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Docker, Inc.がUnikernel Systems Ltd.を買収,'ユニカーネルテクノロジの民主化'を目指す

作者: , 翻訳者 吉田 英人 投稿日 2016年3月3日 |

原文(投稿日:2016/01/24)へのリンク

Dockerプラットフォームを管理するDocker, Inc.が,英国ケンブリッジを拠点にユニカーネル(unikernel)開発を行なうUnikernel Systemsを買収した。Docker Inc.は今回の買収を‘LinuxとWindowsコンテナの連続体’にユニカーネルベースのソフトウェアデプロイメントを取り入れるためと位置付け,Dockerエコシステムに関連する既存の可視性とツーリングを通じて‘ユニカーネルテクノロジの民主化’を目指す,としている。

ユニカーネルとは,MirageOSなどのライブラリベースのオペレーティングシステムを使用して目的別に構築された,単一アドレス空間のマシンイメージのことだ。ユニカーネルベースのOSを使用することによって開発者は,最低限必要なライブラリセットだけを選択して,自身のアプリケーションを実行するOSを構築することが可能になる。これらのライブラリはアプリケーションや構成コードとともにコンパイルされて,LinuxやWindowsといったOSが介在する必要なく,ハイパーバイザあるいはハードウェア上で直接動作可能な,特定目的の’ユニカーネル’イメージを構築する。OSに必要なフットプリントの削減,セキュリティ向上,専門化(specialization)へのポテンシャル向上などが設計上の目的だ。

Shared Kernel vs Unikernel

Docker, Inc.によると,Unikernel Systemsはユニカーネル普及を目標として,システムマーケットコミュニティ全体を対象としたユニカーネル関連ツーリングの提供を目指している。同社には,オープンソースの仮想化プラットフォームとしてパブリッククラウドでも使用されているXen Projectから,何人かのパイオニアが参加している。Docker Inc.はUnikernel Systemsチーム全体の専門知識を活用することで,‘先進的なネットワークやストレージソリューションで実績のあるテクノロジの民主化’を目指す,としている。

Docker Inc.エンタープライズマーケティングVPのDavid Messina氏,および同社のテクニカルスタッフ(Unikernel Systemsの共同設立者で元CTO)であるAnil Madhavapeddy氏から話を聞いた。Messina氏は,Dockerプロジェクトの可視性とその提供するツーリングがユニカーネルテクノロジの普及を促進するという,自身の考えについて話してくれた。

私たちはユニカーネルを,LinuxとWindowsコンテナの連続体における新たなタイプのコンテナと位置付けています。[...] Dockerには,この領域でのユニカーネル利用を促進するために十分なツーリングとテクノロジのエコシステムがすでに確立しています。

Madhavapeddy氏は,ユニカーネルが普及することによって,より多くのタイプのプラットフォームやアーキテクチャがコンテナベースのテクノロジの恩恵を受けられるようになるだろう,と述べている。

ユニカーネルによって,例えば数十億のデバイスで使用されているARMアーキテクチャのような,今は[現行のコンテナ化テクノロジを]利用できないコンピュートファブリック(compute fabric)にも手が届くようになります。

Dockerブログには,Dockerの慣れ親しんだツーリングとポータビリティ,ユニカーネルテクノロジの効率性と専用性,この2つを組み合わせることによって,企業は'特定のインフラストラクチャに拘束されることなく,分散アプリケーションを開発,提供,実行’するためのフレキシブルなプラットフォームを手にするようになる,と述べられている。Madhavapeddy氏は,買収の影響と潜在的メリットとして,開発者が慣れたツールを使ってユニカーネルを利用できるようになる点をあげている。

Linuxコンテナに対してDockerが行なったのと同じように,私たちが力を合わせることによって,オーケストレーションやネットワーキングなどを含むDockerエコシステム全体に対して,ユニカーネルの利用を解放できると思っています。Dockerツーリングとの統合がユニカーネルの発展をさらに進めると同時に,ユーザにとってはデータセンタからクラウド,IoT(モノのインターネット)に至るまで,‘コンテナ化’やアプリケーション管理の方法を自ら選択できるようになります。

Docker Inc.によるUnikernel Systemsの買収がコミュニティに提供できる当面のアウトプットは何か,Madhavapeddy氏に聞いてみた。

差し当たっては,DockerCon EUのデモで使用したコードをアップストリームすることを考えています。すでに確立されている,Dockerのオープンソース手順に従って実施する予定です。手順面で省略することはありません。

さらにMessina氏は,短期的および長期的な将来の計画について,これまで以上に広範なコミュニティがDockerチーム内で行われる作業に影響を与えるようになることは間違いない,と指摘する。

ユニカーネルの用途にとしては,まずマイクロサービスがあり,長期的にはIoTがあると見ていますが,将来はもっと大きなコミュニティが形作られるでしょう。

Docker, Inc.は,Unikernel SystemsチームがMirageOSRunprun, unikernel.orgといったオープンソースのユニカーネルプロジェクトへのコントリビュートを今後も続けること,拡大を続けるユニカーネルコミュニティのサポートを継続すること,Dockerの他部門と密接に協力しながらDockerツールとユニカーネルの効果的な統合を実現していくことなどを明言している。

Docker, Inc.によるUnikernel Systems買収に関する詳細情報は,DockerブログUnikernel SystemsのWebサイトに見ることができる。

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