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"Dear GitHub…" — GitHubへのオープンレター

原文(投稿日:2016/01/18)へのリンク

GitHubの最もポピュラーなプロジェクトも含み、その数を増やすオープンソースプロジェクトのメンテナーによるグループは、自分たちがGitHubの目に見えず、無視されていると感じていることについて、不満と苦情を伝えるためにオープンレターに署名した。数日で“Dear GitHub”への署名者数は何百にまで伸びた(公平に言うと、明らかにやらせの署名者も含まれている)。その中にはjQuery, React Native, node.jsのメンテナーや、成功したオープンソースプロジェクトが多量にある。

彼らの主な不満は、サポートの欠如と、GitHubとの適切な、双方向のコミュニケーションチャネルに関するものである。これまで維持してきたあらゆる問い合わせに対する唯一の反応は、“全く応答しないという空のレスポンス”である。それは報告された多数の問題を、GitHubがその気がないのか、何年も修正していないということが物語っている。InfoQとの談話で、“Dear GitHub”の主唱者の1人である James Kyle氏は、オープンレターを編集しながら全参加者からの“大規模な改善リスト”を集めているのだが、その中で3つだけハイライトして最終稿にすると決めたという。

  • カスタマイズ性がないことによるissue trackerの貧弱な問題報告。対策としては例えばカスタムフィールドとベーシックバリデーション機構を用い、その問題の再現方法や検証したバージョンといった、必要な情報が書かれているかを確かめるなど。
  • issue trackerのコメントシステムの高ノイズ。主に“+1”という無内容のコメントによるもの。問題がどれほど広がったかをメンテナーが知るには便利だが、付いてくるノイズが多すぎる。対策としては、ファーストクラスな投票機構を用いるなど。
  • CONTRIBUTING.mdガイドラインに準拠して問題やプルリクエスト(PR)を得にくい。これはGitHubが示す“コントリビューティングに関するガイドライン”リンクの目立たない性質によるものであると考えらる。これは新しいissues/PRのトップに表示されるファイルをメンテナーが編集できるようにすれば解決できそうである。

InfoQはオープンレターの発端や意図についてもっと知るため、James Kyle氏に話をうかがった。

GitHubへのオープンレターの誕生と、どんなプロセスだったかをご説明いただけますか。

全てはあるtwitterスレッドから始まりました。2人の高姿勢なオープンソースメンテナーから起こったものです。わたしはGitHubへのオープンレターを提案し、Google docに彼ら全員を招待しました。骨になる概要を数行書き、懸念を表明して肉付けするのは皆に任せました。GitHubへの改善要望は大規模なリストとなりましたが、トップ3まで切り詰めました。

オープンレターはGitHubに不満を伝えるのに最適な形式だったと思われますか?GitHubはついにあなたがたの要求に注目してくれると期待しますか?

オープンレターは、わたしたちの懸念をGitHubに伝えるのに唯一残された方法だと思っています。なぜかといえば、著者全員が機能のアイデアやプロダクトの問題についてGitHubサポートにEメールをしたことがあるのですが、誰も有効な回答を得られなかったからです。

GitHubは素晴らしいプロダクトです。しかしながら、未完であることは明らかですし、欠点がないわけではありません。このレターの著者は全員大規模プロジェクトを整備しているため、GitHubの短所を極端に経験する目に遭っています。わたしは、GitHubはオープンソースのバーンアウトに加担した一員であると主張します。過去の一握りのユーザをスケールしないという事実からです。

オープンレターで言及している3点のほか、GitHubとオープンソース開発者コミュニティとの関係に構造的な問題があるように見えます。もし本当に修復したいと思っているとしたら、実現するのはどれほど難しいと思われますか?

これはGitHubにとっては大チャンスです。GitHubによる分析によると、リポジトリには55,000の固有ユーザがいるそうで、Hacker Newsへの投稿が現在、all timeにおいて人気の投稿19位であるということがわかりました(まだ順位を上げています)。800を超える署名者にざっと目を通してみると、多くの人がGitHubの最もポピュラーなプロジェクトに関わっていることがわかります。

GitHubのユーザベースの琴線に触れるものであることは明らかでした。GitHubはこれをチャンスと捉えるべきだと思います。

何らかの形で応えてくれると願っていますが、すぐに起こるとは期待していでおきます。わたしがGitHubの現、そして旧従業員からプライベートに聞いたことは、確約のあるものではありません。オープンソースコミュニティはGitHubをかなりアテにしているので、GitHubがここ3-4年以上不活発であることには恐れを覚えますし、ほかのプロダクトがそうであるように、改善を続けていくべきだと思います。

“Dear GitHub”は別のオープンソース開発者グループを刺激し、現在その署名が200を越える2つ目のオープンレター“Thank you GitHub”が出た。InfoQとの対談で、Ruby on Railsのコア開発者であり、“Thank you GitHub”の主唱者であるXavier Noria氏は、“Dear GitHub”へのリアクションではあるものの、内容は“Dear GitHub”とは異なるものだと明言している。

改善を提案し、フィードバックを与えることは大いに結構なのですが、“Dear GitHub”にあるネガティブな気風には同調できず、署名を行いませんでした。代わりの"Thank you GitHub"は違った感情を表現しているというだけで、"Dear GitHub"の代表者にさえ署名をもらっているのです。

InfoQはGitHubに"Dear GitHub"に対する見解を尋ねたが、この記事の執筆時点ではまだ返答をもらっていない。GitHubから返答を受け次第、記事を更新する。(※訳者注:原文にはGitHubからの返答が掲載されています)

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