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NestがWeaveプロトコルを公開

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原文(投稿日:2015/10/02)へのリンク

NestはWeaveプロトコルを開発者に公開した。各種IoTデバイスを接続するためのプロトコルだ。

Weaveは,Nestが自社のデバイスのために開発した,低消費電力,低帯域幅,低レイテンシでセキュアなデバイス間通信プロトコルである。現在はまだ同社独自のプロトコルだが,Nestでは世界中の開発者からフィードバックを得るために,これを公開して使ってもらうことにした。

WeaveはThreadネットワーク,または,802.15.4あるいは802.11を利用したWiFi上で動作する。これら2種類の電波のいずれかを実装し,ソフトウェアアップデートをサポートするIoTデバイスであれば,Weaveを使用するように拡張して,その全機能を利用することが可能だ。最小ハードウェア要件は,64KBのRAMを備えたARM MクラスSoCである。このデバイス上でWeaveは,Nestによると,バッテリで少なくとも2年間動作するように最適化されている。また,ARM Rクラスや,常時通電される家庭電化製品をターゲットとしたAクラスのコントローラ上でも利用できる。BluetoothやLTE,あるいはイーサネットなど,他のネットワークプロトコル上で動作するように拡張することも可能だ。

IPv6ベースのプロトコルであるWeaveは,標準的な通信経路 – デバイス - WiFi - クラウド - WiFiルータ - デバイス -,あるいはWiFiルータ経由でデバイス間を接続できる。さらに,デバイス同士で直接通信することにより,クラウドを経由する場合の遅延ペナルティや,インターネット接続の切断による通信途絶を回避することも可能だ。Weaveネットワーク上のノードにはそれぞれIPv6アドレスが割り当てられ,物理的なネットワークが異なっても相互通信することができる。

Weaveでは,動作する下位プロトコルが何であるかに関わらず,すべてのメッセージを暗号化することでセキュリティを確保する。さらに,デバイスを目的に従ってさまざまなカテゴリ – 照明やドアロック,サーモスタットなど – に分類した上で,カテゴリ毎に異なるキーを使用してデバイス間メッセージを暗号化する。これによってカテゴリ間に保護層が導入されるため,例えば照明設備のセキュリティギャップを見つけてドアロックを解除する,といったことはできなくなる。

NestのWeaveプロトコルとその利用条件の緩和は,AppleのHomeKitフレームワークが巻き起こした議論の真っ只中で発表された。HomeKitもNestと同じようなIoTソリューションだが,そのアプローチには違いがある。ソフトウェア開発プロセスがAppleのツール中心である,厳密な規則に従う必要がある,といったこと以外にも,セキュリティ上の理由からMarvellのEZ-ConnectなどApple推奨のコントローラの使用が必要,デバイスの操作にiOSデバイスが必須,Siriを使用するにはApple TVが必要,といった条件がThe Registerで紹介されている。互換性のあるハードウェアをすでに所持していて,そのファームウェアをアップデートすればよいと考えていたメーカは,Appleによる承認を受けるためにソリューションの再設計が必要になる。NestのソリューションはAppleよりも寛容で,メーカにとっては魅力的なものだが,IoTデバイスとしてセキュリティが最重要であることに違いはない。最終的にはAppleのアプローチの方が利益を生むだろうか?あるいはWeave/ThreadがIoTの世界を支配するだろうか?それは時が教えてくれるだろう。

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