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Gene Kim氏に聞く - DevOps Enterpriseカンファレンス

| 作者: João Miranda フォローする 2 人のフォロワー , 翻訳者 吉田 英人 フォローする 0 人のフォロワー 投稿日 2015年11月3日. 推定読書時間: 8 分 |

原文(投稿日:2015/10/02)へのリンク

企業のDevOps採用にフォーカスしたDevOps Enterpriseカンファレンスが,サンフランシスコで10月19日から21日にかけて開催される。この3日間のカンファレンスは,DevOpsコミュニティとしては珍しく,講演者がバンクオブアメリカやING,Target,GMといった超大企業の上級職で占められている。草の根的なdevopsdaysカンファレンスとは趣を大きく異にするのが,このカンファレンスの特徴だ。

InfoQは主催者のひとりであるGene Kim氏にインタビューして,今回のカンファレンスについて詳しく聞いた。

InfoQ: DevOps Enterprise Summitの目的とするところは何でしょう?

Gene Kim: DevOps Enterprise Summitの目的は,DevOpsの実践的なコミュニティを作り上げて,実践者たちが体験的に学んだものを共有する場を提供することにあります。3日間に渡るカンファレンスでは,14の基調セッションと36のセッションがいくつかのトラックで並行して開催されます。

 

私自身,昨年のDevOps Enterprise Summit 2014ほど,3日間という短い間で多くのことを学んだ経験はありませんでした。私の知る限り最も勇敢で,刺激的な移行事例がいくつも紹介されていました。今年のカンファレンスにも,それ以上の期待をせずにはいられません。

 

DevOps Enterprise Summit 2015は,昨年のカンファレンスを通じて明らかになった,極めて重要な疑問に基づいて構成されています。参加者の期待を上回る講演者たちが,アジャイルへの移行と促進に関する物語の新たな章を語り,エキサイティングで新しいトップエキスパートやケーススタディ,実践を主体としたの研究の成果が紹介されることでしょう。

InfoQ: 昨年の参加者は,カンファレンスからどのようなことを学んだのでしょう?

Gene Kim: 昨年のイベントの成果として,多数の大規模組織がDevOpsプラクティスを採用可能な状況を確立することができました。

 

私たちはイベントを通じて,今後の活動を行う上で最大の障害が何であるかを知りたいと思っていたのです。講演者たちはステージから,自らの苦労を公開してくれました。カンファレンス後の調査では参加者が,企業に戻った後の最大の課題について語ってくれています。

 

その中から次のような重要な疑問が,何回も浮かび上がってきたのです。

 

  1. レガシ環境でDevOpsプラクティスを導入するにはどうすればよいのか?

  2. 技術組織において,大規模な文化転換を実現するにはどうすればよいのか?

  3. 組織の設計,役割,責任に関するベストアプローチとは何か?

  4. DevOps活動にセキュリティとコンプライアンスを統合するにはどうすればよいのか?

  5. DevOps導入によるパフォーマンス改善を測定する,最もよい方法は何か?

 

Adrian Cockcroft (Battery Ventures), Dominica DeGrandis (LeanKit), Cornelia Davis (Pivotal), Damon Edwards (DTO Solutions), Anders Wallgren (Electric Cloud), John Willis (Docker)各氏に,アドバイスメンバとしてJez Humble氏を加えたプログラム委員会では,これら5つの疑問を,プログラム上の判断すべてに対するガイドとして採用しています。

InfoQ: 昨年のDevOps Enterpriseへの参加者が今年も参加することで,どのようなメリットがあるのでしょうか?

Gene Kim: DevOps Enterpriseコミュニティにおける課題克服を支援するた上で私たちは今回,この5つの疑問に回答を出すべく,トップレベルの専門家とケーススタディ,実践者志向のリサーチを集めています。これらの疑問に答えることによって,DevOpsの採用を促進し,活動を成功させることが可能になると考えるからです。

 

レガシ環境に関する難しい問題に対しては,100年以上の歴史を持つSherwin-WilliamsWestern Unionといった企業で,DevOpsプラクティスを採用した実例の報告があります。また,IBMのRosalind Radcliffe氏が,メインフレームアプリケーションのテスト自動化に関する講演を行う予定です。

 

大規模なアジャイル移行の推進に関しては,MITのSteven Spear博士が,ToyotaやAlcoa, 米国海軍原子炉プログラムといったハイスピードな組織における文化転換と管理手法について論じます。またPaula Thrasher氏が,極端な官僚主義に苛まれた環境でのIT移行を実践した自身の活動について,16以上の連邦政府機関を例として講演します。

 

組織デザインの実現に関連しては,HPエンタープライズグループでCIOを務めるRalph Loura氏が,巨大IT組織におけるDevOps能力の育成とプラクティス展開について,The Walt Disney CompanyのシステムエンジニアリングディレクタであるJason Cox氏が,Disneyエンタープライズ全体の運用担当エンジニアを組織化し,配備し,投資した方法について,それぞれ講演を行います。

 

セキュリティとコンプライアンスの話題では,Orbizの前CISOであるEd Bellis氏と,Amazon Web ServicesプリンシパルソリューションアーキテクトのBill Shinn氏が,セキュリティおよびコンプライアンス上の反対を克服して,これらのプラクティスを,上場企業あるいは規制やセキュリティの極めて厳しい一部業界でいかに取り入れるか,というテーマで講演を行います。

 

適切なメトリック利用に関してLeanKitのJulia Wester氏とFocused ObjectivesのTroy Magenis氏が,行動改善を目的としたチームデータの可視化に関する理論と実践,数による管理の落とし穴と罠を避ける方法,この2つをテーマに講演を行います。

 

昨年登壇してくれた講演者の中からも何人かが戻ってくるので,彼らのDevOps活動の次のステップについて聞くことができます – TargetのHeather Mickman,Ross Clanton両氏は,APIによる生産性向上や,DevOpsプラクティスを全社に展開した経験について語ってくれます。NordstromのCourtney Kissler氏は,リードタイムの20%削減という全社目標について講演します。

InfoQ: 講演者は取締役やCレベル役員など,年齢の高い人たちが大部分のようですが,カンファレンス自体は若年層も対象にしているのでしょうか?彼らはこのカンファレンスで,何を得ることができますか?

Gene Kim: 私たちはPuppet Labsと共同でDevOps調査を行っているのですが,3年目となる今年の調査結果から分かったことのひとつが,草の根的な運動だけでなく,役員のサポートも必要だということだったのです。これは報告書には記載されていませんが,非常に重要なことだと思っています。

 

実際に考えてみれば,ごく当然のことです。ご存知のとおり,DevOpsには3つのものが必要です。継続的インテグレーションや継続的デリバリ,自動デプロイメント,プロアクティブな生産管理といった技術的プラクティスは当然ですが,信頼できる文化的慣行や,理想を言えばそれ自体でテスト性とデプロイ性を備えたアーキテクチャも必要になります。

 

後者の2つ,文化とアーキテクチャを変えるには,最高レベルのリーダシップによるサポートが必要です – 組織の一部に所属していたのでは,当然ながらこれらを変えることはできません。

 

Targetでシニアグループマネージャを務めるRoss Clanton氏は,今年も同社ディレクタのHeather Mickman氏とプレゼンテーションを行いますが,先日のライブチャットで, “コミュニティによる情報共有は,当初からDevOpsコミュニティを支える柱のひとつではありましたが,技術コミュニティの話題だと受け取られることも少なくありませんでした。DevOps Enterprise Summitの素晴らしいところは,コミュニティによってリードされていることです。私の知る限り,このような方法は初めてだと思います”,と評してくれています。

InfoQ: あなたは企業そのものの変革を実現する手段としてDevOpsを強く支持していますが,このような変革は当然,激しい議論を伴います。最近では“アジャイルは終わった”と結論付ける論調の記事や講演も見聞きしますが,DevOpsもそのような結論に達したのでしょうか?

Gene Kim: 私はGeoffrey Moore氏の“キャズム(Crossing the Chasm)”モデルを信奉しています。その問題は要するに,組織が新しい機能をいかに採用するかという,ガウス分布に過ぎません。最も早いカテゴリすなわち“イノベータ(innovator)”が,その世界におけるGoogleやAmazonなのだと思います。DevOps Enterprise Summitの講演者たちは,いわゆる”アーリアダプタ”です。原則やプラクティスが安全で,価値のあるものであるという,“初期多数派”を私たちに見せてくれます。私たちはまだキャズムを越えていませんが,DevOpsプラクティスは標準になりつつあります。

 

ですから私の意見は,“DevOpsは終わった”とはまったく正反対です。ゲームは始まったばかりです。経済的な価値のほとんどは,これから作り出されるのです。DevOpsはすべての業界に関連します。技術作業者の大部分はいまだ旧態依然とした手法で作業を続けていて,私たちの知っている可能性にははるかに達していません。


カンファレンスへの参加を希望するならば,GENKIM10コードで10%のディスカウントが受けられる。

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