2 Agileのトレーニングと認定プログラムのローンチを計画している。最初のコースは2015年6月中旬に実施される予定だ。同社FAQによると,この認定はPRINCE2実践者のアジャイル環境での作業サポートを目的とするもので,PRINCE2の事前知識が要件となっている。従ってこの新認定を取得するには,PRINCE2実践者認定の取得が必要であることになり,PRINCE2実践者にとっては,拡張ユニットという位置付けの印象が極めて強い。コースは3日間で実行され,3日目の最後に試験が行われる。