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Raspberry PiがModel 3をローンチ,64bitコンピューティングに進出

| 作者: Alex Blewitt フォローする 4 人のフォロワー , 翻訳者 吉田 英人 フォローする 0 人のフォロワー 投稿日 2016年3月23日. 推定読書時間: 8 分 |

原文(投稿日:2016/02/29)へのリンク

新しいRaspberry PiであるModel 3が,その名称を冠したRaspberry Pi財団の4周年にローンチされた。価格帯は以前のRaspberry Pi Model 2と同じ – 35ドルないし30ユーロ – だが,提供される内容はかなりのものだ。

Pi 3

撮影: Gareth Halfacree,クリックで拡大。

従来のRaspberry Piモデルは32bit Broadcom SoC(システム・オン・チップ)をベースとしていたが,今回のModel 3は,64bit Broadcom SoCを搭載した始めてのローンチになる。これは,組込みデバイス市場により多くのレジスタと高速な演算能力をもたらす製品であるとともに,今年販売される64bit組込みデバイスとしては,最大のセールスを達成する可能性もある。チップは64bitをサポートしているが,従来の32bitプログラムを実行することも(最近のオペレーティングシステムがそうであるように)引き続き可能だ。クロックは1.2GHzでわずかに速くなっただけだが,クアッドコアになったことにより,マルチスレッドプログラム(あるいは単に複数のプログラム)の実行がこれまでよりも速くなるはずだ。Halfacree氏が詳細なベンチマークを実行して,その性能改善を確認している。

Mythic Beastsが運営するPi Webサイトでも,Raspberry Pi Webサイトを運営する主要なホスティングミックスにいくつかのPi 3を追加している。本記事の時点では,12のリクエスト中のひとつがPi 2あるいはPi 3で処理される計算だ。どちらにも独自のTwitterハンドルが用意されている(Pi 2, Pi 3)。ブログ記事によると,

ヘッダを見て,次のようなリクエストがあれば,
  HTTP/1.1 200 OK
...
  X-Served-By: Raspberry Pi 3
...

そのページ要求はRaspberry Pi 3によって処理されたものです。

現在,Raspberry Pi財団の既定のオペレーティングシステムはLinux Debianプラットフォームから派生したRaspbianだが,現時点で存在するのは32bit形式のみである。組込みシステムの長期的な潮流が最終的に64bitへと向かっているのは間違いないが,64bitのみをサポートするRaspianシステムが近日中にリリースされることはないだろう。その理由のひとつは,デバイスチップに搭載されているメモリが1Gbと,これまでのモデルから変更されていない点にある。64bitコンピューティングが必要とされるのは4Gb以上のメモリを使用する場合に限られているので,32bitオペレーティングシステムによる制限はそれほど大きな制約にはならないはずなのだ。他に64bit対応が望まれる理由として可能性が高いのは,サポートするインストラクションやレジスタ幅が拡張されるために,同じ価格帯でより大きなパフォーマンスを得られる点だ。これまでのRaspberry Piと同じように,Raspberry Pi Model 3ではWindowsも利用できる。Microsoftは,Windows Core IoTの最新イメージでRaspberry Pi Model 3のサポートを予定している。

その他にRaspberry Pi Model 3で大きく変わった点は,WiFiとBluetoothが利用可能になったことだ。これまでのRaspberry Piを利用したユースケースの大半では,ワイヤレスキーボード(Bluetooth経由)の接続やネットワーク(WiFi経由)にUSBポートを使用していた。Raspberry Pi Model 3ではどちらも不要になる – デバイスそのものを簡単に使用できるようになるのだ。アンテナはボード内に巧妙に内蔵されているので,使用に際してケーブル配線や接続の必要はない。

オンボードWiFiは802.11nを2.4GHzでサポートするが,5GHzはサポートしていない。この数年間に販売されているルータの大部分が複数バンドをサポートしている点を考慮すると,2.4GHz帯が一般的に5.GHz帯より混雑しているとはいえ,大きな問題ではないだろう。

Bluetoothのサポートは,デバイスをホストに接続するプロトコルの低エネルギ版であるBluetooth LEに準拠する。Bluetooth LEの大きなメリットのひとつに,通常は電源オフでデータ送信時のみアクティブになるような,バッテリ駆動のセンサを使用したプロトコルでの接続が可能な点がある。その結果,バッテリ駆動のデバイスが,Bluetooth 3以前のモデルによる常時アクティブなワイヤレスシステム使用時よりも,はるかに長時間使用することができるようになる。最近のスマートフォンなどのデバイスは,低電力デバイス(Apple TVやWatchなど)との通信するためのBluetooth LEや,デバイスの三角測量時のロケーション識別に使用するスマートタグなどを備えている。Raspberry Pi Model 3がこれらと同等の装備を備えたことで,将来的にはそのようなアプリケーションがメーカプロジェクトとして実施されることも考えられる。

Raspberry Pi財団の創設者であるEbon Upton氏が,新機能についてMakerzineで説明している

64bitコアを備えてはいますが,当面は32bitコードのみ実行することになるでしょう。 私たちとしては,独自のARMv6オペレーティングシステムであるRaspbianを引き続き使用します。64bit化のメリットはいくつかありますが,最も大きいのは[Raspberry Piで実行可能な]オペレーティングシステムの選択肢が広がることです。

IoTハブとして,より多くの方々にRaspberry Piが使用されることを期待しています。 現場に配置されて,有線EthernetあるいはWiFiでネットワークに接続された上で,周囲の[一般的には]BLEセンサを処理するような使い方になると思います。

ソフトウェアエンジニアとして私が本当に驚いたのは,[Raspberry Piを使用した]物理的なコンピューティング(ハッキング)プロジェクトのエキサイティングな事例が拡大していることです。彼らがこれまでのIoT型プロジェクトをどう変えるのか,ネットワーク機能が備わったことで今後何が生まれてくるのか,とても楽しみです。

Model 3は現在受注受付中だが,Raspberry Pi財団では,Model 2や他のパーツが引き続き必要なユーザのために,それらの生産も継続する予定である。(USBポート数を削減した)Model Aのリリースや,将来的には新しいSoCをサポートするZeroの提供が期待されているが,これらのタイムラインについては発表されていない。ウェールズにあるファクトリでは現在,新デバイスへの需要に対処すべく,Raspberry Pi Model 3を最大能力 – 約100,000台/週 – で生産中である。

発売からわずか4年のRasberry Piは,若者たちの学習材料として,アクシデントの経済的ダメージが少ないような,安価なデバイスを提供し続けている。Raspberry Pi財団はCodeClubと共同で教育センタへの投資を続けるとともに,NASAESATim Peake氏らと共に,Astro Piの名で,Raspberry Piを国際宇宙ステーションに送り込むための作業も続けている(デバイスにはそれぞれTwitterハンドルがあり,男性PiがAstro Pi lzzy,女性PiがAstro Pu Edだ)。昨年には学生を対象として,自身がコーディングしたコンピュータ科学の実験を宇宙空間で実行するチャンスを提供する競技会も開催され,7件の受賞プログラムが国際宇宙ステーションに送信された。さらには,英国の学校の子供たちがTim Peake氏と一緒に宇宙飛行するプログラムを開発するという,新たな競技会も発表されていている。この競技会は3月末まで続けられる予定だ。

Raspberry Piは,英国で最も多く販売されたコンピュータでもある。財団が500万ユニット達成を発表した1年程前にも,これが広く言われていたが,後になってAmstrad PCWマシンの販売台数が,合計で800万程度という数値であることが明らかになった経緯がある。Raspberry Piの販売台数がその数値を越えたことを,財団がTwitterで公表した。

最新情報: MagPiマガジンでのEben Upton氏とのインタビューの中で,Gareth Halfacree氏が,Broadcom SoCがPXEとUSBマスストレージブートもサポートしていることを明らかにした。これはつまり,Raspberry Piを立ち上げるためのメモリカードのインストールが,将来的には不要になるかもしれない,ということだ。

USBとPXEネットワークブートについて

昨年3月時点でチップ側の準備はできていたが,2つの新機能 – ダイレクトUSBマスストレージとPXEネットワークブート機能 – を有効にするためには,最終的なインプットを財団からBroadcomに提供する必要があった。“GordonがチップのブートROMを書き直して,‘これでうまく動くはずだよ’といって,Broadcomに渡したのです”,とEbenは笑った。“その通り,うまくいきました!”

 
 

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